バスタオル洗わず10回使用も
2023年02月04日 06時00分女性自身

「1回使ったら洗濯すべき?」「理想の干し方は?」プロが教えるバスタオルの“正しい”ニオイ&汚れ対策の画像
寒さが厳しくなるとともに空気が乾燥する冬の季節。日照時間が短いため洗濯物も乾きづらく、部屋干しをする人もいるだろう。なかでも、バスタオルの洗濯に頭を悩ませる人もいるのではないだろうか。
バスタオルの洗濯頻度は人によって様々なようで、テレビ番組でしばしば話題にのぼることも。最近では昨年6月に、フリーアナウンサーの鷲見玲奈(32)が『人生最高レストラン』(TBS系)で、結婚するまでの洗濯頻度は「2カ月に1回」と明かしていた。
昨年9月に放送された『多数派発見バラエティ ドマンナカ』(フジテレビ系)では、バイキングの小峠英二(46)やハライチの岩井勇気(36)ら共演者が「毎日洗う」と答えるなか、神田愛花アナウンサー(42)は「1週間に1回」と答えていた。
■2回以上使用する人の過半数が「バスタオルの臭いが気になる」
そこで本誌は昨年10月、「Yahoo!クラウドソーシングユーザー」の2000人を対象にアンケートを実施。
「バスタオルは何回使用したら洗濯するか?」との質問に、最も多かった回答は「1回」(58.8%)だった。主な理由として、《1回使うと雑菌が繁殖しそうだから》《一度使うと水分が付いて雑菌が繁殖するから》《ニオイが気になる》と、衛生面を気にする声が多かった。
次に多かった回答は「2~3回」(28.1%)。《1回使っただけで洗濯はもったいない》《洗ったあとの体や髪を拭くから、毎日洗うほど汚れない》と、“1度使用しただけではさほど汚れないだろう”という考えのようだ。また、洗濯頻度や手間がネックになっている人もいるようで、《4人家族なので、1人1枚で毎日交換となると洗濯物の量が増える》《毎日洗うと生地が悪くなる》との意見もあった。
3位は「4~7回」(9.2%)で、4位は「8~14回」(1.6%)と10回以上使用してから洗う人も。《ニオイが無いから。そこまで汚れていないから》《綺麗な体を拭いているし、2週間以内で良いかなと思っている》との理由が目立った。最も洗濯頻度が少ない回答は「半年に1回」(0.1%)であり、《特注の高いタオルだから》と生地の劣化が気になるようだ。
次に、バスタオルを「2回以上使用する」と回答した人を対象に、保管方法を聞いた。
1位は「タオル掛け、タオルスタンドに掛ける」(30.6%)で、2位は「ベランダなど風通しの良い場所に干す」(6.2%)。3位は「リビングや寝室の家具に掛けておく」(2.4%)と、乾かすよう心がけている人が多かった。いっぽう、4位は「脱衣かごのなかに置いておく」(1.9%)とそのままにしておく人も。
汚れが見えなくとも、使用したバスタオルから発生するニオイも気になるところ。「使用したタオルが臭いと感じますか?」との質問には、「たまにある」(41.8%)、「よくある」(8.1%)と過半数にのぼった。なお、「2~3回」使用してから洗濯する人よりも、「4~7回」使用する人の方が「気になる」の回答が増加した。
■きれいに見えても実験で可視化される汚れ
果たして「ニオイがない=汚れていない」と捉えて良いのだろうか?そして、ニオイや菌の増殖を抑えるには、どのような方法があるだろうか。
「バスタオルの汚れが徐々に蓄積して行き、それが黒ずみやイヤなニオイの発生につながることがあります。また汚れがあって、湿った状態が長く続くと、カビの発生に繋がることもあるのです。
ただ、毎回洗濯できないという方も多いと思います。その場合は、広げて必ず乾燥させておくことが必要です。乾燥させておかないと、菌が増殖し、嫌なニオイの発生につながります」
こう解説するのは、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さん(以下、カッコ内は大貫さん)。写真のように、特殊な試薬を使って2日間使用したバスタオルには汚れが紫色に可視化されている。
