IT企業の“データ戦争”広がる…ヤフーのZOZO買収“思惑”とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。9月13日(金)の放送では、“ヤフーのZOZO買収”について意見を交わしました。

◆Amazon、楽天への対抗策

ソフトバンク傘下のヤフーは12日、衣料通販サイトZOZOTOWNを運営するZOZOに対してTOB(株式公開買付)を行い、子会社化すると発表。ヤフーは4,000億円規模の投資を行い、ZOZOの株50.1%の取得を目指すとしています。その狙いは年間利用者が800万人以上のZOZOを買収することで、若者を中心に顧客を拡大。ネット通販で先行するAmazonや楽天に対抗するためとみられています。

なお、ZOZOの前澤友作社長は同日退任。今後については「実は2023年に予定している月渡航より前に宇宙に行きます」とコメント。また「もう一度ゼロから事業を作りたい」「複数事業の同時並行もありえる」と述べ、実業家として次のステージに進む意思を示しています。

◆狙いは若者中心の顧客拡大

矢野経済研究所 社長の水越孝さんは今回の件に関し、「ZOZOサイドからの話が多いんですけど、買う側の事情も大事なのかなと思う。しかも、買う側の事情というのは、ヤフーというよりもソフトバンク」と考えを明かします。

水越さん曰く、今IT企業が目指しているのは“データ”。それは、通信(行動)、金融(お金)、eコマース(買い物)で「これらの情報をいかに早くたくさん取得するかが、IT企業の戦場になっている」と指摘。

ソフトバンクはそもそも携帯電話・通信の会社であり、そのウエイトを下げたいというのが現状だそう。そして、金融の面ではPayPayがあり、その流れで今年5月にヤフーを子会社化しています。


◆新生ZOZOに期待

一方、楽天はeコマースからスタートし、金融ではKDDIと提携した楽天ペイがあります。そして、この10月からは本格的に第4の通信事業社として新規参入するだけに「要するに(両社が)モロにぶつかっている」と水越さん。

ただ、ソフトバンクはeコマース部分においては、ヤフーを子会社化しても楽天には勝てていません。しかし、アスクルに加えZOZOを傘下に収めることで、ようやくeコマースNO,2の座が射程に入ってくると言います。ちなみに1位はAmazonだそうですが、この買収劇には「こういった事情があることを背景に考えていく必要がある」と話していました。

また、ZOZOについてはプライベートブランドの失敗などあるものの、今年4〜6月期は売上も利益も回復しています。ただ、同社のチャレンジ精神は「創業者であり、社長であり、筆頭株主である彼(前澤氏)だからこそできた挑戦であって、そういう意味では残念」と水越さん。「面白くない会社になるのかなって気がする」と言いつつも、そこはソフトバンクがどうテコ入れしていくのかに注目しているようでした。

そして、退任した前澤氏についても、「宇宙のビジネスは期待したいですね。楽しみです」と期待を寄せます。

健康社会学者で気象予報士の河合薫さんは以前、ZOZOの社員何人かにインタビューを行ったことがあるそうで、「少人数で始めた頃から前澤さんは“人事が命”と言って、すごく社員を大切にして、いろいろな仕組みがある」と言います。それだけに、今回も「前澤さんが社員のことを考えて、これがベストの選択だったんじゃないかと思う」といい方向に考えているようでした。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/