仕事と育児の両立から見る、女性登用の問題点

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。7月21日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、ジャーナリストで東海大学客員教授の岸田雪子さんが“女性登用の問題点”について述べました。



◆女性登用30%の目標、見送りへ

政府が2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする目標を断念し、できるだけ早期に達成するとの表記に変更することがわかりました。既存の目標は今年12月で期限を迎えますが、事実上の先送りとなります。

今回の件に関し岸田さんは、政府が経済界に強く働きかけるようなこともなく、「政権としてどこまでやる気があったのか」と疑問視。内閣府のWebサイトで女性管理職の登用状況を公表するようになったものの、「有権者としては次の選挙で示すことになると思う」と言います。

目標断念の背景として、「数値目標を設けて登用を進めることに国民的な合意が足りなかったのではないか」と指摘。そして、世間からの異論の1つとして、「能力を度外視し、女性だから登用するのは逆差別になる」ということを挙げます。これは主に男性側から多く、能力さえあれば男女公平に登用すべきところ、「それが叶わないから一定枠を設けることに対し、政府の説明が不十分だったことが残念」と語ります。

もう1つが女性側から多い意見で、「管理職になると子育てができないからやりたくない」ということ。「つまり、管理職は子育てができないという概念が常識化してしまっている」と懸念する一方で、男性は子どもがいても管理職の人が多く「仕事と子育ての両立という議論が、女性登用のときだけ出てくる不思議さも注目する必要がある」とも。

◆仕事と子育ての両立、女性登用を見直すチャンス

そこで、子育てと仕事の両立を考えるべく、岸田さんは「子育て」要素を言語化。授乳やおむつ交換など数多くの要素があるなかで、女性にしかできないことは「母乳をあげること以外はないことに気づく」と岸田さん。ただ、それも「母乳の代わりにミルクをあげることでも栄養価が摂れるという議論も進んでいる」と言います。

また、「子育てには時間がかかることもわかる。育児時間は意識して確保しなければ簡単に取れない」と指摘し、「子育ては女性が行うものだという当たり前をいかに変えられるのか、育児時間を確保することを意識した業務改善が必須の2本柱で、実はこれが目標数値以上に重要」と訴えます。

しかも、それを実現するにはコロナ禍の今こそチャンスだと岸田さん。その理由の1つは「テレワーク」で、移動時間を別の時間に使えるようになり、「仕事の補填はもちろん、育児に充てることもできる。そういう意味では育児時間の確保。そして、職場にいることの価値が薄れてきたという変革でもある」と話します。さらに、それに合わせて評価対象も変化し「職場にいることの価値観が薄れ、成果や実績を評価する体制に変革する契機だと思う」と意気込みます。

なかには子育てをしていない従業員もいるだけに、その公平性は担保しつつ、「テレワークをはじめとしたコロナ禍での働き方改革が、実は育児時間の確保という広い意味での女性登用を考える上でもチャンスだと思う」と述べていました。

MCの堀潤は、評価対象が成果主義的になることで、「より過度な精神的プレッシャー、労働になりかねない」と危惧すると、岸田さんも「テレワークで逆に残業時間が増えた実例も多い。そこに対する配慮も必要」と同意しつつ、「勤務管理、健康面の維持は必要だけど、それも現在の評価制度の不備と合わせて変えていくチャンス」と答えていました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

関連記事(外部サイト)