店舗に浸透しないキャッシュレス…ポイント還元策は誰のトクに!?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。8月16日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、政策コンサルタントの室伏謙一さんが“消費税増税分のポイント還元”について見解を述べました。

◆中小事業者に浸透しないキャッシュレス決済

10月予定の消費税率引き上げに伴うキャッシュレス決済のポイント還元制度について、登録申請した中小事業者の店舗が7月30日(火)時点で24万店であることがわかりました。しかし対象となる店舗は全国に数百万あるとされ、中小事業者に制度が浸透していない現状が浮かび上がりました。

消費増税後の“ポイント還元制度”について、室伏さんは開口一番「愚策」と断じます。というのも、ポイント還元は増税後9ヵ月の期間限定措置で、なおかつキャッシュレス決済を導入しないと還元されず、「これはおかしい」と室伏さん。

◆ポイント還元……その真の目的は?

ポイント還元制度の背景にあるのは、キャッシュレス決済の導入促進なのだそう。店舗などキャッシュレス決済を使われる側は、インフラを利用することで手数料がかかります。利益が圧迫されるため、特に中小・零細事業者は導入に足踏みをしていますが、手数料の補助などをインセンティブにし、インフラ利用を強制しているようなものと室伏さんは主張します。


しかも、中小・零細事業者は消費税増税分を価格に上乗せすることさえ厳しいなか、政府は増税後の価格転嫁は柔軟にできると発表。つまり増税後の価格は自由にしていいということで、1,000円のものを税込1,100円にしなくてもいいのだとか。そうなると、体力のある大企業は税込1,000円で販売することが可能ですが、中小・零細企業には太刀打ちできない可能性が。さらにキャッシュレス決済の手数料を取られて利益も吹き飛び、「はっきり言えば、“中小企業は死ね”と言っているに等しい」と室伏さん。


手数料は上限3.25%とされていますが、ポイント還元終了後には設定が自由になるそう。すると、手数料が引き上げられる可能性は高く、中小・零細事業者の負担は一層増すことに。これについては、(独占禁止法の)「優越的地位の濫用」に該当する事例が出てくる可能性すらあるという声もあがっているとのこと。

◆キャッシュレス促進は増税のアリバイ工作!?

キャッシュレス決済の導入が促される理由は、室伏さん曰く、インフラを保有するプラットフォーマーの利益のため。それを「政府が主導して作っている」と室伏さんは厳しく批判します。

そしてもう1つ、これまで増税のタイミングでは駆け込み需要で一時的に消費が上がるものの増税後に落ち込む、その繰り返しでした。しかし、増税後にポイント還元することで平準化できる、つまり増税しても消費に影響がなかったという「アリバイ作り」が目的になっていると指摘します。


最後に「なにが元凶かと言えば、消費増税」と室伏さん。増税は直ちに中止すべきであり、「将来的には消費税廃止に」と訴えていました。

ちなみに、ポイント還元に関する問題について、国会の委員会質疑で質問を受けた世耕弘成経済産業大臣は、「競争があるからなんとかなるんじゃないか」「手数料に見合うだけの付加価値を決済事業者が提供するだろう」「キャッシュレス化することでスペースが有効利用できたりして生産性が向上する」など見当違いの答弁をしていたそうです。これには、MCの堀潤も「消費の現場に触れていれば、そんな軽々しく言えない」と半ばあきれている様子でした。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/