「汗や皮脂汚れなどと反応する特殊な試薬で染めてみると、中央部分に汚れが集中しているのがわかります。実は、洗い立てのバスタオルで、洗ったばかりのからだをふいても、実験のように中央付近がわずかに汚れているのです。見た目はキレイなままなのですが、バスタオルにはからだや顔、髪の毛をふく時に、お風呂上りにかいた汗や、わずかに残った汚れがついてしまっています」
つまり、目視では汚れていないように見えても、汚れは付着しているということだ。ただ、ニオイがないからといって菌がいないということではないらしい。
「ニオイのないタオルでも湿った時に、嫌なニオイが出てくる場合もありますよね。なので、ニオイがない=汚れが残っていないということではありません。例えば、乾燥しているタオルでは、におわないのに、洗顔した後、顔を拭くとにおうこともあると思います」
■お洗濯マイスターが紹介する4つの対処法
では、そうしたニオイや汚れに対して、どのような対処法があるだろうか?大貫さんは、次の4つの方法を提案する。
【1】洗濯の時に汚れをしっかり落とすこと
「洗濯機に入れる時には、広げて入れることで、汚れが落ちやすくなります」
【2】洗濯後は早く乾かすこと
「5時間以内に乾燥させると、部屋干し臭はしにくくなります。早く乾かすために干し方を工夫しましょう。図のように、角ハンガーに干す時は、じゃばら状に干したり、少しずらして干したりします。5時間を目安に乾かしましょう。乾かない時は、家電(扇風機、エアコン、衣類乾燥除湿器など)を使用するとよいです」
【実験条件】
縦型洗濯機の標準コースで洗濯したバスタオルを、10℃50%の恒温恒湿室で乾燥させ、乾燥するまでの時間を測定。バスタオル:250g/枚、縦110cm×横60cm。
【3】洗濯の時、抗菌効果のある柔軟剤を使用する
「菌の増殖を抑制して、ニオイの発生を抑制することができます」
【4】複数回バスタオルを使用する時は、次に使うまで乾かしておく
■「酸素系漂白剤と洗剤」の合わせ技で頑固なニオイを退治
洗ってもニオイが取れない場合はどうすればよいだろうか? 大貫さんのおすすめは、「酸素系漂白剤と洗剤を使用したつけ置き洗い」だという。
【1】濃い目の洗剤液をつくる
「洗濯おけに衣類の浸る程度(5L程度)のぬるま湯(40℃)を入れ、洗濯機で洗濯するときの水量30L分の洗剤を入れます。超コンパクト洗剤の場合10mlが目安。洗剤は抗菌効果や除菌効果のある洗剤を使用しましょう」
【2】さらに液体酸素系漂白剤を入れる
「商品の使用量の目安に従って、漂白剤を入れます。濃縮タイプの液体酸素系漂白剤の場合、50mlが目安。なお、洗剤や漂白剤を使うときは、手荒れを防ぐために、ゴム手袋を使用しましょう」
【3】タオルを入れて、つけおきする
「洗剤液にしっかりと浸し、30分~2時間程度、つけおきをしましょう」
【4】洗剤液ごと、洗濯機で洗う
「縦型洗濯機の場合、水気を切らずに、そのまま洗剤液ごと洗濯機に流し込み、洗濯機をまわします。ドラム式洗濯機の場合は、タオルを軽く絞って洗濯機に入れて、洗濯します。消臭効果のある柔軟剤を使用すると、さらに効果的です」
本誌アンケートでは「毎日洗うと生地が悪くなる」など、衛生面以外の理由で毎回洗濯できない人もいた。大貫さんは「汚れは時間とともに落ちにくくなります。毎日お洗濯できない家庭も多いと思いますので、こまめにお洗濯することを心がけましょう」と呼びかけた上で、洗濯できない時の保管方法について「菌の増殖を抑えるために、乾燥させておくことが必要です」と強調する。
お洗濯マイスターの技を使って、ニオイや菌を撃退してみよう!
【教えてくれたのは…】
お洗濯マイスター・大貫和泉さん
消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理専門士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。2児の母親としての経験と研究活動を融合し、主婦・母親・女性目線で日々のお洗濯に役立つ情報を発信している。
ハンドタオル一枚で十分なのでバスタオルは使わない。