挫折を乗り越えた飛込界のサラブレッド…金戸華選手の東京五輪への想いとは…

東京にゆかりのあるアスリート情報をお届けするTOKYO MX(地上波9ch)の総合スポーツ番組「TOKYO LOVE SPORTS」(毎週月曜20:00〜)。4月1日(月)放送の「カウントダウンTOKYO」のコーナーでは、競泳飛込の金戸華(かねと・はな)選手を紹介しました。

◆飛込界のサラブレッド

金戸選手のもとを訪れたのは、アテネ五輪女子ハンマー投げ日本代表の室伏由佳。早速、練習の様子を見学すると、飛込の基本となる入水姿勢を映像で入念にチェックしながら、飛込みを繰り返していた。


◆オリンピアン一家

物心のついた頃から、自然と飛込を始めていたという。実は、現在もコーチを務める父・恵太さんと母・幸さんは元飛込選手で、夫婦揃って3大会連続オリンピックに出場(1988年ソウル、1992年バルセロナ、1996年アトランタ)。さらに祖父・俊介さんと祖母・久美子さんも1960年ローマ、1964年東京五輪に出場した華々しい「オリンピアン一家」だ。


持って生まれた素質に努力を掛け合わせ、14歳のとき、全国JOCジュニアオリンピックカップ夏季水泳競技大会で優勝。翌2014年の日本選手権水泳競技大会では、シニア選手を相手に4位入賞。当時から東京オリンピックの代表候補として、名乗りを上げていた。

◆2秒間で競う“芸術”

飛込とは、一定の高さの飛び込み台から空中に飛び出し、着水までの一連の動作の技術、美しさを競う競技。固定された飛込台から飛び込む「高飛込み」と、弾力性のある飛込板から跳ね上がって飛び込む「飛板飛込み」の2種類に加え、2人同時に飛び込む「シンクロナイズドダイビング」もある。

飛込から着水まで、わずか2秒弱。この短い時間内にさまざまな技を繰り出し、評価点を競う。採点のポイントは@踏切時の高さA着水するまでの空中フォームの美しさB入水角度の3つ。

特に入水時の水しぶきが少ないほど、高得点を獲得できる。そこで必要とされるのが、体幹の強さ。2014年の取材時にも、入念に筋力トレーニングに取り組む姿があった。


◆まさかの「0点」でリオ五輪出場逃す

金戸選手は「今も忘れられない挫折がある」と室伏に胸の内を語る。

2016年。リオデジャネイロオリンピック出場を懸け、尊敬している先輩・渋沢小哉芳(さやか)選手とのペアでワールドカップに挑んだ。試技の5本目。最後の1本でミスを犯し、得点はまさかの「0点」。オリンピック出場への道が断たれ、この大会を最後に、渋沢選手は現役を引退した。

「自分のせいでオリンピック出場を果たせず、先輩を引退に追いやってしまった……」。自分を責め続け、幼少から取り組んできた飛込みへの思いが、徐々に変化していった。

◆挫折…救ったのは父の言葉

「渋沢先輩のためにも東京五輪に向けて“がんばらなきゃ”と思ったけど、自分がそこに行きたいという気持ちじゃなかった。先輩のためという思いだけではエネルギーがもたなくて、自分が楽しいって思っていなくて。いつの間にか“競技をやめたい”と思うようになった」。

どん底から救ったのは、父・恵太さんからの言葉だった。

「やるかやめるか、どっちかに腹をくくろう。やめる勇気が出ないのなら、徹底的にやれ」


金戸選手は「自分は飛込をやめたいわけではなくて、その環境から離れたかっただけと気付けた」と振り返った。

再び飛込と真正面から向き合った。1年後の2017年にはユニバーシアード競技大会日本代表に選出され、女子団体で銅メダル獲得に貢献。その後の国体でも自己ベストを叩き出し、復活を遂げた。現在は大学に通いながら、セントラルスポーツの飛込チームで練習に励んでいる。

今度こそ渋沢選手と五輪へ

挫折を乗り越え新たな目標ができた。35歳を迎えた渋沢選手が、東京五輪出場を目指して4年ぶりに現役復帰。しかも、シンクロナイズドダイビングで再びペアを組むことが決まった。


「渋沢先輩のためだけではなく、自分が出たいからがんばるという気持ちで、東京オリンピックに向けて突き進みたい」と決意。リオでの悔しさを晴らすべく、たくさんの思いを胸に、東京五輪出場を目指していく。

次回も、引き続き金戸選手への取材の模様をお届けします。

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<番組概要>
番組名:TOKYO LOVE SPORTS
放送日時:毎週月曜20:00〜20:40
キャスター:登坂淳一、稲村亜美
コメンテーター:水内猛
リポーター:宮下純一(カウントダウンTOKYO)、室伏由佳ほか
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/sports/tokyo_love_sports/