太ると知りながらやめられない…その食欲、脳が生み出す“ニセの食欲”かも!?

夜中のテレビの飯テロに抗えず、食べてしまう。仕事中に口寂しくなることが多い。満腹なのに袋菓子を食べる手が止まらない。夕方は疲れるので、チョコで糖分を補給する…。実はそれらはすべて、脳のせいだった!?

脳が生み出すニセの食欲にだまされない!


太ると知りながらやめられない上記のような行動。意志が弱いと自分を責めがちだが、「そうではなく、実は脳の設定ミスが原因です」と、作業療法士の菅原洋平さん。例えば仕事中に口寂しくなるのは、

「脳の疲労を体の疲れと勘違いして、エネルギーを補給しろ、と脳が誤報を出すから。ずっと食べ続けてしまうのは、脳が、食事の始まりと終わりを把握できていないためです」

脳の誤った設定に従って食べていると単にカロリーオーバーになるだけでなく、

「生体リズムが乱れ、生物学的に脂肪がつきやすい時間帯に食べることが多くなってしまいます。睡眠も阻害されるので、熟睡中に分泌される、脂肪燃焼作用のある成長ホルモンの恩恵を受けられず、太りやすい体に」

下のチェック項目に1つでも当てはまるものがあれば、脳の誤作動で“食べさせられて”いる可能性大。そこから脱するには、「脳の疲労を防ぎ、満腹感や空腹感への感度を保って」と、脳内科医の加藤俊徳さん。

「睡眠を軸に生体リズムを整えながら、脳の領域をまんべんなく使うと、脳は疲れにくくなります。また脳は、睡眠や運動などの欲求を食に置き換えて満たそうとしがち。食べること以外の“ごほうび”も大事です」

そこでここでは「食べたがる」脳をリセットするための方策を、時間帯別に紹介。

「脳は、習慣を変えるのが苦手な器官です。急に食事を減らしたり激しい運動をするのは逆効果。普段の行動の時間や場所などを変えてリズムを整え、脳からのニセの食欲を防ぎましょう。食べすぎたら、“何がきっかけか”などと客観的に振り返る材料にすればOK。脳は別人格、くらいに思って臨むことが、ダイエットを成功させる秘訣です」(菅原さん)

誤作動危険度チェック


食後に眠くなったり、午後から元気になる人は、生体リズムに沿った食事ができていない可能性大。「PC作業中もスマホを見るなど、絶えず何かしていたい人は、行動のすき間を食べることで埋める傾向が」(菅原さん)

食事時間がコロコロ変わる。最近、空腹感を感じていない。毎食後、眠くなることが多い。PC作業中に、ついスマホをチェックしている。甘いものを食べないと元気が出ない。悩みがある時に食べてしまう。午後にならないと調子が上がらない。やることがあるわけでもないのになんとなく夜更かしする。

痩せ体質を作る“朝の習慣”


脳疲労を防ぐには、一日のスタートが肝心。脳をゆるりと覚醒させ、体のリズムとシンクロさせて。

朝起きたら、窓から1m以内の場所に立つ。


夜の眠気をもたらして深い睡眠に導くホルモン「メラトニン」。

「日光を浴びて16時間後に分泌されるので、朝のうちに光に当たることが大事。起きたら、すぐに窓のそばへ。朝テレビをつける習慣があるならリモコンを窓の近くに置くなど、動線を工夫するのもよいでしょう」(菅原さん)

スマホは、用事をひとつ済ませてから。


タイミングに気をつけたいのが、朝のスマホのチェック。

「朝一番で、予期しないニュースや仕事のメールを処理するのは、脳には大きな負担。スマホを見るのは、シャワーを浴びるなどしたいことを最低限ひとつ済ませてからにして、自分のペースで一日を始めましょう。スマホを時計代わりにしている人は、別に時計を用意して」(菅原さん)

朝コーヒー派はハーブティーに替える。


「カフェインは、意外と長い時間脳にとどまります。睡眠時に残っているとごく短い覚醒を繰り返しもたらし、熟睡感を妨げる原因に。コーヒーを嗜好品として楽しむなら別ですが、なんとなくコーヒーを選んでいるのなら他の飲み物に替えたほうが痩せやすい体質に。まずは朝の一杯を、ハーブティーなどに置き換えてみましょう」(菅原さん)

駅までの通勤路は、お尻を締めて歩く。


「通勤で駅まで歩く時間は、脳のいろいろな分野を満足させる好機。周囲の風景にも目を配りながら歩き、感情や運動を司る分野を覚醒させましょう」(加藤さん)

この時、お尻を締めながら歩くとさらによいことが。

「骨盤内の、脂肪燃焼を促す褐色脂肪細胞を増やせます。寒い時に増えやすいので、この時期にぜひ」(菅原さん)

菅原洋平さん 作業療法士。脳の機能を生かした人材開発を手がけるユークロニア代表。著書に『働く人の疲れをリセットする 快眠アイデア大全』(翔泳社)ほか。

加藤俊徳さん 脳内科医。脳の機能を部位(脳番地)に着目して鍛える方法を提唱。近著に『勝手に“やせ体質”に変わる!ダイエット脳』(学研プラス)。

※『anan』2022年1月26日号より。イラスト・いいあい 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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