Amazonの“やらせレビュー”を撲滅できない裏事情「中国経由で大量の書き込みが」

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 大手通販サイトAmazonで、競合他社の商品に事実とは異なる悪評を書かせて信用を傷つけたとして、福岡市内で健康食品などを扱う通販会社を経営する男性役員に対し、福岡簡裁が信用毀損罪で罰金20万円の略式命令を出していたことがわかった。

「男性役員は仕事紹介サイトで応募してきた40代の女性に、競合他社がAmazonで販売する商品のレビュー欄などに『一粒が大きくて飲みにくかった』などと捏造コメントを書かせたうえで、最低評価の星ひとつとさせたといいます。こうしたレビューが頻発したことから、競合他社の社長が不審に思い被害届を提出したことで事件が明るみに出ました。ちなみに今回の件では、男性役員から40代女性に報酬として500円が支払われていたといいます」(社会部記者)

 通販サイトではこうした他社製品の評価を下げさせたり、自社製品の評価を上げたりする「やらせレビュー」が相次いでおり、テレビニュースで取り上げられるなど大きな問題となっているが、刑事罰が科されるのは非常に珍しいという。それだけに、今回のケースがやらせレビューに対する抑止力になればいいのだが…。

「今回はたまたま投稿者の名を調べたところ、仕事仲介サイトの登録者であることが判明して足がつきましたが、やらせレビューのなかには中国経由で大量に書き込まれているケースもあるため、投稿者を特定するのは非常に難しいのです。Amazonもやらせレビューを排除するアルゴリズムを導入するなど対策をとっているものの、レビュアーに実際に商品を購入させてから(代金はあとで返金される)やらせレビューを投稿させる手法が登場するなど、手口が巧妙化しているため、そう簡単にはやらせレビューはなくならないでしょうね」(ITジャーナリスト)

 今回のケースでは投稿者である40代の女性は諸般の事情を考慮して不起訴となったが、投稿者にも罰が与えられるようになれば、数百円程度の報酬に見合うことはなく、悪質なやらせレビューは減っていくかもしれない。

(小林洋三)

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