「地方分権は死んだ」 小池都知事、税制大綱に怒りあらわ

【税制改正大綱を正式決定】「地方分権という言葉は死んだ」小池百合子氏が痛烈批判

記事まとめ

  • 自民、公明両党は12月14日午後、2019年度の税制改正大綱を正式に決定した
  • 東京都の小池百合子知事は「地方分権という言葉は死んだ」と痛烈に批判した
  • 企業の法人税収入が全国で最も多い東京都と、最も少ない奈良県では6倍もの収入差も

「地方分権は死んだ」 小池都知事、税制大綱に怒りあらわ

自民、公明両党は12月14日午後、2019年度の税制改正大綱を正式に決定しました。これにより、東京都の9200億円が、国によって地方に配られることになりました。税制見直しに対し、東京都の小池知事は「地方分権という言葉は死んだ。これ以上、地方分権を阻害しないでほしい」と痛烈に批判しました。

<税制見直しで 東京の税収が地方に>

 小池知事が批判する理由として、この見直しで東京都の税収が大幅に減るとみられている点が挙げられます。税制改正大綱の柱の一つに「都市・地方の持続可能な発展のための、地方税制体系の構築」という方針があります。

 企業の法人税収入を見ると、全国で最も多い東京都と、最も少ない奈良県では、実に6倍もの収入差があります。今回の税制改正大綱では、こうした都市と地方の収入の開きを“是正”つまり改めることで、都市のお金を奈良県などの地方に回すということになります。これにより、東京都の税収は4200億円減るとみられています。この結果、もともと決まっていた金額と合わせて東京都の9200億円が、国によって地方に配られることになりました。自民党の宮沢洋一・党税制調査会長は「東京都に毎年、相当巨額な利潤が生じ、基金も積み上がっている。今年度(2018年度)の数字に置き換えると、東京都に4200億円程度の減収が(追加で)生じる」と語りました。これに対し、小池知事は「地方分権という言葉は死んだといっても過言ではない」と、国の姿勢を厳しく批判しました。

<与党、改正税制大綱を決定 都税収減さらに4200億円>

 今回の格差是正は、企業が納める法人事業税の一部をいったん国が徴収し、地方に配り直す仕組みです。格差是正を巡っては、2019年10月に消費税率が10%になるのに合わせておよそ5000億円を地方に分配することが決まっていましたが、今回、さらに4200億円が上積みされ、東京都はおよそ9200億円を失うことになりました。

 これに対し、この日の記者会見で小池知事は「東京は日本経済のけん引役」と強調した上で、「もはや地方分権という言葉は死んだといっても過言ではない」「全く賢明な判断とは考えられない。将来に禍根を残す大いなる誤りになる」と述べ、巨額の税収を徴収する国の姿勢を痛烈に批判しました。

 都によりますと、新たに失う4200億円は、保育所を600施設と、特別養護老人ホームを100施設造ることができる金額だということです。小池知事は「4200億円という数字1つ取ってみても、1つの自治体の全体の予算額に相当する額」と打撃が大きいことを挙げた上で、「納税者が受益を感じられるような工夫を研ぎ澄ませていきたい」と述べ、今後、都民生活に影響が出ないように努める方針を示しました。

<2019税制改正大綱 他には…>

 東京都の予算はおよそ7兆円のため、4200億円の減収はおよそ6%=都民1人当たり3万円という大きな打撃になります。

 そして、今回の税制改正大綱では、法人税の見直し以外に、消費税10%への引き上げに伴う対応として「自動車税の引き下げ」や「住宅ローン減税の期間延長」、中堅・中小規模事業者の支援、地方創生の推進として「ふるさと納税の見直し」などがあります。