5年も先の「新1万円札」がなぜこの時期に発表されたのか

2024年度上期をメドに新紙幣の発行を発表 早い段階での発表に消費税増税が関係か

記事まとめ

  • 麻生太郎財務相が、1万円札と5000円、1000円札のお札を刷新すると発表した
  • 早い段階での発表は消費税率アップで景気を冷やすのではないかとの見方があるからとも
  • 「政府が進めるキャッシュレス化のためではないか」という見方が多くでている

5年も先の「新1万円札」がなぜこの時期に発表されたのか

壱万円

「令和」の新元号熱冷めやらぬ4月9日の午前、麻生太郎財務相によって2024年度上期をメドに1万円札と5000円、1000円札のお札を刷新すると発表された。

「新札刷新の発表は前日のフジテレビのスクープを受けてのものでした。ということもあってか、麻生大臣は、『たまたま改元と重なっただけ』とコメントしていますが、誰も真に受けてはいません」(経済部記者)

 新紙幣の発行は偽造防止の観点などからおおよそ20年ごとに実施され、今回の刷新も前回の刷新が2004年だったのでちょうど20年ぶりとなる。ただ、前回の04年の刷新が発表されたのは02年8月で、約2年前。今回は実施の5年前とかなり早い段階での発表となり、しかも改元発表直後というタイミングだった。

「厚労省の統計データのねつ造があって、アベノミクスの内実が問われています。そこへきての消費税率アップは、とんでもなく景気を冷やすのではないかとの見方もある。改元に合わせて景気浮揚策を講じようとの意図は見え見えでしょう」(同前)

 新札の発行を受けてネットでも様々な言論が飛び交っている。「これを機にタンス預金を引き出そう」「政府が進めるキャッシュレス化のためではないか」という見方が多く、納得もしやすい。政府財政がひっ迫する中、通貨単位を引き下げて債務を減らそうという意図、つまり「デノミ」目的との見方もあるが、

「例えば最近では昨年8月にベネズエラがこの政策を取った事例がありますが、成功したとは言えません」(経済記者)

 というように、この説はあまり現実味が感じられないが、可能性が全くないわけではない。一方、現実社会の変化がダイレクトに反映する株式市場はビビットに反応した。

「外部環境に大きな変化がなく材料に欠けて日経平均が小幅に上がる中、個別銘柄では新紙幣関連銘柄が活況でした。紙幣処理機を手掛けるグローリー(6457)や日本金銭機械(6418)などが一時ストップ高でした」(市場関係者)

 社会の変化に最も目ざとい詐欺の世界でも、早くも新紙幣が”活用”される模様。財務省と日銀は、「『現行の日本銀行券が使えなくなる』などを騙った詐欺行為(振り込め詐欺など)にご注意ください」とのアナウンスを出している。

(猫間滋)

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