“あおり運転問題”に弁護士が提言! 厳罰より再発防止のサポートを

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。8月22日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の三輪記子さんが“あおり運転の加害者に対する処罰とケア”について見解を述べました。

◆厳罰を望む声が高まる

茨城県の常磐道で、あおり運転で停止させた車の男性を殴打したとして、傷害容疑で逮捕された宮崎文夫容疑者が「前を走る車が遅くて妨害されたように感じ、あおり運転をした」という趣旨の供述をしていることがわかりました。インターネットを中心に非難が相次いでおり、厳罰を望む声も高まっています。

三輪さんはまず、あおり運転がどのように法規制されているか紹介します。

警察庁のWebサイトによると「激しく接近し、もっと早く走るように挑発する」などの行為は道路交通法違反となり、あおり運転そのものを厳罰に処すような法律は今のところないそう。実際、今回の宮崎容疑者の逮捕容疑も「傷害罪」となっています。


ただし、危険な運転をした結果、相手にケガをさせたり、死亡させたりした場合には処罰されます。それだけに、危険運転致死傷・過失運転致死傷などで検挙された人のなかにも「あおり運転の結果として重大な結果が発生したケースもあるかもしれない」と三輪さん。


◆「治療的司法」で問題の本質的な解決を

今回の事件を通して、あおり運転を処罰・厳罰化すべきという声は大きくなっています。そんななか、三輪さんは“宮崎容疑者が逮捕されて良かった”という報道に違和感を覚えているそうで「この方が逮捕され、起訴されたとしても事件の解決には繋がらない」と指摘。

あおり運転の被害者は数多くいるだけに「再犯を防いでほしい、類似事件の発生が減ってほしいとみんな思っている」と語り、そのためには「厳罰化だけでは叶えられない」と主張します。

そこで、三輪さんが取り上げたのは「治療的司法」という考えです。「治療的司法の実践」という本によると「司法手続きのなかでの単なる法的解決や紛争解決に留まらずに、紛争や犯罪の原因となった問題の本質的な解決に向けて必要とされる福祉的支援や医療・その他のサポートを提供する司法観(司法哲学)のこと」。

つまり「処罰ではなくサポート・ケアによって社会が加害者のことも救え、なおかつ、被害者も減らせる方向に働いていくのではないかということを考えてほしい」と三輪さん。みんなが厳罰化を望むと「実は社会は防衛されない」と懸念しつつ、事件報道の際には「加害者に対するケアを考えていくことで、社会の安全が守られるのではないか」と言います。

そして、加害者のなかにも「加害行為をやめたいと思っている人がいる」とし、そういった人たちに対するケアが行き届くことが望ましいと訴えていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/