「虐待」をする心理メカニズム…加害者が持つ“2つのストレス”とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。2月19日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、心理カウンセラーの小高千枝さんが、虐待をする心理メカニズムについて解説しました。

千葉県野田市の栗原心愛さんが自宅で死亡し、両親が傷害容疑で逮捕された事件に関し、自民・公明両党の政調会長はテレビ番組で、児童虐待防止に向けた法改正を今国会で目指す考えを明らかにしました。

児童相談所の体制強化を柱とする児童福祉法改正案などを想定しており、自民党の岸田文雄政調会長は「政府と協力し、この国会で法改正に向けて努力したい」と述べています。

◆虐待をする心理メカニズムとは

栗原心愛さんのケースでは、児童相談所の対応に批判の声が集まっていますが、小高さんは「児童相談所を叩いて済む問題ではないし、社会全体を変えていく必要がある。そもそも虐待をする人を減らすために、なぜ虐待をしてしまうのかをメカニズムとして見詰めていかなければならない」と訴えます。

そして、虐待をする側の心理から、彼らが抱えているストレスのメカニズムを2つの理論から説明していきました。

1つ目の「緊張理論」は、欲求不満(フラストレーション)、緊張(ストレイン)、葛藤(コンフリクト)といったストレスが溜まり、これらを解消するために攻撃的な行動に至るというもの。

対して、2つ目の「統制理論(社会的絆理論)」は、人はそれぞれ自分の行動を統制している社会との絆があり、その統制(絆)が弱まったときや、壊れたときに他者へ攻撃行動を起こしてしまうというものです。


◆虐待は誰もが起こす可能性がある

「虐待だけでなく、DVなど暴力をふるう人は、社会的に孤立している人が多い」と小高さんは言います。また、「人間の心理はいつどこで、何が変わるかわからない。誰もが(虐待や犯罪を)起こしてしまう可能性があるということも頭に入れておいてほしい」と警鐘を鳴らします。

そして“人はなぜ犯罪行為を起こさないのか?”に着目し、2つ目の社会的絆理論についてさらに掘り下げていきました。

社会との絆には、次の4つがあると小高さん。

@愛着
身近な親しい人に対する愛情や尊敬の気持ち

A投資
将来のために“投資”して積み上げてきたもの(勉強、キャリア、信頼など)を失うリスク

B巻き込み
日常に忙しく、充実した生活をしている人は犯罪のことを考える暇がない

C信念
社会のルールや法律などに従うべきという信念


これらの4つを持ち合わせていれば、暴力や犯罪行為につながりにくいと小高さんは言い、こう主張しました。

「この4つから、自分にはどれがあってどれが足りないのかが見えてくると思う。暴力・虐待が起こったことを隠そうとしたり、批判したり、日本社会は“抑圧”しようとするが、むしろ起こさないようにすることを考えることが重要」


「ウォール・ストリート・ジャーナル日本版」編集長の西山誠慈さんは、薬物常習者の事例を引き合いに「まわりはどうしても抑えようとしてしまうが、彼らはやめたいけど再犯してしまう。セラピー(やカウンセリング)などでケアしなければならない」と話し、「児童虐待の問題も同じで、起きる前のケアや、加害者に対して再発しないためのケアをすることも大切だと思う」と見解を述べました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時 :毎週月〜金曜 7:00〜8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/