「毒舌女王」金与正の“超極秘”素顔「ソウル滞在中の排泄は携帯トイレで…」

金与正

 しばらく不気味な沈黙を守っていた北朝鮮が再び動き出した。その最前線で指揮をするのは、「ほほえみ外交」で一躍脚光を浴びた金正恩委員長の妹・与正氏だ。かつての「クールビューティ」は鳴りを潜め、韓国との連絡事務所を爆破し「南朝鮮はズボンの股を放すことができない」と言い放つ始末。豹変した「毒舌女王」の知られざる極秘正体に迫った。

「鉄面皮な口車を聞くと吐き気をもよおす」

 と韓国の文在寅大統領に向け、嫌悪感を吐露したのは、北朝鮮の金与正氏だ。金正恩委員長(36)の妹として、18年にはトランプ大統領との米朝会談に同行。また、同年に開催された韓国の冬の平昌オリンピックでは、北朝鮮の特使として「ほほえみ外交」を展開した。いわば朝鮮半島の融和の最前線を担う人物として、韓国でもその存在がクローズアップされてきたのだ。

 ところが、ここにきて態度を一変。韓国に対して強硬な姿勢をアピールするほか、労働党中央委員会の第一副部長に任命され、事実上の「北朝鮮ナンバー2」の地位にまで上り詰めたとされる。

 しかも怒りの導火線は、南北境界線近くで脱北者団体がまいた風船ビラが与正氏の逆鱗に触れたようなのだ。外信部記者によれば、

「5月31日に韓国在住の脱北者グループが北朝鮮に向けてばらまいた金正恩体制を批判するビラに対して猛烈に反応。6月4日には党の機関紙である労働新聞に『みずから災いを請うな』と題した抗議声明を発表しました。実行者の脱北者たちに対して『人間の価値もないゴミども』『獣にも劣る人間醜物』と激しく罵ったのです。韓国メディアから『ほほえみの使者』と名付けられた温和なイメージは昔の話。今や『毒舌の女王』として、日を追って言動がエスカレートしています」

 しかも相手を汚く罵るプロパガンダのみならず、6月14日には、

「遠からず役に立たない北南共同連絡事務所が跡形もなく崩れる悲惨な光景を見ることになる」と物騒な予告。2日後の16日に、同施設の爆破が決行されたのだ。

 約16億円をかけて築いた「南北和解の象徴」の崩壊について、東京新聞編集委員の五味洋治氏が解説する。

「文在寅政権の対北政策唯一の成果物を破壊したことから、北朝鮮の韓国政府への怒りの大きさを計り知ることができます。かねてから韓国資本で進めていた金剛山の観光事業や開城工業団地の開発が、核開発を巡る交渉の影響でストップしています。そんな韓国政府に、蓄積していた怒りをぶつけるいい当てつけだったのでしょう。今後も破壊活動や報復ビラのばらまきは続くかもしれません」

 いわば、文在寅政権の足元を見たうえでの爆破であり、今後も与正氏のご乱行は収まりそうにない。

 それにしても、北朝鮮の親善大使とも言える存在だった与正氏が、なぜそこまで怒り狂うのか。その理由は、脱北団体がばらまいたチラシの内容にあるという。

「与正氏が肌着丸出しのM字開脚をして文在寅を誘惑する“フェイク画像”や金正恩氏の出生を揶揄するものなど、金ファミリーを誹謗中傷するものが目立っていたようです。中でも、正恩氏と与正氏の母であり在日朝鮮人だった高・英姫(コヨンヒ)にまつわる出生話を追及するビラにはたいそうご立腹な様子。大阪の鶴橋生まれで『帰胞』として差別の対象だった母の存在は、大幹部でも触れられないほどタブー視されてきましたからね」(外信部記者)

 何よりも血統を重んじる金王朝にとって、血筋を揶揄されるビラこそ、屈辱以外の何物でもない。しかもかつての同胞が、裏切りの矛先を向けたことで、その積もりに積もった「宿怨」が爆発したというのが真相のようだ。

 それだけではない。ここにきて、兄である金正恩委員長の健康不安説も暗い影を落としている。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」の高英起編集長がその権力構造を解き明かす。

「与正氏を次の指導者としてアピールしたいのでしょう。正恩氏の病状については諸説ありますが、心疾患はカテーテル手術を施す程度のもので、今すぐに後継者を擁立するほど危険な状況ではないといいます。ただし、今後も健康不安によるトップ不在が続くのであれば、与正氏をトップに据えた国の運営も視野に入れなければなりません。実質ナンバー2の地位に就いて、指導者としての試運転をしている状態なのです」

 6年前まで表舞台に姿を見せなかった与正氏が一気に「ナンバー2」に就任した背景には、「権力の空白」を作りたくないという北朝鮮の事情がある、と言われる。

「14年に北朝鮮メディアで党の幹部として報道されたことをキッカケに、その存在が世界中に周知されました。ですが、32歳とされる年齢や就いている役職などハッキリと断定できる情報は少ない。正恩氏のサポート役として各国の訪問に帯同している期間が長く、表に出る機会はほとんどありませんでしたから」(外信部記者)

 そんな彼女が一躍スポットライトを浴びたのは、18年2月の平昌オリンピックに特使として訪韓した時のことだ。朝鮮戦争以来の金一族の訪韓には国際的にも注目が集まったが、当局関係者の間だけでひそかに盛り上がったエピソードがあるという。平昌オリンピックを取材したスポーツ紙記者が振り返る。

「2泊3日の滞在中に宿泊したソウルのホテルには髪の毛1本すら痕跡が残っていなかったようです。髪の毛をDNA鑑定にかけられることで、兄である正恩氏の体質や病気のリスクが丸裸になることを恐れたのでしょう。ふだんから、正恩氏の移動で使用する航空機や車には移動式のトイレを設置して排泄物を外部に漏らさないように徹底しています。正恩氏ほどではないにしても与正氏も携帯トイレを利用して自国に持ち帰っている可能性が高いのです」

 北朝鮮にとって、金一族の個人情報こそ「トップシークレット」なのだ。

関連記事(外部サイト)