「了解です」は目上の人に使える? ビジネスシーンで役立つ“敬語表現”12選

ビジネスシーンでは、状況に応じて適切な言葉を選ぶ必要が。「尊敬語は、相手を立てる時に使う言葉、謙譲語は自分がへりくだる時に使う言葉、丁寧語は、『です』『ます』など、相手に敬意を表す時に用いる丁寧な言葉です。きちんと使い分けしつつ、様々な言い回しを覚えておくと、よりスマートな言葉遣いができるようになります」(言語学者・金田一秀穂さん)

自分と相手の立場がカギ! シチュエーション別敬語。


お疲れさまですいつもお世話になっております「お疲れさまです」は主に親しい間柄の人に使う言葉。「仲間言葉のひとつなので、外部の人に使うと失礼にあたります。最初は一番丁寧な言葉を使い、少しずつ距離が縮まってきたら『お世話さまです』もありです」

(自分の上司)部長の××さんもいらっしゃいます部長の××も参ります外部の人とやり取りする場合、自社の人間は身内にあたるため、上司であっても敬称は不要。「さらに『いらっしゃる』ではなく、謙譲語の『参る』を用います。もちろんメールも同様。社内の人とのやり取りは、××部長でOKです」

了解ですかしこまりました「了解」は、目上の人が目下の人に許可を与える時に用いられる。「『目上の人と関係性がしっかりできていれば使うのもありですが、ふさわしいとはいえません。『かしこまりました』のほかに、『承知しました』もよく使われます」

本日はお伺いいただきありがとうございます本日はお越しいただきありがとうございます「行く」の謙譲語が「伺う」で、尊敬語が「お越しになる」。『相手に来ていただいているので、この場合は『お越しいただき』を使います。また『お伺い』は二重敬語になるため、自分が行く場合は『伺います』が正しい使い方です』

こちらつまらないものですが、どうぞお納めくださいお口に合うかどうかわかりませんが、どうぞ召し上がってください/心ばかりの品ですが、どうぞお受け取りください間違いではないが、最近は「つまらないもの」という表現はあまり使われない傾向にある。「へりくだった表現ですが、『つまらないものをくれるの?』と思う方もいるので、相手に喜んでもらえるような言葉をチョイスしましょう」

この度はご協力いただき、大変助かりましたこの度はご協力いただき、誠にありがとうございますこちらも間違いではないが、「助かる」という表現はねぎらいの言葉にあたるため、社外や目上の人にはあまり使わない。「手伝ってもらったのに、感謝の言葉が少し上からな物言いなので、素直にお礼の言葉を述べるのが妥当でしょう」

取り急ぎお礼まで取り急ぎお礼申し上げますとりあえず急いでお礼のみ伝えたいという意味合いで、メールでよく用いられる便利なフレーズ。「『まで』と文末を省略していることで、失礼な印象を与える場合があります。身内ならOKですが、外部の人に使うのは避けましょう」

くれぐれもどうぞよろしくお願いいたしますどうぞよろしくお願いいたします懇願する際に使用する「くれぐれも」は敬語ではないため、社外や目上の人に使うのは避けたい。「少々馴れ馴れしさを感じる表現です。相手と個人的な付き合いがあるならば使っても許されますが、あまりお勧めしません」

ご承知おきくださいご了承いただけますでしょうか「ご承知おきください」をわかりやすく言い換えると、「知っておいてください」になる。「伝達事項を伝える際に用いるならともかく、こちらの申し出や事情を理解してほしい時に使うなら、『ご了承』に換えて、お伺いを立てるべき」

ご要望にはお応えできません今回はご期待に沿えませんでしたが、また何かございましたらお申し付けください今後もお付き合いを続けたいなら避けたいフレーズ。「『ご要望にはお応えできません』は相手との関係を遠ざけたい時に有効ですが、そうでない場合は角が立つので、次に繋がるような言葉で締めくくると、印象がぐんと良くなります」

お手間をおかけしますお手数をおかけします「手間をかける」は、自分の時間や労力を費やすという意味なので、相手の労力に対して使うべきではない。「『手数』は他人のためにかける手間という意味なので、へりくだった表現として妥当です」

以後気をつけます今後このようなことがないよう、適切に対処いたします謝罪やお詫びする際のフレーズ。「『以後気をつけます』は、感情が全く乗っかっていないので、反省していないように思われる可能性が。『適切に対処いたします』を、『全力で努めてまいります』に置き換えても誠意が伝わります」

金田一秀穂さん 言語学者、杏林大学外国語学部教授。金田一京助氏、春彦氏に続く、日本語研究の第一人者。『日本語のへそ』(青春出版社)、『金田一秀穂の心地よい日本語』(KADOKAWA)など、著書多数。

チコちゃん 人気番組『チコちゃんに叱られる!』毎週金曜19:57~(NHK総合)でおなじみ、永遠の5歳の女の子。新感覚舞台『チコちゃんに叱られる! on STAGE ~そのとき歴史はチコっと動いた!~』が映画版となり、10月7日より全国ロードショー。©NHK

※『anan』2022年10月5日号より。写真・北尾 渉 取材、文・鈴木恵美

(by anan編集部)

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