「宇宙人はいない」ロシア人大富豪が支援する“宇宙探査”でまさかの結果! 電波干渉でシグナルが隠された可能性!

「宇宙人はいない」ロシア人大富豪が支援する“宇宙探査”でまさかの結果! 電波干渉でシグナルが隠された可能性!

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 地球外生命体と人類の邂逅は近いのだろうか――。最新の研究では、残念なことに我々の手の届く範囲には生命がまったく存在しないことが報告されている。人類は限りなく”ひとりぼっち”に近いというのだ。

■巨額の宇宙探査プロジェクトの出鼻がくじかれる

 SETI(地球外知的生命体探査)をはじめとして、地球外生命体、地球外文明を探求する試みが各方面から行われているが、残念ながら今のところその成果は上がっていない。今後さらに“しらみつぶし”に探していけば生命や文明の痕跡が見つかる日が来るのだろうか。

 しかしながら先日発表された研究は、多くの“夢とロマン”を打ち砕く内容だ。1300もの地球近傍天体を調べ上げたところ、生命のいる気配はまったくなかったというのだ。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2019/06/post_101038_entry.html】

 米カリフォルニア大学バークレー校をはじめとする研究チームが6月に論文投稿サイト「arXiv.org」で公開した研究論文では、電波と光を用いて地球外生命体を探査する「ブレイクスルー・リッスン(The Breakthrough Listen)」の研究結果を報告している。

「紛れもなく何もありません。きわめて強力な送信装置で私たちに接触を図ろうとしているような超先進的な文明はありませんでした」と研究を主導した宇宙物理学者、ダニー・プライス氏は科学系メディア「Live Science」に話している。

 ブレイクスルー・リッスンはロシア出身の資産家であるユーリ・ミルナー氏が10年間で1億ドル(約108億円)を拠出する大がかりな宇宙探査プロジェクトなのだが、その壮大な野望は出鼻をくじかれた格好になってしまった。

 この残念な結果についてプライス氏は、いくつかの説明ができると話している。探査に用いた電波(1.10〜3.45GHz)が適切な周波数ではなかった可能性、地球からの電波干渉によって地球外文明からのシグナルが隠されてしまった可能性などを指摘しているのだ。

■今後は最新鋭の観測施設で100万以上の星を調査

 2015年にスタートしたブレイクスルー・リッスンでは、米・ウェストバージニア州にある「グリーンバンク天文台」の直径100mの電波望遠鏡と、豪・ニューサウスウェールズ州にある「パークス天文台」の直径64mの電波望遠鏡という世界で最も高性能な2つの望遠鏡を用いて地球外文明の痕跡を探し続けてきた。

 今回の研究では、電波と光の波長の両方で1ペタバイト(100万ギガバイト)のデータを分析し、地球から160光年以内にある1327個の天体が入念に調べられた。分析の過程で数千もの興味深い信号が浮上してきたが、実のところそれらはすべて人工衛星のような人工物由来のものであった。

 膨大な情報カタログのすべてが「arXiv.org」で公開された今回の研究は、この分野のこれまでの歴史の中で最大の地球外知的生命体探査データになるということだ。

 この研究には関与していないペンシルベニア州立大学の天体物理学者、ジェイソン・ライト氏は研究データを包み隠さずすべて公開した研究者たちに感銘を受けたと「Live Science」に語っている。

「研究チームが何かを見落とした可能性があると思った人は誰でも、この研究データを直接調べて自分の目で確かめることができるのです」(ジェイソン・ライト氏)

 今回の研究は残念な報告となったが、すでにより期待の持てる調査が今後に控えていることもありプライス氏は楽観的であるということだ。直径13.5mの電波望遠鏡64台から構成される南アフリカの最新鋭の観測施設「MeerKAT(ミーアキャット)」で銀河系周辺にある100万以上の星を調査することが決まっているのだ。

 最新の電波望遠鏡を駆使すれば地球外文明のシグナルを発見できる日がより早く訪れることになるのだろうか。巨額の投資で立ち上げられたブレイクスルー・リッスンの動向に今後も引続き注目していきたい。

(仲田しんじ)

※画像は、MeerKATの完成予想図 「Wikipedia」より引用