「歩幅広い人は認知症なりにくい」医師が語る“健脚”のカギ

「歩幅広い人は認知症なりにくい」医師が語る“健脚”のカギ

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健康な足でいつまでも元気に歩くため、基本となるのは、ふだんの正しい姿勢と歩き方だ。「たかが姿勢」と甘くみてはいけない。悪い姿勢は一日二日でできるのではなく、体のアンバランスや弱い箇所をカバーするために年月をかけて積み重なってできたもの。

そして、その歪みが筋肉や関節の骨に負荷をかけたりすることで、肩こりや腰痛、関節痛を引き起こす原因となる。裏を返せば、正しい姿勢を維持することで、筋肉への負荷が軽減され、運動機能の改善にもつながるのだ。

国立環境研究所(前職・東京都健康長寿医療センター)の谷口優先生は次のように指導する。

「正しい姿勢とは、背すじを伸ばし、骨盤が立った状態をいいます。頭を上から糸でつられるようイメージすると、この姿勢がとりやすくなります。すると自然と猫背や反り腰が直ります。その姿勢で、歩くときには、お尻の穴をキュッと締めて、腕を前にではなく、後ろにスッと前に出ます」

慣れてきたら、ひざを伸ばしてかかとから着地し、骨盤を上下左右に動かさずに前方へ移動するということも意識してみよう。

正しい姿勢で歩くためには背中、お尻、足の筋肉も必要で、筋力が不足しているとすぐに姿勢が悪くなったり、疲れてしまう。よい姿勢を保つことは、それ自体が筋トレにもなるのだという。

「また、胸を張る姿勢は、肺に酸素をたくさん送り込みます。酸素が体の隅々の細胞に届きやすくなるほか、顔を上げて歩けるようになって、心が明るく元気になります。血流も改善させる効果が期待できますし、見た目も若返りますよ」(谷口先生・以下同)

さらに、谷口先生が注目しているのが“歩幅”だ。

「歩幅が広いと、足の健康だけでなく脳にもよい効果があります。広い歩幅とは、足を一歩踏み出した際、後ろにある足のつま先から、前の足のつま先までの距離が『65.1センチ以上』あること。大まかな目安は、横断歩道の白線をきれいにまたげるかどうかです。歩幅が広い人は認知症になりにくいということが報告されています」

歩くことは下肢だけでなく全身の筋力アップにもなる。また振動が骨の健康にも効果的で、骨粗しょう症の予防にも。さらに認知症の予防にもなるなどメリットが多数ある。谷口先生自身、臨床の現場でそれを実感しているという。

「患者さんをみてきて、歩幅が5センチ広がれば5歳、10センチ広がれば10歳若返る、というほど見た目の若返り効果を期待できると思います」

横断歩道を渡る際、歩き方と、自分の歩幅に注意してみよう。

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