現役記者&メディア運営者も危惧…問題続出の「こたつ記事」とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。12月21日(月)放送の「ニュースランキング」のコーナーでは、Web上で多く見られる“こたつ記事”の問題について意見を交わしました。



◆現役記者も問題視する「こたつ記事」とは?

著名人のソーシャルメディア(以下、SNS)などでの発言を引用し、ネットで報じたスポーツ新聞社が、謝罪や訂正をする事態が昨年より多く見られました。コロナ禍でスポーツの試合やイベントが中止になり、記者が現場で取材することが難しかったことも背景にありますが、発言内容の検証なしにネットを見て書かれた記事は「こたつ記事」とも呼ばれ、配信するメディアの姿勢が問われています。

記者の1人でもある「毎日新聞」ニュース配信動画「まいもく」MCの中嶋真希さんはこの件に関して、「これは本当にちゃんと考えないといけない問題」と真摯に受け止めます。

かつて著名人がコメントを出すときはFAXや記者会見が一般的でしたが、最近ではSNSでコメントを先に出すケースが多くなっています。通常、メディアはコメントの裏を取り、発言の意図を聞き取ってから記事にするのが仕事ですが、「SNSで出てしまうと、そのSNSが本当に本人のものなのか、どんな意図があるのかなどの裏を取るのがすごく難しい」と中嶋さん。

さらには鮮度の問題も。SNSにアップされた後、裏を取るために取材をしてから記事を出すとなると、「今はニュースの消費が早いので、その記事が出る頃には古いニュースになってしまう」と指摘。そして、「世の中のニーズに応えようとすると、どうしても裏を取らないでコメントを引用して出してしまうことは今後も起こり得る」と案じます。

MCの堀潤も先日、ツイートした内容を引用されたものがニュースになったそうで、「メールなり電話をいただければ、意図を説明したり、補足したりできるのに……」と悔やみ、「こたつ記事が"炎上発生装置”のような感じになっているのが嫌」と嫌悪感を示します。

また、メディア運営者でもあるヘッドライン社長で早稲田大学研究院客員教授の一木広治さんは、確認をすることがなくなった風潮について「(記者の)取材力、人間力も落ちていると思う」と言います。ただ一方で、トランプ氏でさえSNSで情報を発信しているだけに「難しい時代」と苦慮。

◆早さが勝負の記事で本当にいいのか?

そして話題は堀が参加したメディアのワークショップの話に。そこでは、「朝日新聞」の"中退者の数がコロナによって影響を受けている”という見出し記事が話題になったそうですが、文科省の発表では給付金などが功を奏したのか前年比で見ると中退者は減少。しかし、この記事では中退者2万数千人のうち千人あまりはコロナの関連に見られると書かれ、「入りと締めが『コロナが深刻』となっているから、読んだ人は"これはコロナ関連かな”と思ってしまう」と指摘。この例のように、文科省の発表をメディア目線で切り取って終わるような記事について、いかがなものなのかと2人に問いかけます。

これに中嶋さんは「ネットのニュース記事は紙と比べ、すぐに出さないといけない。早さが勝負」と返答。紙のメディアは1つの記事を何人もの人が何度も確認し、議論していたものの、「(Webの場合)それだけの準備をする時間がなかなかないのが現状。そこは今後、ちゃんと一回深呼吸して出すことを考えていかないと」と憂慮します。そして、一木さんもスピード重視の現状を「早いもの勝ちみたいになっている、変な競争」と表現すると、堀は「本当にそれでいいのか……」と危惧していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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