日本最速スイマー塩浦慎理“独特なクロール”の秘密とは…?

東京にゆかりのあるアスリート情報をお届けするTOKYO MX(地上波9ch)の総合スポーツ番組「TOKYO LOVE SPORTS」(毎週月曜20:00〜)。5月27日(月)放送の「カウントダウンTOKYO」のコーナーでは、競泳男子・塩浦慎理選手を紹介しました。

◆手のひらではなく腕全体で水を掴む

塩浦選手は4月の「第95回 日本選手権水泳競技大会」50m自由形で日本新記録(21秒67)を樹立。2020年東京五輪でメダル獲得の期待がかかる1人だ。身長188cm、体重89kgと体格に恵まれ、両手を広げたリーチは203cm、足のサイズは、なんと31cm。“規格外”とも言える大きな手足を十二分に活かし、日本最速の推進力を生み出している。

さらなる秘密を探ろうと取材に訪れたのは、2008年北京五輪競泳男子400mメドレーリレー・銅メダリストの宮下純一。指導する中央大学水泳部の橋雄介監督に、スピードの要因を聞いた。

「背中を使いながら、しっかりと水を捉えて、最後の後ろまでかき切れるところが一番のポイント。水をかくときの腕の角度と、使う筋肉が重要」

一般的なクロールのフォームと比較してみると、塩浦選手の腕が明らかに伸びている。そこには、細かいこだわりも。

「手のひらだけを意識すると、どうしても(水を捉える)面が小さくなる。(手の甲を向こう(進行方向)に向けたまま、ずっと後ろまで引っ張っていきたい。(腕を)肩から回して、肘を上向きにすると、ちょうど(腕の形で)面ができる」


◆フォームに手応え「感覚を掴んだ」

泳ぎを実践した宮下は「塩浦選手みたいに腕全体で(水を)掴むことによって(捉える)水の量は増すけど、それを(後方に)押せるだけの筋力がないといけない。腕だけに頼っちゃうと(捉えた)水が逃げてしまう」と難しさを感じたようだ。

さらには「脇の下の部分の筋肉、そこを支点にして“ぐっ”と引っ張ってくる。今まで練習していて、ここ(脇の下の部分の筋肉)が疲れたことは自由形であまりない。(フォームが)独自というか、一歩先を行っていますね」と驚きの声も。

塩浦選手も、追求したフォームに自信と手応えを感じている。

「コツというか、感覚を掴んだ感じがすごくあって。夏はもう少し速く泳げそう。この感じで行けば、来年(東京五輪)もかなり期待できるんじゃないか。とにかくメダルを獲る。ただそれだけです」


◆諦めかけたときも……

五輪への思いを抱いたのは、中学1年生のジュニアオリンピックで優勝したとき。8年後に控えていた2012年ロンドン五輪を目指し「絶対に出るとイメージしていた。もしそこで出られないような実力だったら、その時点で水泳をやめたほうがいいと思っていた」と振り返る。

着実に成長を続け、2011年には自由形50mで日本記録を更新。しかし、ロンドン五輪選考会直前に左手を骨折。「これで水泳をやめよう」と引退も考えたが、周囲の支えで再チャレンジを決意したという。

「周りの人は、自分が思っている以上に応援してくれていて(五輪に)行けなくなってからでも『また次、目指せばいいじゃん』と言ってくれる人が多くて。家族や周りの方のおかげ」


◆リオの悔しさバネに

2016年リオデジャネイロ五輪で初出場を果たしたが、50m自由形は準決勝敗退。48年ぶりに決勝進出を果たした400mリレーも8位に終わった。東京五輪でのメダル獲得へ懸ける思いは、人一倍強い。

50m自由形の自己ベストは21秒67。リオ銅メダルのタイムと比べても“0秒18”の差がある。「21秒40くらいで泳ぐと(メダルの)チャンスが出てくる」。世界の頂点に立つため、さらなる努力を続けていく。

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<番組概要>
番組名:TOKYO LOVE SPORTS
放送日時:毎週月曜20:00〜20:40
キャスター:登坂淳一、稲村亜美
コメンテーター:水内猛
リポーター:宮下純一(カウントダウンTOKYO)、室伏由佳ほか
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/sports/tokyo_love_sports/