値上げ敢行でも61億円の赤字に陥った「ヤマト運輸」の悪循環

ヤマト運輸

 7月末に発表した2019年4〜6月期の連結決算で、営業損益が61億円の赤字になったことが明らかになった、宅配大手のヤマトホールディングス。同社は2017年に宅配運賃の値上げを敢行していたことから、赤字状態に株主などからは「何のための値上げだったか!」と失望の声が聞こえてくる。

「ヤマトはネット通販の拡大によって配達員の負担が大きくなり、精神的に追い込まれるケースが急増したことから人員を増やして対応していました。そのために17年10月には個人向け運賃を約15%値上げし、18年9月からは法人に対しても段階的に値上げを進めて20%超の値上げを行っていたのです。ネット上では《それまで配達員にかけていた負担が社の方に回ってきたということ》といった皮肉も広まっています」(経済ジャーナリスト)

 いったい、なぜこのような事態になってしまったのか。

「実際は、ネット通販各社の“ヤマト離れ”が相当響いていると思われます。例えば通販大手のアマゾンは、ヤマトの値上げをきっかけに自社配送網の構築に乗り出している。アマゾンをよく利用する方ならご存知だと思いますが、最近ではデリバリープロバイダという、ヤマトや佐川急便、日本郵便以外の配送業者の集合体が配達をする機会がかなり増えています。ヤマトは大口法人の取扱数量が大幅に減っていますが、これは、アマゾン同様、値上げを機に楽天やヤフーショッピングなど通販大手が離れてしまったことが原因の一つと考えられます」(経済評論家)

 ヤマトは配達員増による人件費増、ネット通販各社の離脱という二重苦から、どう立ち直るのか。

(小林洋三)

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