習近平直属「中国紅軍海兵隊」の“尖閣急襲”極秘シナリオを暴く【全文掲載】

尖閣衝突ヒ?テ?オ

 外国船が中国管轄海域で活動し、停船命令に従わない場合は武器の使用を認める─。中国は先頃、そんな海上警備法の草案を公表した。この尖閣諸島周辺を念頭に置いた「実力行使」に加え、中国は10万人に及ぶ「極秘部隊」を編成。新たに発覚した尖閣占拠計画の驚くべき全貌を明らかにする。

「終身主席を目指して、着々と布石を打っている。共産党の主席ポスト復活は、そのひとつだ」

 中国の習近平国家主席について、政府関係者はそう語る。

 中国共産党は22年の党大会で最高指導者ポスト「党主席」を復活させ、習近平国家主席が就任する見通しだと、シンガポール紙ストレーツ・タイムズ(電子版)が10月27日、中国指導部関係者の証言をもとに報じた。

 党主席とは、中国共産党中央委員会主席のことだが、54年に中国が正式に社会主義国となって以降、毛沢東から華国鋒、胡耀邦へと受け継がれたのち、過度な権力の集中と個人崇拝を排除するべく、82年に廃止されていた。それが今回、復活するというのである。

「中国は共産党が国家を指導する国。つまり、国家主席のさらに上に位置するのが党主席であり、習近平はその立場を確保しようとしている」(政府関係者)

 中国人民解放軍の再編にも余念がないというが、

「尖閣諸島に連日のように艦船を派遣している海警局を軍指揮下に置き、さらに武器使用も明言し始めたのもその一環だが、実は習主席直属の組織として、10万人規模の極秘部隊を編成していたことが最近、わかった」(政府関係者)

 秘された部隊の名称は、「Marine of the Chinese Red Army(中国紅軍海兵隊)」。紅軍とは27年に中国共産党が組織した「中国工農紅軍」の通称だが、第二次大戦後の47年に中国人民解放軍と改称し、抗日戦線でともに戦った中華民国国軍と交戦。中華民国が中国本土を追われ、台湾に逃れたことで休戦した。以降、同国の一般名称は台湾となった。

「こうした歴史を踏まえてこの命名の意味を探れば、休戦を終戦へと変える、すなわち台湾併合のための部隊創設ということになる。『一つの中国』というのが国是であり、05年には台湾の動向を念頭に反分裂国家法を制定している。習近平は個人独裁体制樹立の花道として、台湾奪取へと動き始めたとみられる」

 防衛関係者はそう分析したうえで、さらに続けた。

「特殊訓練を積んだ急襲部隊たる海兵隊のコマンドが空から降下して、総統府を数時間のうちに占拠する作戦計画がすでに出来上がっているともいう。米国が救援に駆けつける前に実効支配してしまおうというもので、これをやられると、もうどうにもならないのではないか」

 台湾併合となれば世界地図が書き換えられ、中国はいよいよ太平洋覇権へと向かう。日本にも多大なる影響が生じるとみられるが、それ以前に喫緊の問題があるようだ。防衛関係者が声を潜めて言う。

「この作戦には、在沖米軍への牽制の目的で、尖閣諸島奪取の付属計画も設けられている。台湾急襲と同時に尖閣にも海兵隊を降下させ、一気に占拠してしまうというものだ」

 さらに秘された目的もある、と政府関係者が明かす。

「独裁体制に向かう習体制に反発し、人民解放軍が割れそうな気配がある。暗殺やクーデターのような事態もひそかにささやかれている。そこで身辺の警護も兼ねて、海兵隊を作ったという話が漏れ聞こえてきている」

