もうすぐ脳が電脳空間に繋がり「思考のインターネット」が実現すると判明! テレパシー、 集団的思考、ロボット血管…

もうすぐ脳が電脳空間に繋がり「思考のインターネット」が実現すると判明! テレパシー、 集団的思考、ロボット血管…

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 脳が直接ネットワークにつながる時代の到来は確実に近づいているという。ある専門家に言わせればそれは今後数十年以内である。

■脳がクラウドにつながる日

 映画『マトリックス』(1999年)の頃から、人間の脳が電脳空間につながるというアイディアは一般にも広まってきたが、ここにきてさらに現実味を増してきているようだ。

 アメリカ、カナダ、ロシア、オーストラリアの神経科学者たちによる国際的な研究チームが先日「Frontiers in Neuroscience」で発表した研究では、人間の脳がクラウドコンピューティングにつながる日が今後数十年で実現することを予測している。

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 研究チームのロバート・フレイタス氏によれば、将来開発されるナノロボットが我々の脳に埋め込まれ、人間の思考とスーパーコンピュータをつなげる役目を果たすという。そしてクラウドコンピューティングの膨大な電子情報の中から必要な情報を脳に瞬時に“ダウンロード”することが可能になるということだ。

「ナノロボットは人間の血管系を通り、血液脳関門を通過し、そして脳細胞の間、または脳細胞内でさえも正確に位置を定めて自分を配置します。その後、リアルタイムでの脳状態のモニタリングとデータ抽出のために、クラウドベースのスーパーコンピュータネットワークとの間でエンコードされた情報をワイヤレスで送受信します」(ロバート・フレイタス氏)

 つまり脳に入り込んだナノロボットがスーパーコンピュータと無線交信するのである。

 研究者らによると、これらのインターフェースは、人間とコンピュータを結び付けるだけにはとどまらないという。この脳のネットワークは、集団的思考を可能にする「グローバルスーパーブレイン(global superbrain)」と呼ばれるものを形成することに役立つというのだ。ではこのグローバルスーパーブレインとはいったいどういうものなのだろうか。

■“テレパシー”でテトリスを攻略

 昨年10月に米ワシントン大学の研究チームが発表した「BrainNet」は実に画期的な技術である。脳波を計測する装置(EEG)と微弱電流で脳内のニューロンを刺激する機器(TMS)を使って、言葉を交わさずに3人で協力し合ってテトリス風のテレビゲームを攻略したのだ。

 3人の実験参加者がそれぞれ機器を装着する形で行われた実験では、点滅するLEDライトが2パターン用意された。ゲームを実際にプレイするのはそのうちの1人で、ほかの2人はプレイヤーに脳波で指示を出して“協力プレイ”が行われた。

 テトリスのブロックを左に回転させるには早く点滅する信号が送られ、右に回転させるには遅い点滅の信号が送られるという取り決めのもとで、送られてくる脳波の情報を受け取ったプレイヤーの脳の中でこの光の点滅が再現され、その指示にしたがってテトリスをプレイすることができたのである。つまり右左の指示が脳波の情報だけ伝えられたわけだが、実験ではその応答率は81%にも達したという。

 技術的にはまだ初歩的なものではあるが、この「BrainNet」のコンセプトは、我々の脳と脳をつなげ、ネットワーク化する近未来を思い描くものである。そしてその先にグローバルスーパーブレインが実現する社会が待っているのだ。

■“思考のインターネット”は今世紀中に実現

 脳とクラウドコンピューティングの高度なレベルでの接続を達成するために、科学者たちはテクノロジーと医学の画期的な進歩が不可欠であることに言及している。そのうち最も重要なのはシームレスな情報伝達を可能にするシステムの開発であるということだ。

「この課題はグローバルデータの伝送方法を見つけることだけではありません。脳の奥深くに埋め込まれた小さなデバイスを介してニューロンとデータ交換を可能にする手段を開発することにもあります」と研究チームのヌーノ・マーチンズ博士は語る。

 かなり技術的には確立されつつあるが、脳内に安全に多くのナノロボットを送り届ける手段についてはさらなる研究開発が必要である。

「これらの技術や他の有望な技術を用いて脳=コンピュータインタフェースの開発はますます加速し、“思考のインターネット”は世紀が変わる前に現実のものとなる可能性があります。しかし本来は、ナノロボットが人間の発達のために考慮される前に、ナノロボットの生体内分布と生体適合性の詳細な分析が必要なのです」(ヌーノ・マーチンズ博士)

 脳とコンピュータがワイヤレスでつながれるというSFの世界の話は21世紀中にも実現するという。その時人類に“幼年期の終わり”が訪れるということになるのだろうか。

(仲田しんじ)

※イメージ画像:「Gretty Images」