圧倒的な取材力で裏社会を赤裸々に綴った、溝口敦の集大成「喰うか喰われるか 私の山口組体験」

TOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ生番組「5時に夢中!」(毎週月〜金曜 17:00〜)。6月24日(木)放送の「中瀬親方のエンタメ番付」のコーナーでは、新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんがおすすめのエンタメ作品を番付形式で紹介しました。



【"中瀬親方”による6月のおすすめ作品】

◆関脇
コミック「あなたはブンちゃんの恋」
宮崎夏次系 著(講談社)

三舟さんに恋をしている主人公のブンちゃん。しかし、三舟さんは男性の友達・シモジに片思い。そして、シモジはブンちゃんに思いを寄せながらも3人仲良く過ごしていた。ところが、事故で急死したシモジは、なぜかブンちゃんのパスケースに転生し……。女性2人と幽霊の三角関係を描いたクレイジーラブストーリー。

中瀬親方のコメント「(幽霊となってパスケースに転生した)シモジは、ずっとブンちゃんの恋を見守るんだけど、ブンちゃんは三舟さんのことが好きすぎて、いっそのこと"自分から嫌いになりたい!”って混乱して、いろいろな奇行をしてしまうんです。

片思いをして、狂おしいほどただただ好きだという気持ちになったときに、好きな人に嫌われる前に自分から変なことしちゃうという不器用さが、本当に切なくて……ブンちゃんはものすごくいいキャラクターで、三舟さんもブンちゃんが惚れるのもわかるし、(幽霊となった)シモジの気持ちもよくわかる。

その3人が三者三様どこに向かって行くんだろうという恋愛で、今は2巻まで出ているんですけど、先が待ち遠しいです。(片思いの)恋愛の苦しさを思い出すような作品になっています!」

◆大関
エッセイ「躁鬱大学―気分の波で悩んでいるのは、あなただけではありません―」
坂口恭平 著(新潮社)

2009年、31歳のときに躁鬱(そううつ)病と診断された坂口さんが、自らの経験を通して見つけた躁鬱との上手な付き合い方を「note」に綴った連載が評判となり、満を持して書籍化。ユーモアあふれる坂口さんならではの対処法に注目!

中瀬親方のコメント「坂口さんは、躁鬱は病気じゃなくて、状態、体質だと。だから、躁鬱の人のことを躁鬱人と呼んでいるんですけど、自分の経験を通して、躁鬱人のいろいろな特徴を書いています。

この本の軸になっているのは、精神学者の神田橋條治先生による『神田橋語録』で、その言葉から坂口さんがヒントを得てエッセイを書いています。坂口さんは『いのっちの電話』もやっていて、自分の携帯番号を世界中に教えて、死にたくなるような人からたくさんの電話を受けて、これまで2万人ぐらいの相談に乗っているんです。

多くの人の相談に乗ってきたなかでわかったのは、みんな悩みは同じで共通していること。それは何かと言うと、みんな"人からどう見られるか”だけを悩んでいるということに到達するんです。そこからいろいろヒントをくれるので、別に躁鬱人じゃなくても、誰にでも刺さる言葉がたくさん出てくるんです。躁鬱のどうしようもない落ち込みや自己否定をどう扱ったらいいのかなどを、自分の経験をもとにユーモアあふれる対処法で描いています。最後の1章は、坂口さんの半生を駆け足で書いているんですけど、これがまた猛烈に面白い! これを読むと、"人からどう見られるかだけを悩んでいるんだ”ってすごくスッキリしちゃって、救われました。この本はいつも寝室に置いておきたいなと思う1冊でした」

◆横綱
ノンフィクション「喰うか喰われるか 私の山口組体験」
溝口敦 著(講談社)

暴力団取材の第一人者として、数多くの大物ヤクザたちと対峙してきた溝口敦さんが初めて明かす取材時の生々しいやり取り。自らを刺傷され、息子までが襲われながらも日本最大の組織暴力と真っ向立ち向かい続けた、溝口さんの半世紀にわたる壮絶な戦いの記録。

中瀬親方のコメント「溝口敦さんは、50年ぐらい山口組のことを取材してきているんですけど、79歳になられて、集大成とも言われるこのノンフィクションに、本当に感動しました。

(本来)ネタ元というのは絶対に言えないですし、取材源の秘匿は大事なことでジャーナリストにとっては命なんですけど、たくさんの暴力団関係者やそのときのネタ元は鬼籍に入っているわけです。溝口さんは、『殺菌には、日の光に晒すのが一番だ』ということで、ここで書いてしまったんです。

圧倒的な取材力もさることながら、ここまで覚悟を据え、熱量を持ってジャーナリストをやるのかって圧倒されながら読みました。読み終わった後も、"ここまで書いて大丈夫なの?”っていうぐらいの生々しいやり取りが記録されています。

私もこれまで事件取材や闇社会のことなどもやってきましたけど、大先輩である溝口さんの肝の据わり方には一生敵いません! そういう意味でも横綱で、テレビでは紹介しきれないようなことがたくさん書いてありますのでぜひその迫力を味わってください!」

中瀬さんが推す3作品、ぜひチェックしてみてください! 毎月最終木曜日に発表するこのコーナー、次回7月のエンタメ番付は、7月29日(木)にお届けする予定です。お楽しみに。

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<番組概要>
番組名:5時に夢中!
放送日時:毎週月〜金 17:00〜17:59 <TOKYO MX1> 「エムキャス」でも同時配信(地上波放送エリアを除く)
メインMC:垣花正
アシスタントMC:大橋未歩(月〜木)、ミッツ・マングローブ(金)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/goji/
番組Twitter:@gojimu
番組Facebook:https://www.facebook.com/5jinimuchuu

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