テスラの半自動運転で“居眠り”頻発、高速道路で“爆睡”も! 交通事故むしろ増える… 自動運転と運転支援の違いを理解せよ!

テスラの半自動運転で“居眠り”頻発、高速道路で“爆睡”も! 交通事故むしろ増える… 自動運転と運転支援の違いを理解せよ!

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 来年の最新モデルでは“完全自動運転”が可能になると“公約”されているテスラ車だが、その自動運転技術のあまりの安心感からか、ドライバーの“居眠り自動運転”が相次いで報告されているようだ。安全性を向上させるための自動運転技術でドライバーが眠ってしまっては本末転倒ということになるのだが……。

■“居眠り自動運転”が目撃される

 高齢者ドライバーによる交通事故が深刻な社会問題になっている昨今だが、事故のリスクを大幅に低下させる新技術として期待されているのが自動運転機能だ。宇宙開発事業でも話題のイーロン・マスク氏がCEOを務める自動車メーカー、テスラは完全自動運転の技術を事実上実現させたことをこの春にアナウンスして話題を呼んでいる。

 特にアメリカでは着実に普及が進んでいる自動運転技術だが、広まるに伴ってそのネガティブな影響が出始めているようだ。それはドライバーの“居眠り自動運転”だ。自動運転モード中に居眠りをしているドライバーが目につくようになったのだ。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2019/07/post_101142_entry.html】

 アメリカのニュース番組「ABC7」で先ごろ紹介された投稿動画が話題になっている。米・南カリフォルニアで有数の交通量が多い高速道路で目撃者が撮影した動画の中では、隣のレーンを走るテスラ車に乗ったドライバーが運転席で眠っているのだ。

「私は彼がぐっすり眠っていると理解しました。目は閉じられ、ハンドルのどこにも手がかかっていませんでした」と、この動画を撮影したショーン・ミラディノヴィッチ氏は番組に話している。

 この映像が撮られた数分後には高速道路の出口に差しかかったのだが、このドライバーは依然として眠ったままであった。ハンドルに触れているのは彼の首元から下がったネクタイだけで、それがゆえに手が離れていても警告システムが作動しなかったということだ。

 この動画でとらえられた“居眠り自動運転”は決してレアケースというわけではなく、この1年の間に各地で目撃されているという。

 この3月には、カリフォルニア州で同じくテスラ車のドライバーが“居眠り自動運転”で逮捕されている。5月には酩酊状態のドライバーがテスラ車に乗り込み、自動運転機能を作動させて帰宅しようとしたことが報告されている。

 さらにアメリカだけにとどまる話ではなく、最近ではオランダで同じくテスラ車で“居眠り自動運転”していたドライバーが逮捕されている。自動運転技術の普及とともにこうした自動運転に依存し、緊張感を欠いたドライバーが増えるとすれば皮肉にも事故リスクは高まるだろう。いったい何のための自動運転技術だったのかという話に発展してしまうようではまさにお先真っ暗だ。

■ユーザーは運転支援と自動運転の違いを理解していない

 かつてテスラは2018年中にも“完全自動運転”を実現すると豪語していたが、残念ながら間に合わず、今春に発表された同社最新の自動運転技術も厳密な意味では完全自動運転技術ではないといわれている。科学系メディア「Science Alert」の記事によれば、完全自動運転の技術が実現する日は近づいているのではなく、むしろ遠ざかっているのではないかとも指摘しているのだ。

 アメリカの高速道路安全当局は5つのレベルの運転支援技術を定めている。

 レベル1はいくつかの運転支援機能のみを使った技術で、レベル5がいわゆる完全自動運転で搭乗者が一切操縦することなく走行が可能な技術である。テスラ車の自動運転技術は最新型のものではレベル3で、現行車両の多くはレベル2であるとされている。

「自動運転は車をその車線内で自動的に操縦し、加速し、そしてブレーキをかけることを可能にします。現在の自動運転機能はアクティブなドライバーを必要としており、自律的な車両にはなりません」と、テスラのウェブサイトには明記されている。テスラも同社の車両が完全自動運転ではないと注記しているのだ。

 レベル4、レベル5へと開発を進めていくことは驚くほど困難であることがすでに証明されており、そして想定よりも長い時間がかかることが見込まれるという。

「Forbes」誌のランス・エリオット氏は、イーロン・マスク氏が設定している完全自動運転が実現する期日(2020年)に懐疑的だ。

「テスラの車が今年から来年にかけてレベル5の完全自動運転車のパフォーマンスを発揮するという根拠を証明するものは今もありません」(ランス・エリオット氏)

 そして理由がどうであれ、一部のユーザーは明らかに先進的な運転支援機能と完全自動運転の違いを理解していないということだ。

 それでも高速道路などでオートパイロット機能を活用するドライバーが今後さらに増えてくることはほぼ確実視されている。自動運転技術の普及でドライバーが怠惰で愚かになっていくのだとすれば深刻な問題に発展しかねないのだろう。

※画像は「Wikipedia」より引用