「一代で終わりたい」… 「東京こけし」産みの親が語る理由とは?

東京に関わるさまざまな外国人の視点で東京の魅力を再発見するTOKYO MX(地上波9ch)の国際情報バラエティ番組「明日どこ!? DX」(毎週金曜12:29〜)。4月12日(金)放送の「トレジャーニッポン」のコーナーでは、台湾出身タレントのナンシーさんが東京こけしの工房を見学しました。

◆在庫は「いつ来てもない(笑)」

ナンシーさんが訪れたのは、八王子の工芸品「東京こけし」を作る大蔵木工所。出迎えてくれたのは、5代目・大蔵國宜さん。76歳にして今なお現役の職人です。

江戸時代から木工の仕事を手掛けてきた大蔵木工所。大蔵さんは、お椀やお皿を作る技術を活かして、何か作れないかと試行錯誤し、東京こけしを生み出したと言います。

その特徴は、ぷっくりと丸みを帯びた頭部と、胴体の間の細い首に“幸せの輪”と呼ばれる木の輪っかが通っていること。一般的なこけしのように、頭と胴体の部分を別に作るのではなく、すべてを1本の角材から削り出すという職人技が光ります。「東京こけしは、日本のどこを探してもここにしかない工芸品」と胸を張る大蔵さん。


こけしの原型を削り出したあとは、妻・昌子さんが日本の草花などを手作業で描き入れます。最も時間がかかるのは、この絵付け作業だそうです。

最近では外国人にも大人気で、ネットの情報を頼りに工房を訪れ、洗いざらい買って帰る人もいるとか。そのため、取材当日の在庫も、ダンボール1箱に収まる十数体だけ。「いつ来たら品揃えが豊富なの?」と尋ねるナンシーさんですが、「いつ来てもないよ(笑)」と話す大蔵さん。

大蔵さんが1日に削り出せる数は、年齢的にも30〜50個が限界。加えて、昌子さんの絵付けにも時間がかかるため、現在は品薄の状態が続いていると言います。「工場で大量生産はしないんですか?」と尋ねるナンシーさんに、「そういうのは嫌い。自分でやりたい」と答える大蔵さん。さらに、「(東京こけしは)一代で終わらせたい」との本音も。無理矢理誰かに継がせることは、大蔵さんの本意ではないのだそうです。


◆絵付けにチャレンジ!

ここで、ナンシーさんも絵付けを体験してみることに。文化服装学院の学生だっただけに、昌子さんは「デザイン学校出身ならうまく描けるでしょう」と笑顔。しかし、出来上がったこけしの表情に、大蔵さんは「もう少し唇を小さく描けば……」と、大きくため息。左右均等に描けず、どんどん描き足すうちに大きくなってしまったそうです。


大蔵さんの10歳の孫・桃ちゃんも、ときどき絵付けをしているのだそう。桃ちゃんのこけしを見た番組スタッフは「ナンシーよりよっぽど上手!」と一言。

うまくいかなかった絵付けも含め、東京こけし作りを楽しんだナンシーさん。「(体験できて)すごくうれしい」と満面の笑みを浮かべました。


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<番組概要>
番組名:明日どこ!? DX
放送日時:毎週金曜 12:29〜12:55
※再放送 翌週火・木・土曜 23:00〜23:30 <TOKYO MX2>
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/asudoko/
番組Twitter:@asudoko_dx