在宅勤務が聴覚障害者のチャンスに「“活躍できる”という成功例を」

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月〜金曜7:00〜)。「オピニオンCROSS neo」では、「毎日新聞」ニュース配信動画「まいもく」MCの中嶋真希さんが“在宅勤務と聴覚障害者の可能性”について述べました。



◆在宅勤務で打破!? 聞こえる・聞こえないの壁

コロナ禍で在宅勤務が推進され、それにより「オンラインで仕事をすることで活躍できる人もいるかもしれない」と期待する中嶋さん。というのも、自身が所属する毎日新聞社のデジタルメディア局に昨年4月に入社した女性2名は耳が聞こえず、手話でやり取りしています。

2人は主にニュースサイトの編集業務を担当しており、コロナ禍で在宅勤務となったものの「在宅勤務が2人にとってはコミュニケーションが取りやすい環境を作ることになった」と言います。

当時、中嶋さんらはSlackというビジネスチャットツールを使って仕事をし、在宅になったことでコミュニケーションも基本Slackに。通常、彼女たちと対面してのやりとりは筆談だったためそれなりに時間がかかっていたものの、Slackでのやり取りが主流となったことにより「他の人たちと同じペースで仕事ができるようになった」と中嶋さん。さらには、文字入力するチャットなら意見も積極的に言えるようになり、先輩たちも指導が容易になったとか。

またZoomによる会議も、音声を文字化してくれるアプリ「UDトーク」を用いることで解決。実際、彼女たちに話を聞いてみると、会話に参加できるとともに置いていかれる感じもなくなったそうで、「耳が聞こえる・聞こえないという土俵で戦う必要がなくなった」と言います。

◆コロナで働き方が再構築…障害がある人にはプラスに

彼女たちとの仕事を通して、中嶋さんは「聴覚障害がある人にとって在宅勤務はチャンスになるんじゃないか」と実感したと言います。そこで聴覚障害者を雇用する企業のコンサルティングをしている「Silent Voice」代表・尾中友哉さんに話を聞いてみると「インターネットのおかげで聞こえる人、聞こえない人の間にあった高い壁が低くなり、聞こえなくても活躍ができるようになってきた」と語っていたとか。

さらにはコロナ禍で働き方も変わり、「これまでは多くの企業が働き盛りの健康な男性に合わせた働き方をしていた。しかしそれは女性や障害がある人にとっては働きにくい仕組みだった。それがコロナで崩れ、再構築され、障害のある人にとってプラスに働くのではないか」と、尾中さんからの指摘を紹介。

一方、マスクで口元が見えづらくなるなどコミュニケーションが難しくなった職種もあり、誰もが働きやすくなったとは一概には言えませんが、「ITを使っている職場であれば、聴覚障害のある人にとっては助かる要素が多いんじゃないか」と尾中さんは話していたそうです。

しかし、いまだに障害を理由に就職が困難な現実もあり、例えば千田さんも耳が聞こえないという理由でエントリーシートさえ受け取ってもらえなかったことがあったとか。尾中さんも「聴覚障害者に対して、"仕事ができない人”というイメージが強くあり、会社に入っても期待されないという問題がある」と話していたそうで、中嶋さんは障害者が今後どうキャリアを築いていくかという課題を示唆。そして、「私のように一緒に働き、"活躍できる”という成功例を積んで、それを体感してもらえる企業が増えてほしい」と訴えます。

放送作家で京都芸術大客員教授の谷崎テトラさんによると、大学でも障害者の雇用は変わってきていると言い、「クリエイティビティを持っているなら、障害の有無は関係ない」と同意していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月〜金曜 7:00〜8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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