2020年はベテランロックバンドと女性ヒーロー映画が市場を席巻する! 海外エンタメの最新トレンド

2020年はベテランロックバンドと女性ヒーロー映画が市場を席巻する! 海外エンタメの最新トレンド

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 音楽ならSpotifyやアップル・ミュージック、映像ならネットフリックスなどの普及によって、洋楽、洋画、アメドラなどの海外エンタメがより身近になってきている昨今。日本でも海外と同時に旬な作品を楽しめる様になっているが、果たして今年はどんな作品が話題をさらうのか? 音楽ジャーナリストの沢田太陽氏が占った。

◆ベテラン〜中堅ロックバンドの復興

 まず、洋楽界だが、活動を長らく休止していたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやマイ・ケミカル・ロマンスが再始動してワールド・ツアーを行うことが早くも話題となっている。

 これに加え、2月にはグリーン・デイ、春先にはザ・キラーズ、このほか、パール・ジャム、ザ・ストロークス、ザ・キュアーといった夏フェスではおなじみのバンドたちに新作発表の噂があがっている。

 さらに、テイム・インパーラ、The 1975といった次代のリーダー格のバンドも2月に早速新作が出るなど、ここ数年、元気のなかったロック勢で話題が豊富な状況だ。

 ポップ勢も、1月にはセレーナ・ゴメス、ホールジー、ケシャと立て続けにアルバムがリリースされ、2月には今や世界中で現象的人気のKポップ・グループBTSの新作が控えている。今年はさらにリアーナ、レディ・ガガの新作発表が有力視されている。

 R&Bでは、すでに先行シングルがヒットしはじめているザ・ウィーケンド、そして先の2枚のアルバムで先端のクリエイターとして注目が高まっているフランク・オーシャンにも新作の噂がある。

 ヒップホップでは、近年流行りのエモ・ラップの真打ち的存在になりそうなリル・ウージ・ヴァートが前半の目玉か。2010年代をリードしたケンドリック・ラマー、ドレイク、Jコールらにも新作の噂がある。

 新人では、ブリット・アウォードのブライテスト・ホープに選ばれた大型女性R&Bシンガーのセレステや、ロックとエモ・ラップを融合した音楽性で人気を集めはじめているヤングブラッド、U2のボノの息子イライジャ・ヒューソン率いるバンド、インヘイラーなどの下馬評が高くなっている。

◆ヒーロー映画は女性が席巻

 「ハリウッドはスーパーヒーローと、リメイクとシークェル(続編)ばかり」と陰口を叩かれるようになって久しいが、今年もその傾向は変わらない。

 だが、今年目立つ傾向があるとすれば、スーパーヒーローでなく、「スーパーヒロイン」が目白押しなことか。マーベルは、『アベンジャーズ』シリーズでかねてから人気の『ブラック・ウィドウ』が登場。主演はもちろんスカーレット・ヨハンソン。

 そしてDCでは、前作が現象的ヒットとなったワンダーウーマンの2作目『ワンダーウーマン1984』、そして『スーサイド・スクワッド』のスピンオフでマーゴット・ロビー扮するジョーカーの恋人、ハーレイ・クインの新シリーズ『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』が2月(日本では3月)に早速はじまる。

 また、シリーズものの元祖、007の新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』も主演のダニエル・クレイグが今作でジェイムズ・ボンド役を降りることから、制作の時点からかなり大掛かりなものになることが期待されている。

◆懐かしのシリーズが続々復活

 今年は続編ものでかなり懐かしい名前が公開リストに並んでいる。トム・クルーズ自身が再び主演する『トップガン マーヴェリック』は34年振り、エディ・マーフィーの『星の王子ニューヨークへ行く』は32年ぶり、キアヌ・リーヴスのおバカ・コメディ『ビルとテッド』シリーズが29年ぶり、ウィル・スミスのアクション『バッドボーイズ フォー・ライフ』とリース・ウィザースプーンのコメディ『キューティ・ブロンド3』はいずれも17年ぶりだ。

 ファミリーものでは、ディズニーがアジアン・ヒロイン『ムーラン』の実写版、ピクサー・アニメの新作『2分の1の魔法』で、日本でも春先には公開となる。

 大物監督の作品では、クリストファー・ノーラン監督の新作アクション・スリラー『TENET テネット』、SF界の新たな寵児となりつつあるドゥニ・ヴィルヌーヴのカルトSF小説『デューン』のリブート、さらに、古典ミュージカル『ウエスト・サイド物語』がスティーヴン・スピルバーグによるリメイクで登場予定だ。

◆アメドラはネトフリとHBOが牽引

 アメドラに関しては、現在この業界を沸かせているネットフリックス、そして、欧米圏のケーブル局の最大手HBOの今年発表の作品を紹介していくことにしよう。

 ネットフリックスではまず、『ラ・ラ・ランド』のヒットで知られる監督ダミアン・チャゼルが手がけるミュージカル『ジ・エディ』が新シリーズとしてはじまる。ポーランド映画『COLD WAR あの歌、2つの心』の演技で国際的に注目された女優ヨアンナ・クーリクが主演のひとりをつとめる。

 『アメリカン・ホラー・ストーリー』の作者、ライアン・マーフィーは『Ratched』で70年代の名作『カッコーの巣の上で』でジャック・ニコルソンと対立する悪役、ラチェッド看護士の若き日を描く。

 また、90年代にラテン音楽界を席巻しながら凶弾に倒れた伝説の女性歌手セレーナの生涯を描いた新シリーズも製作予定。現在も長期放映され人気のアメドラ『グレイズ・アナトミー』の作者、ションダ・ライムスの新シリーズも予定があるという。

 日本人としては、『攻殻機動隊』シリーズの新作アニメ、『攻殻機動隊 SAC_2045』がはじまることにも注目したいところだ。

 HBOでは、スティーヴン・キング原作のミステリー『The Outsider』の放送がはじまったばかりだが、今年はこの他にもヒュー・グラントとニコール・キッドマンのハリウッド映画並みの豪華主演による『The Undoing』、『Fleabag フリーバッグ』でエミー賞、ゴールデン・グローブを総なめにした才女、フィービー・ウォーラー=ブリッジの手がける『Run』、日本でも人気だった『Dr.HOUSE』のヒュー・ローリー主演の新作『Avenue 5』などが放送される。

 洋楽、洋画にアメドラと注目作が目白押しの一年となりそう。果たして、これらの中で話題をさらうのは、いったいどの作品になるのか?

<取材・文/沢田太陽>

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