人気雑貨店「スイマー」復活へ! しかし、ネットでは「新たな悲鳴」も!?

人気雑貨店「スイマー」復活へ! しかし、ネットでは「新たな悲鳴」も!?

かつてあった人気雑貨店「SWIMMER(スイマー)」の店舗。2018年1月に全店閉店していた

 パステルカラーとりんごのキャラクターで人気を集めたあの雑貨たちが帰ってくる。

 2018年に販売終了した人気雑貨ブランド「SWIMMER(スイマー)」 が新会社に引き継がれて復活することが発表されたのだ。

 若い女性を中心にファンが多かった雑貨店の復活。しかし、復活のニュースを受けて「新たな悲鳴」も上がっている。果たしてそれはどうしてか、そしてその「悲鳴」は喜びの声へと変わるのか――スイマーブランドを引き継ぐことになった企業に話を伺った。

◆2018年で一度消えた「青文字系」「ゆめかわいい」雑貨

 スイマーは1987年に代官山で誕生。シンボルは「りんご王子」で、コンセプトは「ノスタルジックキューティ」。企画・デザイン・生産のすべてを自社で行っていたという。

 きゃりーぱみゅぱみゅさんなど青文字系モデルや若手女性アーティスト・アイドルにも愛用者が多く、何より手頃な価格帯ということもあり「ゆめかわいい」系雑貨店の代表格として人気を集めていた。男性読者のなかにも「学生時代に女友達の誕生日プレゼントを買いにスイマーに行った」という経験がある人もいるかも知れない(筆者がそうである)。

 スイマーが人気を集めるにつれて客層も拡大し、1999年にはバブル期にスイマーを買っていた世代に向けてスイマーの「お姉さんブランド」である「chocoholic(チョコホリック)」も誕生。スイマーと同じく、レトロな「アメリカノスタルジック」をテーマにした生活雑貨を販売し人気を集めた。2014年には代官山の本店を閉店させた一方、近年は各地のファッションビルに加えてショッピングセンターなどにも出店範囲を広げており、2017年にはブランド30周年を記念して特別ムック本が発売されるなど、当面は安泰かに思われた。

 しかし、スイマーを展開する白鳳(東京都渋谷区)は、2017年7月に「仕入れ単価の高騰により思うようなモノづくりや価格帯の維持が難しくなったこと」を理由に、突然の「ブランド終了」を発表。

2017年末でオンラインショップを、2018年1月末に「chocoholic」とともに全ての実店舗を閉鎖し、惜しまれつつ「ブランド終了」となっていた。

◆東日本に展開する雑貨店「パティズ」が展開へ――えっ、東日本だけ!?

 スイマーブランドを引き継ぐことになった企業は福島県に本社を置く「パティズ」。

 パティズ社は1988年に会津若松市で創業。2019年現在は東日本各地のショッピングセンターやスーパーマーケットなどに「パティズ」「Dearパティズ」「キュララ」「WIZ」などの屋号の雑貨店を約120店ほど展開する。同社ではかつてスイマーからの商品供給を受けており、一部店舗でスイマーの商品が販売されていた。

 パティズ社は「皆様に愛されているスイマーを途絶えさせてはならないという強い想いから、 復活に向けて動き出した」といい、今後は同社がスイマーブランドの商品の企画・販売を行うという。

 これでスイマーファンは一安心……と思いきや、そうではなかった。ネット上では多くの悲鳴が飛び交う。

 そう、パティズが展開するのは東日本だけ。最も西にあるのは2018年に出店した「ルビットタウン高山店」(岐阜県高山市)で、展開地域が徐々に広がってはいるものの、3大都市圏で店舗があるのは首都圏のみだ。SNSには「福岡は?パルコにあったのに!」「調べたけど大阪に店舗ないやん!」などといった声が飛び交う。

 そこで、パティズ社に「今後の店舗展開」について話を伺った。

◆将来的には「スイマー単独店舗」も復活へ!近い将来には西日本にも…!?

 先述したとおり2019年6月現在パティズ社の店舗があるのは東日本のみ、全国で約120店ほど。大阪や名古屋に出店していないばかりか、多くはイオンなどの郊外型ショッピングセンターへの出店であるため、東京23区内にも僅か4店舗しかない。山手線の内側には店舗が無く、都心に一番近い店舗は「Dearパティズ錦糸町店(錦糸町オリナス、墨田区)」になる。

 パティズ社によると、まずは「当社直営のある程度の店舗での展開を予定しております。」といい、やはりパティズ店内での商品展開が想定されるとのこと。「やはり西日本の人は手にすることが出来ないばかりか東京都心でも厳しいのか」……と思いきや、それだけで終わらなかった。

 パティズ社は「全国のファンの皆様に『SWIMMER』をお届けするのがこのプロジェクトの目的」だとしており、将来的にパティズ社によるスイマーブランドの店舗展開や、パティズ社の直営店内のみならず全国の他社雑貨店などへの商品供給を検討。それに加えて「オンラインショップでの展開」も検討しているという。近い将来には、西日本のファンも何らかの形でスイマーの商品を再び手にすることが叶いそうだ。

 パティズ社によるスイマーの販売開始は2020年中の予定。西日本への店舗展開や他社への商品供給はそれより少し先になるかもしれないものの、パティズは現在も楽天市場にオンラインショップを開設しているため、意外と早い段階でスイマーの商品に再会することが出来るかも知れない。

◆苦戦するファンシー雑貨業界を泳ぎきれるか?

「ロフト」や「東急ハンズ」といった都市型の大手雑貨店が経営規模の拡大を進める一方、ファンシー雑貨業界に目を向けると、100円ショップや300円ショップの品揃え拡大に加えて製造元であるアジア各国の人件費高騰、さらに日本国内の少子高齢化などにより苦戦している企業が少なくない。

 2016年にはジャスダック上場企業だった「雑貨屋ブルドッグ」(静岡県浜松市)が消滅、同年には同じくジャスダックに上場する大手雑貨店「パスポート」(現:ハピンズ、東京都品川区)がライザップ傘下となったほか、2018年にはかつてダイエー系列だった大手アジアン雑貨店「大中」(最後の運営はマルシェガーデン、東京都千代田区)が実店舗の全店閉鎖に追い込まれている。

 パティズ社も今回の取材のなかで「生産コストの増加による若干の価格上昇はやむを得ないと考えております」と述べており、「手頃な価格」で知られたスイマーも以前より少しだけお高い価格帯となりそうだ。

 厳しい競争のなか、新たな船出となるスイマー。今回こそは雑貨業界の荒波を泳ぎぎって欲しい。

<取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)>

【都市商業研究所】

若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」

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