「男に媚びる友人がウザい」 脳科学から考える“嫌いな人”との向き合い方

脳科学者・中野信子さんが指南する、“嫌い!”を味方に変える運用法。“嫌い”という感情と、具体的にどう向き合い、どう運用していったらいい? ここでは、“嫌いな人”に対するアプローチを伝授! 嫌いな人のどこが嫌いなのか、何が苦手なのかを分析すると、知らなかった自分のコンプレックスや得意なことを発見できるかも。

CASE1:自分を攻撃してくる上司が怖い。


ANSWER:どうすればよくなるか、直接アドバイスを求めるのが。職場の関係は適切な距離を取りにくいので、せめて自分への攻撃が減るように動くのが得策。といっても、あなたのしていることは間違っていると上司に指摘するのではなく、どうすればよくなるか具体的なアドバイスを求めるのです。人は「自分は正しい」と思いたい欲求を持っています。自分のアドバイスが相手の役に立ち、感謝や称賛という「社会的報酬」が得られると、脳がドーパミンを大量に分泌して強い快感を覚えます。「自分のアドバイスが役立った、自分は正しいことをした」という快感により、攻撃する目的がなくなるでしょう。

CASE2:怠けグセのある後輩にイライラする。


ANSWER:ひょっとしてあなたも後輩と同じ欠点があるのでは?嫌いな人の嫌な部分が、自分にもないかと考えてみるのは、“嫌い”をうまく活かす方法のひとつです。このケースもまずはその線を分析してみてください。誰でも自分の欠点を指摘されるのは嫌なもの。同じ欠点を持つ人と会うたびに自分の欠点を見せつけられるようで、嫌悪を感じてしまうんですね。自分の怠けグセを許せないから、後輩の怠けグセも許せないわけですが、まずはその自己嫌悪、同族嫌悪のメカニズムに気づきましょう。そして、自分に似た人が嫌いだと思ったときこそ、自分をいい方向に変えていくチャンスでもあるのです。

CASE3:成績はイマイチなのに、世渡り上手で出世する同僚が妬ましい。


ANSWER:妬みから、自分の本当の望みを知って成長へのモチベーションに。自分と近い条件の相手との間に不公平を感じると、妬みの感情が起こり、そのことに嫌悪感や罪悪感を覚える人も少なくありません。でも、この感情を解消しようと、相手の足を引っ張って引きずり下ろそうとするのはNG。妬みの理由を冷静に分析してみると、自分が本当に望むものが見えてくるはず。妬ましく思うポイントをリストアップして、「自分がその人よりどうなれば満足できるのか」を整理しましょう。たとえば成績でも対人関係でも、ここでは絶対勝ってみせる、という「妬みを晴らすゴール」が決まれば、あとは努力あるのみです。

CASE4:男に媚びる友人がウザい。


ANSWER:なぜ嫌なのかを見極めて。割り切ることも時には必要。男に媚びる女友達の、どこが嫌なのかを考えてみましょう。自分もモテたいのに媚びるのが苦手だからなのか、媚びが仕事で有利に働きイラッとするのか、自分のパートナーを取られそうで不安なのか…。まずはそこをクリアにして、もし自分の身に危険を感じるなら離れるべきです。ただ、生きる上でその戦略をとっているのには、その人なりの事情があるものです。自分とは考え方、生き方の違う人間だと割り切ることも時には大切なこと。彼女のその部分は直るわけではないと思うので、あえて友達でい続けなくてもいいかもしれませんよ?

中野信子さん なかの・のぶこ 脳科学者、東日本国際大学特任教授、医学博士。TV番組など様々なメディアで活躍している。『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『ペルソナ 脳に潜む闇』(講談社)など著書多数。最新刊は『「嫌いっ!」の運用』(小学館)。

※『anan』2021年2月24日号より。イラスト・SANDER STUDIO 取材、文・山本淑子

(by anan編集部)

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