「最後」のJR四国松山運転所一般公開、大コーフンの廃品販売と鉄道模型展示

「最後」のJR四国松山運転所一般公開、大コーフンの廃品販売と鉄道模型展示

ピストンらしきものとカンテラ(動作不明)2019/10/19撮影 牧田寛 このボア径のピストンだと、DD51などの機関車用と思われる

 今回も前回に引き続き、移転前の現地では最後の一般公開となった、JR四国松山運転所一般公開について写真を主体にお伝えします。

◆ファン垂涎。ディープな廃品販売

 時間は残すところ30分ほどですが、運転所一般公開名物の鉄道廃品販売を見に行きました。他の会場では屋外で行っていますが、この日はお昼過ぎまであいにくの雨だったためか建屋の一階室内でやっていました。

 鉄道廃品は、鉄道会社で使わなくなった消耗品や備品、部品がこういったイベントや販売会社経由で販売されるもので、有名どころは懐中時計です。筆者は、国鉄時代のネジ巻き式の懐中時計を使っていましたが、24時間に一回ネジを巻かないと止まる仕様のために手放してしまいました。毎日の点呼の際に時間を合わせますのでその前に必ずネジを巻くために24時間と少しでネジが切れるのでしょう。いかにも合目的的で素晴らしいのですが、一般人の使用には、夜更かしして寝坊すると時計は止まっているし、出勤中に時計を見ると止まっているので実用性がありませんでした。国鉄末期からJR時代になるとクォーツ式になりますのでネジ巻きすることはありません。鉄道会社のイベントでの廃品販売ではだいたい一万円前後の相場ですので、中古とは言え丈夫なのでお勧めです。電車でGoなどのトレインシュミレーター用のマスコン(マスターコントローラー)の穴にぴったりはまります。

 廃品販売の部屋に入ると、まだ人がたくさんいましたので、写真はあまり撮れませんでした。実は、高知運転所の廃品販売があまりに凄いので期待していなかったのですが、いきなり入り口に矢羽根付き転轍機標識が鎮座していました。これは、不意を突かれました。おいおいいくらだいとみてみると、なんと目の前で売れてしまいました。鉄道備品は、鉄の鋳物で凄く重いのですが、どうやってもって帰り、何処に置くのかは、長年の疑問です。

◆軍資金がなく筆者はなにも買えず……

 勿論子供でも買えるものも置いてありますが、人気は懐中時計、運転士さんや車掌さんの使っている鞄、サボ(行先標)、ヘッドマーク(愛称板)、方向幕、 スタフ(乗務行路表)あたりなのですが、時計や鞄は、だいたいお昼過ぎには売り切れてしまいます。

 閉会直前なので売れ筋は残っていませんでしたが、高いサボや方向幕、ヘッドマークは残っていました。またスタフは安いのですがたくさんおいてあるので十分に残っていました。他には自動起こし装置一式や部品など、狭い割には結構残っていましたが、人が多くて近づけませんでした。

 しかし、今回も軍資金がありませんでしたので、筆者は何も買えませんでした。

 筆者は、スタフやダイヤグラム、運行表、サボ、ヘッドマーク程度は持っているのですが、方向幕は数万円が相場で手が出ません。

 都心部での一般公開イベントでしたのであまり期待していなかったのですが、規模の小さい割には掘り出し物や変なものも多く結構楽しめました。南伊予へ移転後は、とても広くなりますし、南予には古い路線が多いので移転後の来年以降に期待です。

◆大規模なNゲージ鉄道模型展示

 廃品販売会場を出てすぐに、鉄道模型展示の案内があるので、階段を三階まで上りました。筆者は重度の高所恐怖症ですが、ここは我慢です。なにしろJR四国の鉄道模型展示は、社員さんだけでなく鉄道模型ファンご自慢の模型が集まる機会です。

 会場は、小さな子供がぎっしりでした。かなり大規模なNゲージ鉄道レイアウトが作られており、ご自慢の車両が走り回っていました。個人でこれだけのレールを揃えるのはまず無理で、大勢で持ち寄ったのでしょう。大阪などの大都市圏ですとレンタルのレイアウトがあって、息子は時々通っているようです。

 子供はすぐに手を伸ばして安いものでも一編成2万円前後の車両を破壊してしまうので、ここではアクリル板で防護しています。ちなみに高知車両所では、最外周にペーパークラフトのHOゲージを被害担当列車として走らせていました。

 松山運転所の鉄道レイアウトは見事なもので、高知運転所よりも規模がかなり大きなものでした。勿論、どうしても欲しい新幹線も走っていました。

 これだけ大規模なレイアウトですので、製作には相当な時間と人手がかかっていると思います。大規模レイアウトでは、案外電気的な整合性をとるのが難しく、試運転を何度もしないと止まってしまったりポイントや信号が動かなかったり、脱線したりしますので完成までの手間と時間は膨大で、1日のイベントが終わったら解体というのはなかなか辛いものがあります。

 よく見ると、奥でレイアウトのメイキングビデオを上映していました。実は、高知運転所のように運転台映像でも流していると思っていたのですが、大きなHOゲージでは比較的やりやすいもののNゲージでは車体が小さいために難しいだろうなと思って近づいたところ、レイアウトメイキングビデオでした。貴重な記録になります。

 この鉄道模型展示は、どこの会場でも大人気ですが、この松山運転所のものがJR四国ではいちばん規模が大きいと思います。

◆狭いためにやはり少ない屋内展示

 高知運転所や多度津工場では、子供向けにプラレールフリープレイコーナーとか、更に小さな子供の遊び場所などがあり、部屋が全然無い宇和島運転区では、テントで同様なコーナーを作っていましたが、松山運転所ではそういう場所がありませんでした。やはりとても敷地の余裕が足りないので、子供の遊び場所が確保できないのでしょう。来年は、郊外移転後初の一般公開となりますので屋内展示にも期待できます。

 移転後は、会場だけでなく部屋がかなり広くなると思われますので、鉄道模型展示にはとても期待できます。

 次回は、屋外展示を写真いっぱいでご紹介します。

◆コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」JR四国松山運転所一般公開編2

<取材・文・撮影/牧田寛>

【牧田寛】

Twitter ID:@BB45_Colorado

まきた ひろし●著述家・工学博士。徳島大学助手を経て高知工科大学助教、元コロラド大学コロラドスプリングス校客員教授。勤務先大学との関係が著しく悪化し心身を痛めた後解雇。1年半の沈黙の後著述家として再起。本来の専門は、分子反応論、錯体化学、鉱物化学、ワイドギャップ半導体だが、原子力及び核、軍事については、独自に調査・取材を進めてきた。原発問題についてのメルマガ「コロラド博士メルマガ(定期便)」好評配信中

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