なりたい私のはずなのに…「他人がうらやましい」と思った時の対処法

現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、仕事に自分磨きに忙しい32歳バリキャリ独身女性。久しぶりの同窓会に意気込んで参加するも、友人の所帯じみた姿を見て…。三松さんが、他人を見て自分の幸せが揺らいだ時の対処法を教えてくれます!

希子(32歳)「なりたい私」のはずなのに、未来のビジョンレスで迷子になりそう


【レスなひとびと】vol. 151

休日の午前中はジムでのトレーニング。エアロバイクを漕ぎながら汗噴出! 努力の甲斐あって縦割り腹筋の引き締まったボディライン。今日は渋谷の映える店で大学時代のサークル仲間との同窓会だ。

卒業して10年。ここ5年は誰にも会っていない。久しぶりに会う友人たちに「仕事中毒でオバちゃん化した」なんて思われないよう気合を入れたメイク。

もともとネイルもまつ毛も月イチでメンテしている。常にばっちりなワタシ。頑張って働いてて本当によかったと思う。自分投資へのお金があるからなんでもできる!

「希子、久しぶりー」

「わ〜みんな久しぶりだね」

笑顔であいさつを返すが、目がついマユリに引き寄せられてしまう。

マユリ。希子と同じく四国から有名私大にやってきて、垢抜けようと必死でがんばった同志だ。就職も協力しあって二人とも大手メーカーからの内定をもぎとった。当然、マユリは第一線で働いていると思ったのだが。

目の前のマユリは、メイクもせず、髪をひとつに束ねてなんだか地味。じっと見つめてしまった。

「おばさんっぽくなってびっくりしたでしょ」

マユリが、困ったような顔で笑う。

「ええっ、そんなことないない…」

急いで言い訳。

「4年前に結婚したって話はしたよね。今は1歳と3歳の息子がいて。毎日あわただしくってさ」

そういえば、そうだった。仕事が忙しくって「今度詳しく聞かせて」と言ったきり、近況を聞けていなかった。

「夫は茨城の人で、地元で空手の先生をしているの。時間はあるから家のこともしてくれるし、地元だから義理の両親もいるし、なんとかなってるって感じかな。とはいえ、第一線で働くのは諦めたけどね…」

ポツポツ話すマユリは、10年前と違って野暮ったい。地元量販店で買ったかのような服。

それなのになんだか自信がある笑顔。なんだ、あのハッピー感は。

帰宅後。部屋でミニワインを飲み直しながら、彼氏の直哉と電話。

「同窓会どうだった?」

「いや、当時仲良くしてたマユリがね、マイルドヤンキー旦那と結婚して、急に所帯染みちゃっててさ」

「そうか。でも、人の夫を悪く言っちゃダメだってー」

それとなく、咎められてしまう。お仕事邁進中の直哉は結婚なんて遠い先のことのように考えている。希子はさりげなく「プロポーズしてよ」視線を送っているが、「僕たち、今の会社でキャリアアップしたらもっといい企業から誘われるよ」と仕事のステージでの昇進の話ばかり。

満ち足りた生活をしているはずなのに、垣間見えた他人の生活と自信に気持ちが揺さぶられてしまう。それが、マユリだったからこそよけいに。

「仕事と結婚の両立ってむずかしいのかな」

希子には未来のビジョンが、見えない。

「あああ、このままでいいのかな」

“生涯未婚率増加中”のwebニュースを読みながら、頭を振る希子であった。

【三松さんからのコメント】

他人の幸せを見て、自分の幸せがゆらぐ。‟同窓会あるある”ですね。SNS上で見えるリア充は「盛ってるっしょ」「毎日こんなことしてるわけない」と斜め目線で見る人もいるでしょうが、リアル対面は、醸し出す空気感と表情の変化がクッキリわかりますからね。

「幸せな人は、ハッピー満載の空気をアウターで羽織っている」と言っても過言ではない。なんなら、肩の上に天使が飛んでないか? とハッピー感はんぱない。

メイクとか流行りの服とか関係なく、し・あ・わ・せ。

一度の人生、同時にすべては選べない。どっちを選べば幸せかなんて、自分で決めるものだから。

希子さんは、ふと見えた「子どもがいる家庭」にひっぱられ、それが目指すべき幸せかもしれないと思ったのか。「洗練されたバリキャリへの憧れ」が、いつのまにかガンコなこだわりになり、身動きが取りづらくなってしまっているのか。

結婚しても夫婦でバッリバリ働き続け、二人だけの幸せにひたるカップルもいるじゃない。産後も、うまく家事代行や保育園に頼りつつ、そのまま仕事を続けるひとがスタンダードになっているし。幸せの形はさまざま。かなえる方法もさまざま。

まわりに惑わされてはダメです。

地元友達マユリさんは希子さんの人生の分岐点に立つ「ミチシルベ」。大事にしよう、地元友達。

「ビジョンレスで、迷子の気分のあなた。ミチシルベを探してみよう。それは友達なのか、本なのか、趣味の場なのかわからない。ミチシルベはどこだと意識していれば見えてきます」

三松 真由美 恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。

©Nomadsoul1/Gettyimages

文・三松真由美

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