寝不足や月経前は食べ過ぎちゃう…「睡眠の質を高め食欲を抑える」方法 #172

厳しい暑さが続いています。睡眠はしっかり取れていますか? PMSは酷くなっていませんか? 中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、睡眠不足や月経前は、食欲の増す人が多いそう。そこで愛先生が、「快眠」と「食欲コントロール」をテーマに解決策を教えてくれます!

猛暑の夏、月経前に食べ過ぎていませんか?


【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 172

蒸し暑いから、ついでに食欲が落ちれば痩せるのに…でも、そんな気配はなく、むしろ食べ過ぎてしまって困っている…と感じている人はいないでしょうか。夏バテで食べられなくなり痩せてしまう人の方がレアなのかもしれませんね。

睡眠と食欲は密接に関係しているのですが、ムシムシして寝苦しい日が続き、寝つきが悪くなったり、エアコンが効きすぎて早朝に起きてしまったりと睡眠時間が減少してはいないでしょうか。睡眠が十分にとれていない人は、食欲を抑えにくくなってしまう傾向があるのです。

さらに、PMSの影響で月経前に食欲を抑えられなくなることが多い人は、この時期いつもよりも過食に走ってしまうかもしれません。そこで、今週は月経前の過食対策となる食薬習慣を紹介していきます。

今週は、月経前の過食対策となる食薬習慣


夏になって、太り始めてしまったということはないでしょうか。腕や足など露出が増えたり、腰回りがタイトな服が増える夏に太り始めることは避けたいことですが、暑くて運動もしたくないし、食べることを控えることも難しく感じてしまうこともあると思います。

とくに、蒸し暑いと寝つきが悪く睡眠不足になってしまうこともあると思いますが、睡眠不足は食欲を増進させてしまいます。睡眠時間が短いと、食欲を抑えるレプチンというホルモンが減り、食欲を増進するグレリンというホルモンが増えてしまうからです。さらに月経前にはプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えますが、これにより体に栄養を蓄えようとするように働くため食欲が増していきます。

漢方では、貧血傾向、栄養状態が悪いなど『肝血』が不足した状態であったり、神経過敏でイライラが爆発しやすい『肝火上炎』の状態であるときに、睡眠の質が低下しやすく、PMSの症状を感じやすくなると考えます。そこで、今週は『血』を補い『肝火』を抑える食薬習慣を紹介します。食べるとよい食材・メニューは、【イカとトマトのバジルソテー】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー: イカとトマトのバジルソテー】


作り方は、輪切りにしたイカとカットしたトマトをニンニクとオリーブオイルで炒めて、火が通ったら塩やブラックペッパーで味を整え、バジルをあえたら完成です。

【イカ】


睡眠の質を高める『グリシン』という成分が多く含まれています。また、高タンパク、低脂質、ビタミンB群、タウリン、ビタミンE、DHA、EPAなどが豊富なため、心を安定させる『血』やエネルギーを作り出すミトコンドリアを活性化させる『気』などを補う働きがあります。さらに、アスパラギン酸や、ベタインなどの旨味成分も豊富なため、塩や醤油などシンプルな味付けでOKな食材です。

【トマト】


夏野菜の代表的な存在トマトは、体にこもった熱や炎症を抑える『肝火』を抑える働きを持つクエン酸やリンゴ酸を含んでいます。さらに、抗酸化作用の高い、ビタミンACEとリコピンも多いため夏の紫外線疲労や日焼けによるダメージケアにも役立ちます。

イカとトマトに、香り高く『気』の巡りを改善するバジルを合わせることで、より感情のムラを和らげるために役立ちます。自分でコントロールしづらい心と体の不調が起きたときには、まずは食事・睡眠・運動量などの基本的なことの見直しをすることが改善の近道だったりします。

食欲が止まらないときは、意外と栄養不足により起こっていることも多いです。偏食になっていないか振り返ってみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information


大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。公式LINEアカウント@aika

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。

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文・大久保愛

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