幼保一体化はどうなる? 2023年に新設予定の「こども家庭庁」とは

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「フラトピ!」のコーナーでは、“こども家庭庁”について解説しました。



◆総理大臣直属の機関、こども家庭庁とは?

今回、「こども家庭庁」について解説するのは、19歳で保育園を設立し、現在12の保育園を運営する幼児教育の専門家でNewsPicksのプロピッカー・菊地翔豊さん。

こども家庭庁とは、菊地さん曰く「各省庁間でこれまで縦割りだった子どもに関する政策を一元化していこうとするもの」。総理大臣の直属機関で、2023年度早期の創設を目指しており、300人ほどの大きな組織になる予定です。

1月17日にはその設置法案が国会に提出されましたが、ここに到るまでには「こども庁」なのか「こども家庭庁」なのかという名前の問題も物議を呼びました。これに菊地さんは「最終的に家庭をメインに出すということで、幼保一元化という、本来、文科省と厚生省を一緒にするところが少し薄れてきた感がある」と率直な感想を語ります。

それに対し法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは、「単にネーミングの問題、家庭というのをどう捉えるか」と指摘。というのも、家庭の定義・概念は大きく変化しているからで、ネーミングで揉めることはナンセンスとし「僕らが家庭をどう捉えるか、そこをアップデートしていくことが必要」と言います。

◆こども家庭庁創設で"幼保一体化”は実現するのか?

現在、子どもに関しては内閣府が「認定こども園」を管轄し、貧困対策や少子化対策に従事。そして、厚労省は「保育所」でひとり親家庭支援や児童虐待などを、文科省が「幼稚園」でいじめ対策などを見ていますが、こども家庭庁では内閣府・認定こども園と厚労省・保育所の業務を一元化。しかし、そこに組み込まれる予定だった文科省は今回「連携」に留まっています。

これについて菊地さんは「もともとは"幼保一元化”、そして子ども教育機械の均等化、教育の質向上が前提になっていたが、話がひとり親家庭支援や児童虐待、貧困対策のほうに重きが置かれてしまった」と言い、「こども庁だったものがこども家庭庁になるなど二転三転したこともあり、今回、幼保一元化とはいかないのでは」と懸念します。

菊地さんによると、同じ幼児教育施設ではあるものの幼稚園と保育園は関わる機会がほとんどなく、「もっと協力していくべきなのに、管轄が違うという理由で水と油の状態」とその現状を伝えます。

では、幼保一元化でどんなメリットがあるのか。菊地さんは「教育内容の統一」と「入所(入園)条件の廃止」を挙げます。基本的に保育所は保護者が働いていないと入れませんが幼稚園は誰でも入園可能。そうした部分も「子どものためを思うのであれば、誰でも預けられるほうがいいのではないかという話もある」と菊地さん。

◆こどもにとって最適な生育環境とは?

ここでキャスターの堀潤から幼少期の子どもたちにとって理想の生育環境を問われ、菊地さんは「私たちは主体性を育むべくICT(情報通信技術)やITを活用し、一人ひとりの個別最適化を行っている」と自身の理念を語りつつ、「幼稚園と保育園がバラバラではなく、本来は国が一体的に教育改革を行うのが望ましい」と吐露。

一方、「東京新聞」整理部 整理記者の大島晃平さんからは「小1の壁」、「中1の壁」といった子どもの壁に関する質問が。例えば、幼保小中一体型の取り組みもありますが、そうすることで幼保一元化が進むのではないかと聞かれ、菊地さんはこども家庭庁とはまた別のプロジェクト「幼保小の架け橋プログラム」を紹介。そこでは、例えば小1の壁をなくそうと5歳、6歳の子どもの教育を幼稚園・保育園・認定こども園も全て一元化しているそうで「それとこども家庭庁がどう関わっていくのか注目したい」と菊地さん。

さらには、まだまだ多くの障害が想定されるこども家庭庁創設に関し、今後の国会内での議論で望むこととして、菊地さんは「なぜ文科省・幼稚園を入れなかったのか、管轄を移さなかったのか」と改めて訴えます。

由井さんも賛同し、「子どもの問題なので、できるだけ情報は一元化し、個別最適化した教育を施していくことが重要であり、バラバラに情報を収集し、バラバラに施策を打ち、国としてどう子どもに接していくのか」と疑問を呈していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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