国会期間中の残業代102億円!? 霞が関官僚の「働き方改革」が進まないワケ

河野太郎

 菅内閣の目玉政策の1つ、行政改革。河野太郎氏を担当大臣に任命し、その河野大臣は就任早々に慣例の新大臣会見の意義を否定して目安箱を設置。「ハンコをなくそう」と行革の手を打っている。昔から縦割り行政、事なかれ主義のお役所仕事ぶりなど、旧弊ばかりがまかり通る霞が関は独自の世界観で成り立つ。その打破が必要なのは衆目の一致するところ。大いに頑張って欲しいものなのだが…。

 このほど、民間の働き方改善のコンサルタントを行っている「ワーク・ライフバランス」という会社が10月20日に19人の発起人を立てて「霞が関の働き方改革に関する提言」を行い、実現に向けた署名活動を始めたのだが、その提言の内容を見ると、問題は霞が関にあるというよりはどうも永田町の政治家センセイの方にあるようなのだ。

 同社ではこれに先駆け、6月から7月にかけて「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」を行った。その中身を見ると、

《議員対応がある官僚のうち、83%が対面での打ち合わせを求められたためにテレワークができない》

《86%が議員とのやり取りでFAXでの対応を求められた》

 などとあり、さらには、国会期間中の官僚の業務を改善することで「残業代102億円が削減される」との試算が、大学教授の聞き取り調査によってはじき出されている。

「国会期間中は与野党の質問に関する資料・答弁書を用意するために官僚は政治家の道具のように働くことを強いられ、結果、長時間の残業を強いられます。しかも、多くの政治家とその事務所はデジタル対応が遅れているので、打ち合わせでは密な濃厚接触での対応を強いられ、文章のやり取りもメールではなくFAXでの送信を求められます。そんな永田町の働き方に霞が関がいかに引きずられているかを如実に示すデータになっていると思います」(全国紙記者)

「李下に冠を正さず」とは政治の世界でよく使われる諺だが、こんな実態を見ると、政治家主導の働き方改革の限界が透けて見える。

(猫間滋)

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