「有り金置いていって」河野防衛相“自衛隊オークション”は総裁選への布石!?

河野太郎

「有り金ぜんぶ置いていっていただきたい」

 と、河野太郎・防衛大臣が会場を沸かせてそれは始まった。

「厳しい財政下で財源確保」、「F35(米製最新鋭戦闘機・約100億円)1機くらいの収入を」と語る河野大臣の肝いりで、自衛隊で不要になった装備品をオークションにかけるという自衛隊初の試みが、7月26日に東京・市谷の防衛省講堂で行われた。定員は450名で、参加者は定員を超える応募の中から抽選で選ばれた人たちだが、コロナの感染拡大が懸念される中、主催する防衛装備庁の呼びかけで東京都外の在住者は参加を自粛、結果的に176人がソーシャルディスタンスを心掛けて参加した。

 そして陸上自衛隊から出された弾入れからオークションはスタートし、海上自衛隊からは退役した練習艦「やまゆき」の食器盤や表札などが、最後は航空自衛隊の輸送機C1の機内スピーカーなどが出品され、それぞれ競売にかけられた。

 出品された21点はいずれも無事、落札。その総額は581万8000円で、もちろん100億円には遠く及ばず“雀の涙”程度にしかならなかったが、それでも航空自衛隊のヘルメットなどのセットが開始価格3万円の22倍の66万円という高値で売れるなど、好評のままに初の試みは幕を下ろした。

「今回、このような試みが行われたのも、2019年からスタートしている中期防衛整備計画に沿ったものと説明されています。本来の計画では27兆円超かかるものを、厳しい財政下でなんとか25兆円超に留めた予算編成にする。つまり、自衛隊ではいたずらに整備を強化しているのではありませんよ、というアピールのためです」(ジャーナリスト)

 だがこの説明は表向きのもので、実際にはアメリカからの兵器の爆買い批判をかわす“目くらまし”の狙いがあるという。

「1つは6月15日の通常国会の閉会2日前という野党の批判封じとも取れるタイミングで行われたイージス・アショアの配備計画断念です。そしてもう1つは、最新鋭ステルス戦闘機の大量購入です。両方ともトランプの売り込みを呑んだ官邸主導案件とされています」(前出・ジャーナリスト)

 陸上イージスは、北朝鮮から打ち上げられたミサイルを秋田県と山口県に配備したシステムで日本に着弾する前に迎撃、撃ち落とすシステムだ。だが不透明感は拭えなかった。通常なら米海軍が次世代ミサイル防衛システムで選定したレイセオン社製のレーダーが採用されるのが普通だが、陸自イージスではなぜか試作機さえできていないロッキード・マーチン社製が採用されることになっていた。何やら利権の臭いさえする。

 また、短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bが42機導入されるのだが、これは「いずも型護衛艦」に搭載して「空母」にする計画だ。だが本来、ヘリコプター搭載護衛艦なので、空母に転用すれば護衛艦の配備計画は変更を余儀なくされる。

 結局、陸上イージスに関しては、防衛省の資料の誤りや説明ミスから秋田では反発が強まり、代替案が模索されていたものが、配備計画自体が撤回されるというとんだ大チョンボに終わったものの、

「いずれもそんな計画を防衛省側が示すのは不自然。よって官邸主導の案件と見られています」(政治部記者)

 陸自イージスの計画断念には、「週刊文春」に「コネクト不貞」をスッパ抜かれた和泉洋人・首相補佐官の防衛省へのグリップが利かなくなったとの指摘もある。だからオークションは、長期政権の弊害、強引な官邸主導の“愚策”が国民から総スカンを食らってもはや末期と言われる安倍政権が取らせた節約アピールとの見方もできるが、次期総裁選には河野大臣も乗り気だ。となれば、河野大臣の人気取りとも受け取れる。

(猫間滋)

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