【警告】アルツハイマー病とは異なる“やばい”認知症「LATE」が発見される! 25%以上が発症する可能性!

【警告】アルツハイマー病とは異なる“やばい”認知症「LATE」が発見される! 25%以上が発症する可能性!

【警告】アルツハイマー病とは異なる“やばい”認知症「LATE」が発見される! 25%以上が発症する可能性!の画像

 これまではアルツハイマーだと診断されていた認知症の何割かが、実はまったく別の認知症であったことが判明して話題になっている。その新たに発覚した認知症は「LATE」と名づけられた。

■アルツハイマー病に似ていながらも原因がまったく異なる“LATE”

 高齢になってからの認知機能低下の多くはアルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)と診断される。アルツハイマー病の治療は難しく、個別的なケースによっては投薬がまったく効かない場合もあるが、それもそのはず、これまでアルツハイマー病と診断されてきたある割合の症状は、実は別種の認知症であることが最新の研究で報告されている。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2019/05/post_94984_entry.html】

 米・ラッシュ大学メディカルセンターをはじめとする合同研究チームが先日、脳科学系学術ジャーナル「Brain」で発表した研究では、新たに定義されるべき認知症である「LATE」の存在を指摘している。

「Limbic-predominant Age-related TDP-43 Encephalopathy」の略である新たな認知症、LATEはアルツハイマー病に似た症状でありながら、その原因がまったく異なるということだ。

 アルツハイマー病は脳の中にβアミロイドと呼ばれるタンパク質が蓄積され始めることが原因の1つとされているのだが、このLATEの場合はβアミロイドではなく「TDP-43タンパク質」が脳内で蓄積することで発症するということである。したがってアルツハイマー病の治療法はこのLATEにはまったく通用しないことになる。

 このTDP-43タンパク質は脳の3つの領域(扁桃体、海馬、中前頭回)に蓄積していることが突き止められ、程度に応じて記憶障害や日常の行動への支障などが現れるという。そして研究チームは、今こそ高齢期の認知症はアルツハイマー病であるという固定観念を捨てる時であると指摘している。

「風邪の場合、200を超えるさまざまなウイルスがその原因となり得ます。ではなぜ認知症の場合はその原因が1つしかないと考えるのでしょうか」と研究チームのピーター・ネルソン医師は語る。

「LATEはおそらくアルツハイマー病とは異なる治療法が必要とされるため、そのことが過去に多くのアルツハイマー病治療薬が臨床試験で失敗した理由を説明するのに役立つかもしれません。今、科学界はLATEの存在を確認しているので、“どうやって”と“どうして”をさらに追求すれば、症状にふさわしい薬を開発することができます」(ピーター・ネルソン医師)

■ベンジャミン・フランクリンの功績にも匹敵する発見

 LATEは複数の認知領域に影響を及ぼし、最終的には日常生活の個人的活動を損なうのだが、LATEはアルツハイマー病よりもゆっくりと進行することがわかっている。若年性の症状にはなりにくく、主に後期高齢者になってからの症状であるということだ。研究チームの分析によれば、85歳以上の約25%がこのLATEを発症しているという。

 しかしながら厄介なのは、このLATEとアルツハイマー病が組み合わされる可能性があることだ。LATEとアルツハイマー病を同時に抱えている場合、どちらか一方の時よりも認知機能の低下が早く進むというのだ。いわば認知症の“合併症”で劇症化するのである。

 研究チームは今回の発見は、雷が電気であることを明らかにしたベンジャミン・フランクリンの功績にも匹敵するものであるとの自負を持っている。

「もちろんそれまでの人々も稲妻を目撃していましたが、フランクリンは私たちが電気について理解する能力を向上させる概念を形式化することを手助けしました。我々も今回のデータに科学的な焦点を当て、この分野の認知症についての理解を深めるため、そして最終的には新たな治療の可能性を開拓するために、幅広い分野の研究を始めたいと考えています」(ピーター・ネルソン医師)

 現在のところ、LATEは死後の検死解剖からでしか発見されていないのだが、今回の研究によってLATE疾患のバイオマーカー研究に拍車をかけ、その結果医師が生前にLATEを診断し、臨床試験での研究が可能になることが期待されているという。今回新たに発見された認知症、LATEの診断法と治療法についてさらなる研究の進展を期待したい。

(仲田しんじ)

※イメージ画像:「Gretty Images」