Go To トラベルの行方とアフターコロナの旅行トレンドを専門家が解説

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。「フラトピ!」のコーナーでは、“Go To トラベルの行方とアフターコロナの旅行”について解説しました。



◆Go To トラベルの再開はいつになるのか?

今回、「Go To トラベルの行方とアフターコロナの旅行」について解説するのは、訪日外国人向けアプリサービス「Wamazing」を展開する旅行ビジネスのスペシャリストでNewsPicksのプロピッカー・加藤史子さん。

まずはGo To トラベルの現状から。当初Go To トラベルは割引率35%に加え、旅行代金15%分の地域クーポンが付随していましたが、2021年11月からは割引率が30%、地域クーポンは平日3,000円、休日1,000円に。つまり平日のほうがお得になったわけですが、その理由は「利用者が分散するよう変更になった」と加藤さん。しかしその後、オミクロン株の蔓延などにより、現在Go To トラベルはストップしています。

この制度には2021年度、約1.3兆円の予算がついていましたが、停止している期間が長く、その余剰分は約7,200億円。それは国庫へ返納されますが、今後、コロナの収束とともにGo To トラベルの再開も考えられているとか。

そして、今後の流れを加藤さんが推察。まず、東京は「まん延防止等重点措置」が解除された後に春休み、さらにはゴールデンウィーク(GW)へと突入しますが、「GWは割引がなくても人が動いてくれる期待があるので、全国版Go To トラベルはGWが明けてから」と加藤さん。しかし、その前に観光に期待している県ごとにエリア版のGo To トラベルが始まっていくと予想します。

さらに、7月になると参院選があり、そこで政権が落ち着いたところで「世界との交流が地域を限定して再開されると思われる」と海外旅行の進展を予想。というのも、国境を開くか開かないかは政治判断になるため、選挙による部分は大きいと加藤さん。

キャスターの堀潤は「旅行で人が動いたとき、過去にどれぐらい感染を広げたのか、本当に旅行が原因だったのか、それをちゃんと分析してもらわないと」とエビデンスの重要性を訴えると、加藤さんも「地域経済にとって、観光は非常に大切。不安をエビデンスで解消し、ある程度動かしていかないと」と地域経済の行末を案じます。

ただ、Go To トラベルには問題点もあり、それは「不正利用」。最近では旅行会社旅工房が子会社に1万人泊以上の宿泊手配をしたものの、その宿泊実績はなし。さらに、地域共通クーポン券も9,363万円分不適切に使用されていることが発覚し、観光庁は新しいGo To トラベルでは旅工房を参加停止にすると発表しています。

これに加藤さんは、「2年間のコロナによる厳しい、苦しい旅行会社の状況もわかるが、(Go To トラベルの財源は)税金なので、やってはならないこと」と厳しく非難します。

◆世界のトレンドは"サステナブル・ツーリズム”

一方で、現在、世界のトレンドとしては「サステナブル・ツーリズム(持続可能な観光)」が浸透しているそう。例えば、日本ではコロナ禍以前、京都などは観光客が集まりすぎるオーバー・ツーリズム状態で地域の人も困っていましたが、それをより継続できる観光にしていこうというというのが「サステナブル・ツーリズム」。

混雑しすぎて環境や文化が破壊されることがないよう、例えば旅行者の人数を制限したり、旅行者から環境税を徴収し、それを財源に地域環境を守ったり、排ガスが出ないよう電気自動車の利用を促進したり、さらにはビーチリゾートなどでサンゴの生態に悪影響を及ぼすと言われる有害な日焼け止めの使用を禁じ、無害なものを使うようにしたり、そうした持続可能な旅行が広がっていくと見られています。

日本での一例として加藤さんが挙げたのは、世界遺産になっている合掌造り集落で知られる岐阜県の白川郷や長良川流域。前者は車や宿泊人数を制限し、混みすぎない状態をキープ。一方、美しい環境が保たれた後者では環境汚染に配慮した旅行を推進しており、この2ヵ所は世界のサステナブルなツーリズムの旅行先トップ100に2年連続選出されています。

こうしたサステナブルな取り組みに対して、生理への理解を広げる団体「#みんなの生理」共同代表の谷口歩実さんは「旅行はどうしても非日常感でワクワクしてしまい、かつホテルのアメニティをはじめ、使い捨てのものが多い。交通(手段)もつい贅沢してしまったりするが、あらかじめ規制がかかっていることで、自分で意識しなくてもサステナブルできるというのはすごくいいこと」と高く評価。

かたや法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは、「自分の町ではないと、ちょっとどうでもいいと思ってしまったり、当事者意識を持たずにゴミなどを捨ててしまったりすることがある。結局そこもルールを決めないといけないのは悲しいことだが、整備をして進めていくことで、みんなにとって気持ちいい旅行になれば」と期待します。

加藤さんも「美しい観光地も楽しい観光地も、未来に続いていかなければならない。今が楽しければ良いという意識ではなく、未来永劫(観光を)続けていくことができるように」と願っていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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