トランスジェンダーのためにスーツを作り続ける 〜オーダーメイド専門店の粋な試み〜

TOKYO MX(地上波9ch)の番組「日本の底力〜自分らしく生きること〜」が6月25日(木)25時35分から、「LGBT」をテーマに放送。トランスジェンダーの皆さんのためにオリジナルスーツを作り続ける専門店を取材。その粋な試みの訳を聞いた。



「自分らしく生きる。
それは今、性の対象や認識にかかわらず、すべての人にとって大切なこと。しかし、社会の『しくみ』や『文化』は、この多様性の時代に追いついていないのが現状です。LGBTsの当事者にとってまだまだ、『自分らしく生きる』はあたり前のことではありません。」(「自分らしく生きるプロジェクト」ホームページhttp://jibun-rashiku.jpより抜粋)

 TOKYO MXは、「LGBTsと理解者が手を取り合い、無限の可能性を生み出す」というプロジェクト『自分らしく生きるプロジェクト』(運営団体「We Think(Shibuya).」)と連動した形で、LGBTsへの理解者を一人でも多く増やしていくための番組として放送中。

 "LGBTsに優しい店”として、LGBTsの皆さんのためのオリジナルスーツを作り続けているのは、千葉県八千代市で営業を行うスーツのオーダーメイド専門店「Aster」の代表取締役・井出俊信さん。

 井出さんがLGBTsの皆さんのためにスーツを作り始めたきっかけは、アウティングの犠牲になった死への憤りでした。ある新聞記事に目が止まった。ある会社で、トランスジェンダーの社員が上司にカミングアウト。すると、その上司が同僚たちに、そのことを言いふらしてしまい、その後、社員が自殺してしまったという。井出さんは「自分が自分として生きていけないなんて、何と酷い世の中だ」と思った。周囲の人たちの、無知や無理解がもたらした問題。「自分で力になれることはないか?」考えた末に、一からLGBTsの勉強を始め、トランスジェンダーのためにスーツを作り始めた。

 実際LGBTsの皆さんには、スーツを着たいと思った時に「自分の体形に合ったスーツが無い」という悩みが…。生まれ持った体は女性だが、自認する性が男性である人、つまりFTM(Female to Male)の皆さんが、「大人の男性の象徴」とも言えるスーツを格好よく着こなしたいと思っても、スーツの袖を通すまでには大きな壁があるという。

 こちらの店では、量販店のようにメンズ・スーツとレディース・スーツとで売り場を分けていない。「『トランスジェンダーです』と言わなくてもいい。気軽に来店してくれて、ただ『メンズ・スーツが欲しい』と言ってもらえれば」と井出さんは言い、打ち明けづらい体の悩みをきちんと汲み取りスーツを作る。LGBTsの皆さんのためのオリジナルスーツを作り始めてからホームページで情報発信を行ったところ、LGBTsのお客さんが毎月3〜4人、全国から来店するようになった。


 LGBTsのお客さんたちは、自分のオリジナルスーツが出来上がり、袖を通した時に「顔がキラキラしている。スーツが仕上がった時の喜び方が、一般のお客さんとは全然違う。私は、皆さんから求められていることが今、実現出来ている感じがする。」と、スーツ作りのプロとして得も言われぬ笑顔を見せた。


<番組概要>
番組名:「日本の底力〜自分らしく生きること〜」
放送日時:2020年6月25日(木) 25:35〜25:40 <TOKYO MX1>
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/jibunrashiku_pj/
「自分らしく生きるプロジェクト」公式サイト:http://jibun-rashiku.jp

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