BMWの心温まるCMの裏に…激変する「世界の自動車業界」識者が解説

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。6月11日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ヤフー MS統括本部 マーケ本部長の井上大輔さんが、ダイムラー社とBMWの提携に見る自動車業界の変化について見解を述べました。

◆ライバル・ダイムラー社CEO退任で

メルセデス・ベンツで知られる独・ダイムラー社のCEOを13年務めたディーター・ツェッチェ氏が、5月下旬に退任。これを受け、ライバルのBMWが制作した心温まるトリビュートのコマーシャルが話題となっています。

動画はツェッチェ氏のCEO最後の日を描いた内容で、ベンツの送迎者で帰宅した同氏が、BMWに乗り換えて自宅ガレージから走り出すというもの。BMWは動画の最後で「13年間、あなたとの競争が私たちを強くしてくれました」と感謝の言葉で締めくくっています。

一見、ライバル社による心憎い演出のように見えますが、ダイムラー社とBMWは2018年3月からカーシェアリングサービスで提携。さらに2019年2月には、自動運転技術開発での提携、カーシェアリングサービスへの10億ユーロの追加投資を発表するなど「(両社は)すでに蜜月関係にある」と井上さんは言います。


◆他業種からの参入 タッグで対抗

その背景には、これまでにはなかった競合の参入が関係していると指摘。現在、自動車業界は、UberやGoogleといったアメリカ企業にとどまらず、アジア勢では中国の滴滴(ディディ)やシンガポールのGrabなど、テクノロジー企業が自動運転開発に乗り出しています。また、自動車による排ガスなど環境問題の面から、イギリスや北欧では自動車に代わって自転車の利用促進を政府が推進しています。

他業種からの競合参入が増えつつある自動車業界。まさに大きな変革期を迎えている状況下だけに、ダイムラー社とBMWは敵対するのではなく、手を組むことで対抗しようとしています。


◆日本企業も「攻めの姿勢が必要」

井上さんは、話題となっているBMWの感動的なコマーシャルを引き合いに「ビジネスの裏には、もっとドラマチックな変化が起きているもの。ビジネスニュースを読むときは、その裏にはBMWの動画のようなドラマがあるんだと思うと、味わい深くなる」と話します。

これまでアウディジャパン、ユニリーバ、ニュージーランド航空といった外資系企業でマネージャーなどを歴任してきた井上さんは、日本企業に目を向け言及。「TOYOTAなどの日本企業も、世界規模の自動車業界再編にものすごく中心的な役割を果たしているし、ドラマはたくさんあると思う」と見解を示します。

しかし「それを表に出していく狡猾さというか、PRとしてうまくやっていくことを潔しと思っていない部分があるのかもしれない」と推測し「日本の企業ももっとドラマを表に出していってもいいのでは」と提言。

最後に「プロモーション活動に伴うリスクを恐れている面もある。炎上するリスクもあるかもしれないが、情報を出してPRしていく攻めの姿勢が必要だと思う」と述べていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/