【あの殺人犯は今】12人死傷「マツダ工場暴走殺傷事件」引寺利明の現在を直撃! 今も無反省で妄想の治療もナシ! 刑務所ダイエットも…!

【あの殺人犯は今】12人死傷「マツダ工場暴走殺傷事件」引寺利明の現在を直撃! 今も無反省で妄想の治療もナシ! 刑務所ダイエットも…!

【あの殺人犯は今】12人死傷「マツダ工場暴走殺傷事件」引寺利明の現在を直撃! 今も無反省で妄想の治療もナシ! 刑務所ダイエットも…!の画像

 どれほど社会を騒がせた殺人事件もいつしか人々の記憶から消え去っていく。あの有名殺人犯は今、どこで、何をしているのか……追跡取材した結果を報告する!

 1人目は、2010年6月に広島市で起きたマツダ工場暴走殺傷事件の引寺利明(51)――。

■「大手マスコミはスポンサーのマツダに尻尾フリフリ」

「6月22日前後にマツダ事件の記事が新聞やネットに出ていれば、コピーして送ってください」

 毎年、事件の日が近づくと、私のもとには必ず、引寺からそんな内容の手紙が届く。引寺は現在、岡山刑務所で服役中だが、事件から9年になる今もマスコミが自分に関心を持ち続けているのかが気になって仕方がないのだ。

 大手自動車メーカー・マツダの期間工だった引寺は、2010年6月22日の朝、広島市南区にある同社の本社工場に車で突入。そのまま時速40〜70キロで場内を走り回り、社員たちを次々に撥ね、1人を殺害、11人に重軽傷を負わせた。

 そして犯行後、警察に自首した引寺は、「マツダで働いていた頃、他の社員たちから集団ストーカーに遭い、恨んでいた」と奇異な動機を供述。精神鑑定で妄想性障害に陥っていると判定されたが、裁判では完全責任能力を認められ、無期懲役刑が確定した。

 私はこの引寺と裁判中から面会や手紙のやりとりをしてきたが、残念ながら引寺は今も自分の罪を一切反省していない。

「マツダの会長に事件の真相を伝える手紙を出したのに、被害者や遺族に渡さずにストップしとるようなんじゃ」

「大手マスコミはスポンサーのマツダに尻尾フリフリで、事件の真相を報じようとせんのんじゃ」

 引寺は今もそのようにマツダの悪口を次々に手紙に書き綴ってくる。自分はマツダで働いていた頃、集団ストーカーに遭っていた被害者だと信じ続けているため、自分の犯行も正当な復讐だと思い込んだままなのだ。

■「ワシの中では、事件は風化しとるんよ」

 もっとも、それも仕方がない面もある。引寺は精神鑑定で妄想性障害だと認定されながら、服役中に精神科の治療を一切受けていないからだ。

「人のことをキチ〇イみたいに言いながら、ええかげんなもんじゃ」

 岡山刑務所で面会した際、引寺はアクリル板越しにそう毒づいていた。私は引寺の主張を支持するわけではないが、裁判で妄想性障害と認定された殺人犯が服役中に何ら治療を受けていないとは、日本の刑務所の矯正システムにも問題があると思わざるをえない。

 引寺は面会中、シレっとこんなことも言っていた。

「正直、ワシの中では、事件は風化しとるんよ。裁判しよった頃は、被害者の名前を全員フルネームですぐに言えたけど、今はもうほとんどの人の名前を憶えとらんけえね」

 亡くなった被害者の男性は、事件の10カ月前に娘が生まれたばかりだった。一命をとりとめた被害者の中にも右目を失明するなどの重い障害が残った人もいる。被害者やその関係者が現在の引寺の無反省ぶりを知ったら、やり切れないだろう。

■「刑務所ダイエット」で身体はスリムで健康的に……

 このように内面的な変化は何もない引寺だが、実は外見は9年前に事件を起こした頃と大きく変化している。犯行時は体重が90キロ近くあるメタボ体型だったが、今は当時より体重が約30キロ減り、58キロのスリムな身体になっているのだ。

 面会した際、引寺はこう説明した。

「ワシはシャバにおった頃、甘い缶コーヒーを毎日ガンガン飲みよったんじゃけど、刑務所の食事はカロリーが低めに作られとるけえね。まあ、刑務所ダイエットじゃね。健康診断の数値もすっかり良くなったよ」

 岡山刑務所は、殺人などの重大犯罪に手を染めた長期受刑者が集まる刑務所だ。引寺の言っていることは強がりで、実際は他の受刑者にいじめられるなどして激ヤセした可能性もあるのでは……と私は勘ぐったが、引寺は言下に否定した。

「それはないよ。刑務所では、暴力沙汰はすぐに懲罰じゃけえね。普通の人が想像するような受刑者同士のケンカとかイジメは、現実の刑務所ではありえんのよ」

 受刑者同士は仲がよく、夜はみんなでテレビを観て、楽しんでいるという。

■事件の「真実」を告発するために手記を執筆中

 そんな引寺だが、現在の無期懲役刑は事実上、終身刑と化しており、刑務所で生涯を終える可能性が高い。それだけに社会に何か自分の足跡を残しておきたいと考えるのだろうか、現在は獄中で自分の起こした事件の「真実」を告発するために手記を執筆中という。

 以下は公表を希望し、今年初めに私のもとに送り届けてきた手記の一節だ。

〈ワシに関わった警察や検察関係者、一審の弁護団、にっくき二審の弁護団、腐った大手マスコミの記者連中の皆様方、覚悟しといてねー。ワシが書きたい事が、本人さんにとって都合が良かろうーが悪かろーが、まーだいたいは都合が悪いと思うけどのー。ワシは、ありのままの事実な裏話を思いっきり書いちゃうぜー!! だって本当の事なんだもーん。ワシは宇宙一の正直者じゃけーのーーーーテヘっ(笑)〉

 正直、引寺の手記は何を伝えたいのかがわかりにくい内容なのだが、引寺本人は今後、次々に手記を書き、自分が起こした事件に関係した人たちを困らせる重大な告発をしていくつもりらしい。

 書き上げた手記は随時、私に送ってくるそうなので、公開することに公益性が認められる内容のものがあれば、何らかの機会に公開するかもしれない。

(写真・文=片岡健)