メディアも煽る「ニセ医学」に騙されるな(1)「デトックス」は要注意ワード

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 ちまたにあふれ返る健康情報。しかしその中には、眉唾どころか「命を縮めかねない」ニセ情報も少なくない。はたして、「怪しげなフェイクニュース」に騙されない方法はあるのか。風邪対策からガン治療まで「ニセ医学」情報の正体をバラす!

「昔から『頭が痛い時に梅干しをこめかみに貼ると痛みが治まる』といった、『おばあちゃんの知恵袋』的な民間療法はたくさんあり、科学的根拠はともあれ、実際に治った人も多くて、それはそれでよかった。しかし、ネット社会になり、誰もが気軽に情報を発信できるようになったことで、『ニセ医学』がカルト化。標準医療を否定した矛盾だらけのトンデモ健康法がはびこるようになり、困ったことにそれに感銘を受けた第三者が、このインチキ情報を一生懸命SNSなどで広めてしまう、という現象が起こっているんです」

 と言うのは、「意識高い系≠ェハマるニセ医学が危ない!」(育鵬社)の著者である五本木クリニックの桑満おさむ院長だ。桑満氏は、ちまたに飛び交う怪しい健康・医療情報≠医学論文をもとに検証。自身のブログで警鐘を鳴らす、「ニセ医学バスター」(以下、コメントは全て桑満氏)なのだ。

 実際、ドロドロの血液を体外に取り出し、オゾンで洗浄することで血液がサラサラになる─。市川海老蔵や高橋みなみなどが自身のブログやSNSでそう紹介した「血液クレンジング(血液オゾン療法)」に、多くの医療関係者から「危険行為」「ニセ医学」との批判が殺到したことは記憶に新しい。

 年末を控えた12月ともなると、ネット上には風邪やインフルエンザ対策をうたった記事が多くアップされるが、これにも「ニセ医学」情報が含まれることも少なくない。

「例えば、蜂蜜の一種であるマヌカハニー。これを食べることでインフルエンザの症状が数時間で改善した、なんていう体験記がありますが、確かに蜂蜜の殺菌効果や効能は医学論文でも報告されている。ただ、インフルエンザはウイルスが原因であり、風邪もその原因のほとんどはウイルス。だから、マヌカハニーなどの蜂蜜にインフルエンザや風邪の予防効果があったとしても治療する力はない。恐らく記事を書いた人物はウイルスと細菌との区別ができていない素人。そんなトンデモ健康医療記事を、これまた素人が読んで、これは効くと信じ込んで拡散してしまう。それが現実なんです」

 さらに健康が気になる読者世代に限らず、サウナ愛好者などもよく使う「デトックス」という言葉も、「健康情報」として扱われている場合には注意が必要なワードと言える。

「『ニセ医学』のベースとして、よく使われるフレーズが『合成添加物など自然でないものを食べ続けていると、しだいに体に毒がたまる。だから、それを解毒させなければならない』というもの。で、デトックスすると腸の壁にこびりついた『宿便』が落ち、数キロ体重が減る、とされています。しかし、医学的にいうと腸の壁は新陳代謝で剥がれ落ちるため、壁に便がたまることはない。つまり、デトックスのために断食した結果、驚くような宿便が出た! というのは単に腸の細胞や胆汁が剥がれ落ちただけのこと。だから、断食などしなくても、ふだんの便に混ざって出されているというわけです」

 まさに、誤解を招くお手軽な「健康商法」が蔓延しているのが今の日本なのだ。

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