膨張する薬剤費の無駄遣い…「薬の飲み残し」していませんか?

ロンドンブーツ1号2号・田村淳が司会をつとめ政治・経済から社会問題、生活ネタまで幅広い話題を取り扱うTOKYO MX(地上波9ch)の情報バラエティ番組「田村淳の訊きたい放題!」(毎週土曜17:00〜)。3月23日(土)の放送では、ジャーナリストでワセダクロニクル編集長の渡辺周さん、医師で医療ガバナンス研究所研究員の山本佳奈さんを迎え「残薬」にまつわる問題点について話し合いました。

◆「9割」の患者が薬を飲み残し

薬の飲み残しは、医療業界の長年の課題となっています。厚生労働省の調査では、薬を飲み残す患者は全体の9割に上り、その理由の多くは「飲み忘れ」「自己判断による服用中止」でした。


◆無駄な薬剤費は莫大な額に

残薬には主に2つの問題があります。

1つ目は患者の健康問題。服用を途中で止めることで症状が改善されにくく、期待される効果が得られないこと。新たな処方薬と残薬の混飲により、副作用などで症状が悪化する危険もあります。

2つ目は薬剤費の問題。日本薬剤師会の調査では、75歳以上の高齢者だけでも、残薬による無駄な薬剤費は年間475億円。全年齢を対象にすれば、莫大な金額になります。薬の自己負担は、最大でも原則3割。残りの負担は公的保険のため、国民全体で負担することになります。

◆医師は「自己判断せず診察を」

田村は「処方された薬を飲み切ったことはない」と振り返ります。

「Aは飲み切ってほしいけど、Bは先生の(飲み切ってほしいという)テンションがそんなに強くないな、と感じたり。最初は(両方)必要なのかなと思うけど、全部は飲まなくてもいいのかな、とか。本当は処方に基づいているから、飲んでほしいわけですよね」。

医師の山本さんは、処方箋通りの服用を勧めます。

「特に抗生剤などは、決められた日数をきちんと飲んでもらいたい。服用を止めて症状がぶり返す人も少なくない。自己判断するよりは、診察に来てもらいたい」。


ジャーナリストでワセダクロニクル編集長の渡辺さんは、若い世代にしわ寄せがいくことを心配します。

「若い世代は、まだたくさん薬をもらっていないかもしれない。でも、これだけ無駄使いを放置していると、将来的に必要な薬が欲しいときに、もらえなくなるかもしれない。(薬剤費は)自己負担が最大3割。(安く手に入っていることで)“残してもいいか”という(気の)緩みにつながっている気がして。飲み残しはもったいない。出しすぎるから残る。血圧や生活習慣病など、いきなり薬(を出す)ではなく“1カ月頑張ってみましょう”とか。薬を出さずに済む、そういう仕組みも大事」

田村も「簡単に手に入るからと言って、飲み残していいものではないですよね」と頷きます。


医師の山本さんは、現場の視点から残薬問題解決の“難しさ”を説明。過剰に薬を処方する医師がいることを認めながらも「自覚症状が出にくい高血圧や糖尿病などは、つい飲み残しが多くなりがち。飲み残しがあるからといって、一概に処方を減らすことも適当ではない」と話しました。

◆アメリカでは「デジタル薬」

田村が「何か改善策はないのか」と問いかけると、山本さんは2018年にアメリカで承認された「デジタル薬」を紹介。「薬にセンサーがついていて、薬と胃液が反応して出る信号をスマホなどで受信し、飲んだかどうかをアプリで管理できる。患者が飲んでいない場合は、具体的なデータを示して医師が指導できる」と説明。患者に適正な薬の服用を促すことにもつながるとしました。

番組では「医師に処方された薬どうしていますか?」という質問で視聴者による世論調査を実施しました。

◆医師に処方された薬どうしていますか?
飲み切る……2199pt
飲み残したら捨てる……1332pt
飲み残しても取っておく……3846pt


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<番組概要>
番組名:田村淳の訊きたい放題!
放送日時:毎週土曜 17:00〜17:55
メイン出演者:田村淳、古瀬絵理、鈴木奈々
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/variety/kikitai/