ゆいレールよりはるか南に鉄道があった!そのワケとは?

南大東島のシュカ?ートレイン

 日本最南の鉄道路線は鹿児島中央〜枕崎のJR指宿枕崎線、モノレールを含めると那覇空港〜てこだ浦西を結ぶ沖縄都市モノレール(ゆいレール)になる。だが、それより緯度が南の南大東島には、鉄道も駅も存在しないのに島のあちこちに線路が残っている。

 この島は隣接する北大東島を除けば、160キロ先に無人島が1つあるだけ。沖縄本島からも400キロ離れたほぼ絶海の孤島だ。

 島の面積は渋谷区の約2倍。端から端まで歩いて移動するにはあまりに広い。そのため、島民の交通手段として鉄道が敷設されたのかと思いきやそうではないようだ。

「南大東島は昔も今もサトウキビの一大生産地で、現在も島の耕地面積の9割を占めているほど。実は、港までの運搬用として線路が島じゅうに張り巡らされていたんです」

 そう語るのは沖縄の離島事情に詳しいライター。南大東島の開拓が本格的に始まったのは20世紀に入ってからだったが、1902年には早くも2.6キロの軌道が完成。ちなみに当時はトロッコを人力で押していたそうだ。

 すると、サトウキビの生産拡大や島民の増加に伴い蒸気機関車が登場。あくまで貨物輸送が目的ながらサトウキビ畑や製糖工場で働く作業員の通勤用としてだけでなく島内の事実上の公共交通機関でもあったという。

 その後、太平洋戦争の爆撃で壊滅的な被害を受けるも戦後に運行を再開。しかし、徐々にトラックでの輸送に移行し、1983年に廃止されている。

「2010年代に入って観光客誘致の目玉として復活の話も出ていましたが、十分な費用対効果が得られないとのことで結局中止。それでも実際に使用されていた蒸気機関車とディーゼル機関車、貨車と復元された客車は今も保存されており、島を訪れた人は必ず立ち寄る観光スポットになっています」(同)

 廃止になったとはいえ、離島で鉄道が走っていたのは日本でも珍しい。下手な海外より時間はかかるが、いつか行ってみたいものだ。

(高島昌俊)

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