これまでにない没入感が味わえる!? 話題の「メタバース」を徹底解説

エンタメの常識を覆す、話題の「仮想世界(メタバース)」を徹底解説!

現実と変わらない生活をデジタル上の世界でも。


最近、耳にすることが増えた「メタバース」という言葉。でも、そもそもの意味や、そこでできることなど、よくわかっていないという人も多いはず。

「メタバースとは、SF小説『SNOW CRASH』の中に仮想空間を意味する言葉として登場しました。今は、現実とほぼ同じように生きていくことができるデジタルな世界を指すことが多いですが、厳密な定義はされていません。人によって捉え方は様々ですが、三次元のインターネットともいえるかもしれません。3DCGのデジタルな世界があり、プレイヤーがアバターとしてその世界を体験できること。コミュニケーションを中心としたアクティビティが楽しめ、また、現実と同じような経済圏が存在することは、共通している事項だといえます」(Mogura代表・久保田瞬さん)

「デジタル上で暮らす時間が、フィジカルよりも長くなるようなイメージをしてもらえるとわかりやすいかもしれません。全世界の誰もがアクセス人数制限なく、デジタル上の同じ空間に集まれることも大きな特徴です。また、現在のインターネットと大きく違うのが、モノを所有するという概念です。たとえば現実世界で購入したスニーカーは、世界のどこへでも履いていくことができます。それが、インターネットでは、フェイスブックのフォロワーをツイッターのフォロワーにはできないし、ゲーム『フォートナイト』の中で購入したスキンは、そのゲームでしか使えません。でも、メタバースでは、そこがオープンになり、リアルな世界と同様にモノを所有できるように。最近は、デジタル世界でのアイテムの価値が、フィジカルより高くなる瞬間も出てくるといわれています」(「Off Topic」主宰・宮武徹郎さん)

ここでは、『フォートナイト』などで体験できるメタバースの現在地を紹介。私たちの生活が根本的に変化する時に備えよう!

「仮想世界(メタバース)」ではこんなことができるんです!


1、わたしらしさは「スキン」で表現


「たとえば、オンラインゲームの『フォートナイト』では、操作するキャラクターがスキンと呼ばれるコスチュームを身につけます。これはパフォーマンスには一切関係なく、あくまで自己表現のためのファッション。売り上げは毎年4000〜6000億円とも。こうした傾向がより主流になりそうです」(宮武さん)

2、「バーチャルライブ」は異次元の領域へ


「現状、バーチャル空間で行われるライブは、一度開催されて終わりです。それが今後、全世界の人が常にアクセスできる、アーティストの街のような場所が生まれることになりそう。そこにはファンが集ったり、たまにアーティスト本人がやってきて、ライブなどのイベントを行うことができます」(宮武さん)

3、世界観に没入する「ストーリーリビング」


「アニメや映画などの映像作品を観るだけでなく、その世界に人が入り込み、物語の疑似体験ができる『ストーリーリビング』を目指す企業があります。実現すると、作品の中に入り込み、キャラクターと話すなど交流ができるように。これまでにはない没入感が味わえるはずです」(久保田さん)

4、触って育てる「バーチャルペット」


「バーチャル空間で触覚を再現するハプティクスという技術を使うことで、たとえバーチャルのペットであっても触れることができ、たとえば猫のふわふわとした感触などを味わうことができます。また、実在する生き物に限らず、自分が想像した好きなペットが作れるような時代がやってきます」(宮武さん)

5、待ち合わせは「ワープ」で


「メタバースの世界では、ワープのような概念と言葉が当たり前のものになるのでは。たとえば、映画館で待ち合わせとなった時、時間をかけてそこに行くのではなく、VRのヘッドセットなどを身につけることで瞬時にメタバースの中で集合できるように。人との会い方が根本的に変わります」(久保田さん)

メタバースって何? 超基礎Q&A


なんでいまメタバースが流行ってるの?


「デジタルな世界へ行ったり、そこで暮らす感覚を得られるようなVRやARと呼ばれているデバイスの開発が進み、実現に近づいていることが一つです。また、ネットワークやCG、コンピューターの情報処理などの技術が飛躍的に向上したことも挙げられます」(久保田さん)

「コロナ禍でゲームを遊ぶ人が増えたり、バーチャル世界に飛び込んだ企業が多いことも要因では。そんな需要を理解してフォートナイト内でバーチャルライブが開催されるなど、勢いは加速したはずです」(宮武さん)

メタバースは誰が作るの?


「研究者や政府が動いて作ったインターネットと違い、メタバースは複数の企業が作っています。主要なプレイヤーとしては、Metaや『フォートナイト』を手がけるEpic Games、Apple、Snapchatなどがあります。ただ、現状、指揮をとるような存在はおらず、使用するファイルの形式も様々。たとえばインターネットのJPEGのように、形式や規格を統一したり、様々なプラットフォームで使えるようにすることが課題です」(宮武さん)

わたしたちが注意すべきことは?


「体験するデバイスによって没入感が全く異なる点に注意。同じ内容でも、スマホなど画面を眺めるだけのデバイスと比べて異次元の体験になります。また、仮想空間上であり、アバターを使用しているとはいえ、人と人がコミュニケーションをとるという点では現実と変わらず、何をしてもいいわけではありません。実際、異常に顔を近づけてくるような嫌がらせ行為や、セクハラ被害に遭った人もいます」(久保田さん)

久保田 瞬さん 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省し環境白書の作成等に携わる。VRやARが社会を変えていく無限の可能性に魅了され、株式会社Moguraを起業。VR/AR/MR/VTuber総合ニュースメディア「Mogura VR」編集長を務める。

宮武徹郎さん 米国を中心にスタートアップやテクノロジー、VCに関する最新ニュースをPodcastやニュースレターで配信する「Off Topic」を運営。Off Topicでのメディア/コンサル事業とともに、エンジェル投資や投資支援も行う。

※『anan』2021年12月29日‐2022年1月5日合併号より。イラスト・LUCA TIERI 取材、文・重信 綾

(by anan編集部)

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