他人事じゃない“認知症問題”…現役介護福祉士が明かす実情

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。6月21日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、介護福祉士の上条百里奈さんが認知症の問題について見解を述べました。

◆政府が支援計画作成を義務づけ

認知症対策強化のため、政府は鉄道やバス、航空会社に、認知症の利用者が困らないように配慮する支援計画の作成を義務付ける方針を明らかにしました。

怠った場合は50万円以下の罰金を科し、月内にも新たな認知症対策の大綱に盛り込む予定で、2021年度をメドに実施するとしています。

上条さんは「これで、やっと社会問題として扱ってくれるようになるのかなという、明るい第一歩の印象があります」と感想を述べます。現在、介護の現場に携わっており、つい最近も行方不明となってしまった認知症の高齢者を探し回ったそう。

◆行方不明者数は増加の一途

警察庁のデータによると、認知症が原因で「行方不明届」が出された人は増加の一途をたどり、2018年は約1万7,000人。背景には、高齢化が進んでいることによる母数の増加など、さまざまな理由があります。現在、国は認知症の方に対して、在宅介護を推進しているそうです。

在宅介護は、周囲の負担も大きいだけに不安な部分もあります。しかし、介護職=人権を守る人権職であり、上条さんは「本人の希望がなかったら、施設に無理矢理入れることはできない」と説明します。

ただ、この意見に対しキャスターの宮瀬茉祐子は「本人の希望とはいえ、認知症が進行してしまえば、判断がつかないのではないか」と危惧します。


そもそも認知症にはどんな症状があるのか……。メインとなるのは「中核症状」。これは、俗にいう一般的な「記憶障害」のほか、どこにいるのか、いつなのか、がわからなくなる「見当識障害」。

また、普段は問題のないことができなくなる――例えば、自動改札機に切符の入れ方がわからなくなるような「理解・判断力の障害」などがありますが、ちょっとしたサポートで問題解決が可能だとか。

実は、認知症の困りごとは、小さなことがたくさんあるそう。それだけに、必ずしもプロの介護士が必要なわけではなく、周囲が少しずつサポートすることが大切だと言います。

◆外見上の判断の難しさ

了徳寺大学 客員教授の網屋信介さんは「(外見上では)認知症なのかどうなのか、その判断が難しい」と問題を提起します。そこで、上条さんが提案したのは、一般の方と認知症の方をマッチングさせるアプリ。そういったものがあれば、電車などでも特定の乗車区間の面倒を見ることが可能になり、さらには「アクティブシニアの活用や、内部疾患や障がいで、なかなか就労できない方の就労支援に繋がるといい」と続けます。


◆「『私、認知症よ』と言える社会づくりを」

網屋さんは車に“高齢者マーク”があるように、認知症だと一目でわかる“目印”の必要性を唱え「(周囲が認知症の方だと)わからないのが、一番問題だと思う」と指摘します。

最後に上条さんは、認知症への理解を求め「認知症は恥ずかしくないし、『ニキビができたよ』っていうのと同じぐらいのテンションで『私、認知症よ』と言えるような社会作りが必要だと思います」と主張。今回の認知症配慮計画義務が計画で終わらないよう、管理する仕組みの重要性を訴えていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/