家庭のCO2削減目標66%は可能なのか!? 小泉環境大臣がその内情を解説

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。8月6日(金)放送の特別番組「堀潤モーニングFLAG 夜のZ議会」(21:00〜21:54)では、小泉進次郎環境大臣をリモートゲストに迎え、“地球温暖化”についてZ世代の論客と議論しました。



◆再生可能エネルギー賦課金は未来への投資!?

政府が今年7月に公表した「地球温暖化対策計画(案)」では、産業や運輸、家庭など5部門での削減目標が示され、そのなかで住宅や生活など「家庭」の部門が現行の39%から66%と最も多い増加の割合となっています。これには「どうやって実現するのか」と多くの疑問の声が上がっていますが、どういった経緯でそうなったのか小泉環境大臣に聞いてみると「この数字は今から66%カットするのではなく、2013年度と比べたもので、実は2019年度の時点ですでに23%削減している。残り43%、それが家庭部門66%の見え方」とその内情を解説。

そして、目標達成のための鍵として「省エネの最大化」、「再生可能エネルギーの最大化」を挙げ、「例えば、家電製品のスイッチをオフにするだけでなく、自宅の電力契約を再生可能エネルギーに切り替えるだけでも削減できる」と力説します。すでに再生可能エネルギーに切り替え済みだという環境活動家の露木志奈さんも「環境に優しいというのもあるがコストも削減でき、安定もしている」とその魅力を語り、後押しします。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんはここまでの話を聞き、「主語が大きすぎる」と論点を危惧。「こうした議論ではどれだけ低所得者層に目を向けられているかが大事」と主張します。そして、「再生可能エネルギーも必要だが、その料金のなかには"再生可能エネルギー賦課金”が含まれ、その割合は徐々に大きくなっている。生活困窮者は電気料金などに支払える額が減少するなか、そういった人たちにしわ寄せがいかないようにすることが重要」と警鐘を鳴らします。

小泉環境大臣曰く、再生可能エネルギー賦課金とは「再生可能エネルギーのコストを見える化をしたもの」で、今は一人ひとりが負担していますが、一方で現在主流となっている石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料も大きなコストがかかっており、その額はなんと多いときで年に17兆円。再生可能エネルギーを増やすことで化石燃料のコストが軽減し、ゆくゆくは自立分散型の社会に近づく、いわば「未来への投資」であり「エネルギーの安全保障もプラスになる」と小泉環境大臣はメリットを打ち出し、「その考えをZ世代にも広げたい」と意気込みを語ります。

◆エネルギーを生産できる都市づくりを

江戸川区のNPO法人「足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ」では、電力会社からの電力供給を受けずに太陽光パネルのエネルギーだけで必要な電力を賄う「オフグリッドハウス」を展開。また、区内の住宅街数ヵ所に太陽光パネルを設置し、そこで得た電力を、再生可能エネルギー買取制度(FIT)を使って電力会社に販売しています。こうした取り組みはこれまで局地的に行われることはありましたが、大都市圏で制度化することはありませんでした。その理由について小泉環境大臣は「再生可能エネルギーを最優先の原則でやってこなかったから」と述べ、環境大臣になって以降は「それをずっと変えたいと思い、そこに注力してきた」と回顧。

当初は政府のなかでも理解を得られず、悔しい思いをしたそうですが、現在は「エネルギー基本計画」のなかに再生可能エネルギーを最優先にする原則が組み込まれ、「まさにこれから変わっていく」と期待を寄せます。そして、「エネルギーを消費するだけでなく生産できる都市になれば、その分自然は守れる。東京もエネルギーをできる限り作れるものは作る。そうした都市作りは新しいカーボンニュートラルの時代に必要なこと」と主張します。

ここで大空さんは、再生可能エネルギーの先進国ドイツでは電気料金が日本よりも各段に高く、それが社会問題になっていること、さらにはスイスではガソリン税の引き上げや航空運賃の増税が国民投票で否決されるなど、世界では再生可能エネルギーの普及にさまざまな問題が生じていることを例に挙げ、「温室効果ガス削減にあたって、低所得者層を含めた国民への負担が本当にないのか」と改めて確認。

これに小泉環境大臣は「国民の負担という意味で言えば、気候変動によってすでに発生してしまっている負担をいかにこれ以上、後戻りができない次元まで進まないようにするのかという、その大きなコストも同時に考えてもらいたい」と返答。というのも、1.5℃目標を達成することで災害の3割を減少できると言われているとか。さらに、脱炭素や再生可能エネルギーへの移行はもはやグローバルスタンダードであり、そうしなければ世界的な企業が日本から撤退するなどビジネス面での支障も大。「このまま変わらなければ雇用や市場が失われてしまう。それを守っていくことでもある」と声を大にします。

株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、社会が変化することは必須としながらも、再生可能エネルギーに関してはまだまだ慎重な考えを示します。というのも、コストの部分に不安を感じ「補助金などもあると思うが、現在コロナの助成金などもなかなか届かないなか、そうしたものが行き届くのか」と案じます。

これに関しては「間違いなくデジタル化の遅れの問題がある」と小泉環境大臣は釈明。「コロナで日本の大きな課題であることが浮かび上がった。改善しなければいけない問題」と明言し、9月に創設されたデジタル庁に待望します。そして、大空さんが再三訴えていた低所得者層に向け、「誰もが取り残されない形で進めていかなければいけない」と言い、環境省が現在考えているという1つの案を示します。

それは「サブスクリプション」の活用。最先端の省エネ家電を購入するとなると高いが、サブスクであれば定額でコストを抑えて多くの人が利用できると言います。しかも、家電だけでなくEV(電気自動車)も含め、すでに実施している自治体もあり、「環境省としてはその後押しできないかと考えている」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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