牛丼太郎、げんき家…「消えた牛丼チェーン」6店! 一杯200円、53店舗が消滅…懐かしいあの牛丼屋の今!

牛丼太郎、げんき家…「消えた牛丼チェーン」6店! 一杯200円、53店舗が消滅…懐かしいあの牛丼屋の今!

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 意識低い系男子の主なエネルギー源と言えば牛丼だ。牛丼屋はかつてのデフレ飯の急先鋒であり、現在も300円代で食すことができる。

【その他の画像はコチラ→https://tocana.jp/2019/07/post_104215_entry.html】

 牛丼といえば、なんと言っても100年以上の歴史をほこる『吉野家』が強い。そして『松屋』『すき家』も大きいチェーンだ。

 どの街に行っても、3店舗のうちどれかはある。うちの近所は3店舗ともあった(すき家だけビル解体でなくなった)。

 ちなみに現在の並盛りの価格は、吉野家380円、松屋320円、すき家350円になっている(すべて税込み)。ちなみに松屋はプレミアム牛めし(380円)の販売を進めており、牛めしを販売していない店舗も多い。

 そんな3店舗がしのぎを削る現在の状況だが、以前にはもっとたくさんのチェーン店が存在した。皆さんにも、「学生時代はよく食ってたのに、いつの間にか見なくなった!!」などと思う牛丼屋さんがあるのではないだろうか?

 今回は、今はない消えてしまった牛丼屋を写真とともに振り返りたい。

■神戸らんぷ亭

 神戸らんぷ亭は1993年にダイエーグループが作った牛丼チェーン店だった。

 神戸とついているが、それは『神戸が牛丼発祥の地と呼ばれているのにちなんで』という意味であり、実際には1号店は渋谷区だった。たぶん神戸には“神戸牛”のイメージもあるからつけたのかもしれない。……結構、姑息な手である。

 1995年には牛丼を290円まで値下げした。まだ値下げ合戦がはじまる前の試みだったが、他のチェーンは追随せず結局ランプ亭も値段をもとに戻した。

 順調に53店舗まで増やしたところで、アメリカのBSE問題が起きた。オーストラリア産の牛肉に切り替えて牛丼販売を継続した。

 2005年に親会社のダイエーは神戸らんぷ亭をミツイワ株式会社に事業譲渡する。2010年の段階ではまだ35店舗とまずまず残っていたのだが、再び親会社が変わったり、かつ丼店やラーメン店に転換して徐々に姿を消していった。

 そして『旧神戸らんぷ亭銀座店』が『銀座らんぷ亭』として営業を再開したものの、メニューには牛丼はなく、スタミナ丼やラーメンなどのメニューだけだった。そして最後に残った『銀座らんぷ亭』も2017年4月に消滅した。

「らんぷ亭って、意外と最近まで残ってたんだ!!」

 と逆に驚く人もいたかもしれない。

 個人的にはらんぷ亭は、塩牛丼という変わったメニュー、カツ丼もあったので嫌いではなかった。でも「牛丼を食べるぞ!!」という気分の時に、わざわざチョイスする感じでもなかった。大手になりきれなかった牛丼チェーンという印象だ。合掌。

■牛丼専門店 げんき家

 げんき家もチェーン店だったのだが、詳細があまり分からない不思議な牛丼屋だった。

 看板には『牛丼専門店』と書いてあるのだが、その下にはより大きい字で『牛丼とカレーの店』と書かれていた。いきなり矛盾爆発な入り口!!

 現在では当たり前になった、牛丼カレーをかなり早い段階から販売していた。僕が行っていた時には牛丼カレーは一日80食限定だった。80食って結構多いよなと思った覚えがある。

 げんき家は僕がよく仕事をしてた、ミリオン出版や竹書房などの出版社がある九段下にあったので、ちょくちょく通っていた。かなり味が濃く汁っ気の多い牛丼で好きだった。

 月曜日はトン汁無料、火曜日はカレー100円引きなどの日替わりのサービスを実施していた。残念ながら2012年頃に閉店してしまった。

 よくわからないチェーン店なので、どれだけ店舗数があったのかもハッキリしない。調べてみると、調布、桜上水にはお店があったようだ。「ここにあったよ!!」と思いあたる人はそっと教えてほしい。
 最後に残ったのは、沖縄の那覇市の泉崎店だった。ここではオリジナルメニューの『ゆしどうふ』が人気だったそうだ。ゆしどうふとは、豆乳ににがりをいれただけのふわふわした豆腐だ。沖縄独特の味である。とても美味しそうだが、ますます『牛丼専門店』からは遠ざかる。この店舗もいつの間にかなくなってしまった。残念。

