弘兼憲史×池上彰「オトナの人生相談」(4)健康維持の秘訣があった?

弘兼憲史・池上彰対談

─70歳を過ぎてもお二人は現役でバリバリと活躍していらっしゃいます。健康面で気をつけていることはありますか。読者が気になっているのはお二人の「健康の秘訣」です。

弘兼 実はお教えできるような秘訣はないんですよ。「まあいいか」の精神でストレスを溜めずに日々過ごすことでしょうか。池上さんも毎日忙しくされていますが、体調面はいかがですか。

池上 おかげさまで、もともとストレスが溜まらないほうなので大丈夫です。

弘兼 えっ、それだけ仕事をしていてストレスが溜まらないんですか。

池上 はい、いやな仕事は受けない。だから、今日ここへ来ているというわけです。

弘兼 ありがとうございます。平均睡眠時間はどのくらいですか。

池上 6時間くらいですね。

弘兼 僕は4時間半から5時間くらいがベストです。自分のルーティンを言うと、9時頃に目覚めて、仕事場に入るのがお昼過ぎ。それから12時間以上、事務所で漫画を描いていて。夜中2時くらいに仕事場から家に帰宅します。ワインを抜いて、深夜のテレビを見ていると4時くらいです。

池上 私の場合は、朝8時50分から大学の授業を開始して夕方に終わったら、ひたすら原稿を書くという毎日です。寝るのはだいたい午前4時。空がだんだん明るくなってくるんですよ。

─お二人の年齢になると、夜早く寝て朝早く起きる人が多いらしいですが。

池上 らしいですね。同期に話を聞くと、夜、布団に入ってもなかなか眠れないとか、朝5時に目が覚めて寝られない、とか言うんです。私たちは4時に寝るんですから、布団に入った途端、意識を失いますよね(笑)。

弘兼 そうそう。僕もまったく一緒です。でも今の若者は早く寝るらしいですよ。深夜放送を聴く若者は極めて少ないと聞きました。NHK「ラジオ深夜便」は寝付けないお年寄りか、早起きのお年寄りが主なリスナーだとか。

池上 ラジオに限らず、テレビも同じです。テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」が23時から22時に放送時間を繰り上げたのは、ビジネスパーソンが23時には寝てしまうから。別にテレビ朝日の「報道ステーション」をライバルに考えたわけじゃないんです。本来のターゲットであるビジネスパーソンが寝てしまうから、番組編成を考えたんでしょう。

弘兼 僕らの学生時代は、受験勉強をしながらみんなラジオを聴いていました。

池上 私は「オールナイトニッポン」の放送開始の第一回を聴きました。パーソナリティは糸居五郎さん。

弘兼 「ゴーゴーゴー」っていうやつですね。

弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒業。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年に「風薫る」で漫画家デビュー。84年に「人間交差点」で小学館漫画賞を受賞。91年「課長島耕作」で講談社漫画賞、講談社漫画賞特別賞、00年「黄昏流星群」で文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、03年日本漫画家協会賞大賞を受賞。07年には紫綬褒章を受章。「男子の作法」(SBクリエイティブ)など著書多数。

池上彰(いけがみ・あきら)1950年、長野県生まれ。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部でさまざまな事件を担当。94年より11年間、「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍。05年にNHKを退社、フリージャーナリストとして多方面で活躍。16年4月から名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、関西学院大学、日本大学、順天堂大学、東京大学などでも講義する。「伝える力」シリーズ(PHP新書)、「私たちはどう働くべきか」(徳間書店)など著書多数。

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