相次ぐ値上げで年間7万円の負担増…今求められる国民への生活支援を議論

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月〜金曜7:00〜)。特別企画「モニフラZ議会」では、Z世代の論客が“相次ぐ値上げ”と“今、必要な生活支援”について議論しました。



◆ロシアのウクライナ侵攻によりさらなる値上げも

パンにカップ麺、食用油にティッシュ、そしてファストフード店まで、相次ぐ値上げに国民からは悲鳴が上がっていますが、今後はウクライナ侵攻が家計の負担をより圧迫する可能性も。

ロシアへの経済制裁が続き、物価がさらに上昇した場合、食料品やガソリン、電気代などの一層の値上げにより、年収400〜500万円の世帯で年間71,203円の負担増があると、みずほリサーチ&テクノロジーズが試算を出しています。

給料面に関しては、3月16日が春闘の集中回答日で、自動車大手・トヨタや電機大手・日立などからは満額回答が続出。一方で、東京商工リサーチの調べによると、賃上げを実施するとした中小企業は全業種で80%以下。専門家は「満額回答と言っても定期昇給が含まれているため、実質横ばい」との見解。現在は賃上げしようにも企業の負担が大きく、中小企業の賃上げは困難と見られています。

会社を経営する株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、賃上げに対し「年金や社会保険についても考えるべき」と指摘します。というのも、企業側としては社員の給料を1万円上げるにも社会保険料と厚生年金が紐付き、単純に1万円増額するだけではないから。

同じく経営者である政治プラットフォーム「PoliPoli」代表の伊藤和真さんも、古井さんの意見に頷きつつ、また別軸のスタートアップの現状について言及。伊藤さんによると、現在はウクライナ侵攻に加え、市場再編の話もあり、スタートアップの会社は時価総額が付き難く、非上場企業も影響を受けているそう。「1〜2年前は金余りだったのでどんどんファイナンスし、良いサービスを作って上場するといったモデルがあったが、最近はスタートアップ界隈もシビア」と厳しい状況を語ります。

◆値上げが相次ぐ今、必要な生活支援とは?

相次ぐ値上げに、街頭で話を聞いた方々からは「学費や生活費の補助」や「現金支給」、「消費税減税」といった要望が挙がっていましたが、過去の政府の対策を振り返ってみると、1999年には15歳以下の世帯、65歳以上に2万円分の「地域振興券」を配布。そして、2009年には「定額給付金」として一律で12,000円。2020年には「特別定額給付金」として一律1人10万円を配りました。

一方、みずほリサーチ&テクノロジーズの専門家が挙げた、今考えられる生活支援策は3つ。それは「消費税減税」、「軽減税率引き下げ」、「現金給付」。しかし、消費税減税は生活支援・経済政策としての効果が期待できるものの、一度上げた消費税を下げることは現実的には困難としています。また、軽減税率の引き下げも同様に実現性は低いと指摘。そして、現金給付は実現性が高く、生活支援としても期待できますが、財源の確保が大きな課題となっています。

伊藤さんが運営する政治プラットフォーム「PoliPoli」にも主に野党議員から消費税減税や現金給付、最近だと子育て支援策の所得制限の撤廃などのさまざまな声が上がっているそうですが、なかでも伊藤さんが注目したのは所得制限。

子育て支援だけでなく年金も含め、一定のラインを超えるとゼロになるという雑な制度設計が問題だと示唆する有識者がPoliPoliに多いそうで、それに「その通りだと思う」と共感しつつ、「ただ、行政側の視点に立つと、きめ細やかな支援制度を設計するのはコストがかかる。デジタルを活用しようという話もあるが、それはとても難しい議論」と本音を吐露。

臨床心理士のみたらし加奈さんは、賃上げは「正規雇用か非正規雇用によっても変わる」と危惧し、1.63%という日本の生活保護受給率の低さを挙げ、「最後の砦になるものが民間に広がっていない。そうした情報発信は必要」と案じます。

では、行政は何をすべきなのか。古井さんは「挑戦と安心はセット」と明言し、「経済成長のためには、安心をどこまで作れるかが大事」と声を大にします。例えば、お金がなく苦しいときなど「人々が陥ってしまうところに対しては、よりしっかり投資していく網の張り方が挑戦を生むのではないか」と持論を展開。

一方、伊藤さんは「行政や政治家は当事者などの意見を聞き、政策を打ち出してほしい」と望みつつ、「岸田政権はかなりヒアリングして政策を作っていると思うが、長期的な視点に立ち、大胆な政策もある程度必要」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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