■牛丼太郎

 小さい牛丼チェーン店で最も有名なのが、『牛丼太郎』ではないだろうか? 店舗数は10店舗以下、インターネットでの宣伝はなしだが人気は高かった。牛丼太郎というストレートでキュートなネーミング、牛と書かれた前掛けをつけた金太郎っぽいキャラクターのインパクトは強い。

 そして、『牛丼太郎』はやはり元祖激安牛丼屋として知られている。まだ吉野家が一杯400円で販売していた頃、牛丼太郎だけは350円で提供していた。

 90年代後半の値下げ合戦にも牛丼太郎は、一歩も引かなかった。最終的には、一杯200円まで値段を下げた。一杯200円はさすがに安い。上がりを出すには、どれだけ売ればいいのか、他人事ながら心配になった。

 また、牛丼以外のメニューとして、丼飯にどちゃっと納豆を載せた納豆丼が250円で食べられたのも魅力だった。

 BSE問題の時期にも牛丼販売を続けた。牛肉がそこをついた後は豚肉を混ぜたり、オーストラリア産の牛肉を使って継続していた。最終的には290円で落ちついた。

 僕は、中野店と新宿の思い出横丁(通称ションベン横丁)の店によく行っていた。思い出横丁の店舗は、店名が変わった後に大火事で燃えてしまったのを覚えている。火事があったのが1999年だから、もうずいぶん昔の話だ。ほそぼそと営業は続いていたのだが、2012年になって全ての店舗が営業を終了した。

 しかし牛丼太郎は滅びなかった!!

 牛丼太郎の茗荷谷店が、牛の字をとって『丼太郎』として復活したのだ。

 2019年現在も営業しているので、足を運んでみた。

 丸ノ内線茗荷谷駅からすぐの場所にあった。ただ春日通りには『なか卯』と『松屋』という強豪が並んでいた。少し心配になったが『丼太郎』は大健在だった。店構えもほとんど変わっていなかった。牛丼太郎の牛の字を紙を貼って隠して、丼太郎にしているだけだ。キャラクターの牛太君も健在だった。

 メニューを見ると牛丼は290円といまだに激安を貫いていた。吉野家や松屋は激安戦争が終わった後にはとっとと値段を上げたが、さすが元祖激安店は未だに安い。素晴らしい!!

 そして納豆丼は220円と破格の安さだ。そして朝定食は250円だ。今どき200円代でお腹がいっぱいになるお店など、どこを探しても見つからないだろう。そして味も、当時と変わらずとても美味しかった。

 安さ美味さがそろった店をみんなが放っておくわけもなく、昼前なのに賑わっていた。

 ぜひとも末永く、営業していただきたい。

 と、大手以外は消えてしまいつつある牛丼業界だが、『丼太郎』以外にも粘っている牛丼屋さんはまだある。

『どん亭』は関東に2軒、沖縄に5軒営業中だ。牛丼以外にも、アジフライ定食、生姜焼き定食などが食べられるのが嬉しい。沖縄の店舗では、ゆし豆腐そばなど沖縄らしいメニューを食べることができる。

『たつ屋』はある程度の店舗数のあるグループだったが現在は新宿南口にある一店舗になっている。豆腐の載ったすき焼き風の牛丼が特徴で、カツ丼や親子丼も食べることができる。

『牛丼専門店 ザ・サンボ』は秋葉原の有名店だ。『子連れ入店禁止』『ヘッドホン着用禁止』という厳しいルールがある。開店閉店の時間も日によってまちまち、定休日も決まっていない。頑固者の店長のお店だが、秋葉原に集う人たちからはとても愛されている。牛丼は480円と少し高めだが、そのかわりとても量が多い。とにかく甘みの強い牛丼がくせになる旨さで人気だ。

 などまだ残っている店はある!!

 大手グループ店はとても便利だけど、それだけになってしまうとやはりさみしい。

 個性的な店舗が生き残れるよう、みなさん食べに行きましょう!!

(文=村田らむ)