ウィズコロナ、介護インフラ拡充への課題とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。10月9日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、介護福祉士の上条百里奈さんが“ウィズコロナの介護インフラ”について述べました。



◆コロナで死亡、原因は介護ヘルパー!?

新型コロナウイルス感染症で死亡した女性の遺族が、死亡したのは発熱などの症状があった介護ヘルパーを訪問させ続けたのが原因だとし、運営会社に4,400万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。担当していたヘルパーは女性の陽性がわかった翌日に感染が確認されており、原告側は「ヘルパーが女性に感染させた」と主張。従業員の体調管理などの注意義務を怠ったとしています。後日、和解が成立して訴訟は取り下げられました。

このニュースを受け、上条さんは遺族のことを思うと心が痛むものの、介護職員としては「より不安になった」と吐露。なぜならコロナをうつしたくもうつりたくもないけれど、介護を必要とする方々の生活インフラは守らなくてはいけないから。そして、そのためには「徹底した感染対策しかない」と言います。

感染対策としては、まず「衛生用品の確保」が挙がりますが、最近はマスクもアルコールも確保できるようになってきていると上条さん。さらに、介護現場は素人も大勢働いているだけに「スタッフへの感染予防教育」もマスト。また、感染対策は時間と労力がかかるため「それを踏まえた業務フローを今後もっと考えていかなくてはいけない」と話します。そして、近年一般企業でも取り入れられている"ウェアラブル”などを活用した体調管理システムの導入を希求します。

上条さんによるウィズコロナ時代の介護への提案、2つ目は「ビジネスとして成り立つ事業所経営」です。訪問介護事業所は3人だけで運営しているような小さな事業所も多く、ビジネスとして成り立っていないところがたくさんあるとか。それだけに、介護保険外サービスを導入し「利益を出していく方向にしていかなくてはいけない」と指摘。

また、今はお金の有無に関わらず、一律・平等のケアが良いとされていますが、上条さんはビジネスとしてオプション化の必要性を示唆。「最低ラインは介護保険内サービスとして扱いつつ、予算に合わせたサービス展開をしていかないと」と提起。さらには、介護業界も年々改定があり、介護報酬は減額され続けられていて、「2021年にまた改定があるんですけど、"コロナ対策加算”も創設されるべきと思う」と上条さん。それは「介護事業者の倒産が過去最多なので、(事業者を)守っていかないと」という理由から。

◆度々起こる介護を巡る事件…発展させない秘訣

介護の現場では今回の訴訟のような大きな事件が過去に何度かあり、それらに共通する特徴は「家族との関係性ができていないこと」。また、「ケアの透明性」も大事で、「日々の連絡などがこういった事件に発展しない秘訣」と上条さんは話していました。

フリーアナウンサーの笠井信輔さんの両親はデイケアにお世話になっているそうで、「介護現場のみなさんの努力によって(コロナの感染など)何事もなくここまでこられているので本当にありがたいですし、ものすごく努力を感じます」と感謝の言葉を口にします。

シンガポール在住で大手IT企業勤務リーゼントマネジャーの岡田兵吾さんも、日本に住む祖母が介護ヘルパーのお世話になっているそうで、現在コロナの影響で日本に行けない状況下だけに、「介護職のみなさんの助けがあってこそ」と感謝の思いを述べつつ「介護の現場や医療機関などには制度として迅速な支援をしていただければと思う」と望んでいました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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