中国海警法に対応する日本の諸問題とは

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」。3月17日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」では、弁護士ドットコムGMで弁護士の田上嘉一さんが中国海警法に対し、日本が進むべき道について述べました。



◆国際法に反する中国海警法に対して日本は…

中国海警局の艦船が尖閣諸島周辺で活動する際、海上保安庁の巡視船や日本漁船に対する武器使用や強制退去を自制していると、中国政府が日本政府に伝えていたことがわかりました。日本は「尖閣は固有の領土だ」と反論し、領海侵入などの中国側の活動自体を強く批判したことを複数の日本政府関係者が明らかにしました。

今年1月に出演した際にも、田上さんが同コーナーでテーマとして掲げていた中国海警法。現在もさまざまな場で取り沙汰され、大きな注目を集めているなか、その最大の問題は「中国海警局の巡視船が、日本の海上保安庁の巡視船に対しても武器使用、攻撃できるというようなことが読めること」と田上さん。

これに対し、日本の海上保安庁に対抗手段はありません。そこで自民党の国防部会では海上保安庁も危害射撃、いわば武器使用を可能にする、それも現状では正当防衛や緊急避難の場合のみとされているところを凶悪犯罪にも適用するという議論がなされているそうですが、田上さんは「それは違うんじゃないか」と疑問を呈します。

というのも本来、政府は民間の漁船などに対しては警察権として取り締まることができますが、他国の軍艦や巡視船を取り締まることができないというのが国際法の考え方。そして、それに真っ向から反しているのが中国海警法で、もし中国の攻撃を凶悪犯罪と該当して海上保安庁もやり返していいとしてしまうと、「今度は日本が国際法に違反するんじゃないか」と危惧。

田上さんは、「日本は先の大戦で秩序を壊す側になってしまったが故に、国際世論から敵視されてしまった」と前置きしつつ、中国に対して「日本はルールを守る側にいて、国際世論を味方につけるべき」と主張します。

◆中国の横暴に対し、自由主義・民主主義で対抗

前述の自民党の国防部会の議論に関しては、「非常に危険」と田上さんは注視。そして、現在はコロナをはじめ、香港や新疆ウイグル、さらにはミャンマーの問題にも中国が背後にいると言われているなか、「それに対し自由主義・民主主義で価値観を共有していこうという流れが出ている」と言います。

事実、アメリカも政権が変わり、バイデン政権ではヨーロッパとの関係が修復され、米欧同盟も再び強化する流れに。先日行われた「Quad(日米豪印)」の初会合や米欧同盟の絆を確認し、対中姿勢を打ち出した「ミュンヘン安全保障会議」。さらには欧州の艦艇がインド太平洋を回遊し中国に圧力をかけたり、日米の「2プラス2(安全保障協議委員会)」などもその証左だと話します。

一方で、尖閣諸島に関しては、今なお中国が強いプレッシャーをかけてきており、現状、実効支配しているのは日本と言い、田上さんは「日本は相手の挑発に乗らず、他の国と連携し、ルールを守ってやるべきことをやっていくべき」と主張します。そして、もし中国から攻撃を受けた場合には国際法に則った権利である自衛権を行使すればいいとし、「中国も悪いけど、そこで日本も悪いとなるのは非常にまずい」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00(※番組終了)
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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