増える黒字リストラ…働き方改革の主役を担うのは中高年!?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。2月27日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、矢野経済研究所 社長の水越孝さんが近年増加している黒字リストラから“雇用環境と労働政策の変化”について見解を述べました。



◆黒字リストラが増えている背景

コンビニ大手の「ファミリーマート」は、非正規社員を含むおよそ7,000人のうち、1,025人が3月末で希望退職すると発表。制度利用による退職金の割増額は150億円になるということですが、年間80億円の人件費削減を見込んでいます。

水越さんによると、「ファミリーマート」の今期決算予想は、売上は約5,250億円でおよそ600億円の黒字。通常、希望退職やリストラは経営不振や経営再建の中で行われますが、最近は違ってきており、2019年には35の上場企業が希望退職を行い、うち6割は黒字。その背景には「構造改革に先手を打つ」ということがあると言います。

「ファミリーマート」の人件費削減分80億円は、24時間営業に対する補助金など加盟店の支援に充てられる予定。何故、補助金が必要なのかというと、アルバイトの人員不足により、人件費が高騰したから。事実、フリーターの数は2009年以降の10年間で約40万人も減っています。

また、フリーターが減った理由の1つは失業率が下がり、就業できているからだそうですが、「望まないフリーターが減ったとも言えるが、若者で働いている人が増えているかと言えばそうではない。それは若者そのものの数が減っているから」と水越さん。その数は、2009年のときに比べ200万人以上も少なくなっています。

そして、これがどう構造改革に繋がるかというと「安い労働者が減っている」と水越さんは言い、「サービス業の多くが非正規の安価な労働者を必要とするビジネスモデルだった。それが崩れ始めたので構造問題になっている」と解説します。

◆将来の日本の有り様を決めるのは……

日本はバブルの崩壊から規制緩和の流れが生まれ、長期デフレのなかで派遣業種が拡大。そして、それをやり過ぎたがゆえに規制強化に向かいましたが、今後は労働力が不足していくなか、「規制が枠外へというような概念が出てきている……僕はそれが働き方改革の一側面と見ている」と水越さん。

さらに、「例えば副業を奨励する、フリーランス、裁量労働制、高度プロフェッショナル制度、これらは全て規制の外側に置いてくことで安価な労働力を補う」と持論を述べます。

そして、その主役となるのが中高年。2019年にリストラされた40代は1万人ぐらいいるそうで、彼らは簡単に再就職できないだけに「自分自身で雇用という形態の外側で何かをしていく必要も出てくる。雇用に留まる限りは安価な労働力になっていくので、違う選択肢を作っていかなければならない」と主張。

今後は安価な労働力もAIやロボットなどに置き換わる可能性がありますが、水越さんは「悲観的になる必要はない」と言います。というのも、枠外にいくことで自由度が上がり、選択肢が増えるからで、実は起業者の平均年齢も43歳。「そういう意味ではいろいろな可能性がある。一方で、社会的なセーフティネットを含め、どう一定のモラトリアム期間を作りだせるかが将来の日本の有り様を決めていくと思う」と話していました。

キャスターでジャーナリストの岸田雪子さんは、「キャリア教育自体が大きく変わる必要がある」と言います。そして、「起業が人生の後半戦にくるかもしれないことを念頭にした全体のプラン作りをどこまでやれるのか。生涯教育も一般化していないなかで、高校生までのキャリア教育でより長い人生設計プランをどれだけ変えていくかが学校教育の現場に求められる」と提起していました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

関連記事(外部サイト)