 事実とすれば、独裁体制を担保する特殊部隊が新設されたことになるが、いずれにせよ、独裁化に資する目的で編成されたのは間違いないようだ。

 それにしても、不穏極まりない。連日のように尖閣諸島周辺海域に中国海警局の艦船が出没している最中のことだからだ。

 もっとも、日本側も無策というわけではなく「尖閣有事」に対するシナリオも作成されているという。想定されている中国の動きは以下のようなものだ。

【1】中国の漁業監視船(海警局の艦船)と海上保安庁の巡視船が偶発的に衝突。中国が監視船を一斉に送り込む

【2】中国海軍の艦艇が展開

【3】中国空挺(特殊)部隊が尖閣上陸

 中国は作戦を仕掛けるにあたって、漁船を誘導する。それを保護する名目で海警局の艦船を派遣する、との想定だ。その後、中国側が軍を投入し、実力行使に出るとしている。

 これに対し日本側は、海警局の艦船は海上保安庁に対応を委ね、中国軍への対処に特化。次のような動きに出る。

【1】陸上自衛隊の地対艦ミサイルが、離島に近づく軍艦を牽制

【2】航空自衛隊の戦闘機や海上自衛隊の護衛艦による対地射撃で、特殊部隊を制圧

【3】陸自部隊を上陸させる

 自衛隊が対峙するのはあくまでも中国軍に対して、というのが原則だ。先に自衛隊を出すと国際世論の観点から不利になるとの判断に基づいてのものだという。

「そのためには、海上保安庁とのスムーズな連携が必須となるが、防衛省もその点は承知のうえで、着々と準備を進めている」

 前出の防衛関係者は、そう説明すると、20年版防衛白書の当該部分を示した。

〈島嶼部を含むわが国への攻撃に対しては、必要な部隊を迅速に機動・展開させ、海上優勢、航空優勢を確保しつつ、侵攻部隊の接近・上陸を阻止する。海上優勢、航空優勢の確保が困難な状況になった場合でも、侵攻部隊の脅威圏の外から、その接近・上陸を阻止する。万が一占拠された場合には、あらゆる措置を講じて奪回する。

 また、ミサイル、航空機などの経空攻撃に対しては、最適の手段により機動的かつ持続的に対応するとともに、被害を局限し、自衛隊の各種能力及び能力発揮の基盤を維持する〉

 こうした自衛隊出動を可能にするための体制整備も年々、充実させている。

 防衛白書をさらに見ると、

〈(尖閣諸島を含む日本列島の)南西地域の防衛体制強化のため、空自は、16(平成28)年1月の第9航空団の新編に加え、17(平成29)年7月、南西航空方面隊を新編した(いずれも沖縄本島に設置)。陸自は、16(平成28)年3月の与那国沿岸監視隊などの新編に加え、18(平成30)年3月、本格的な水陸両用作戦機能を備えた水陸機動団を新編した(佐世保に設置)。さらに、19(平成31)年3月、奄美大島に警備部隊などを、宮古島には警備部隊を配置した。20(令和2)年3月には、宮古島に地対空誘導弾部隊及び地対艦誘導弾部隊を配置し、今後は、石垣島にも初動を担任する警備部隊などを配置することとしている〉

 広島県の江田島には、全自衛隊初の特殊部隊として創設された特別警備隊が控えてもいる。陸海空をそろえ、万全の体制が出来上がりつつあるのだ。しかし、それでもなお、破綻のシナリオを指摘する声もある。

「読んでみたらいい」

 防衛関係者がそう言って示したのは、月刊誌「文藝春秋」20年9月号に掲載された作家・麻生幾氏の記事だった。ポイントは18年1月から2月にかけて行われた日米共同統合演習(CPX)で作成されたシナリオの中身だ。麻生氏は次のようにつづっている。

〈「そのCPXでは様々なシナリオの設定が行われたが、中でも注目したのは、『尖閣諸島奪還作戦』のストーリーを設定したことだった」と語るのはアメリカのインド太平洋軍関係者だ。

「そのストーリーは、尖閣諸島の魚釣島に、40名の中国の武装した漁民が夜陰に紛れて突然、上陸。その対応のため、まず沖縄県警の警察官が急行する。しかし、武装漁民たちは自動小銃やマシンガンなどを撃ちまくり、その火力が警察力を上回ることが判明し、さらに犠牲者も出たことから、自衛隊の治安出動が決定。そこで、内閣総理大臣直轄部隊に編入された自衛隊の特殊部隊30名が尖閣諸島へ急行し、戦闘の末、中国の武装漁民20名を拘束した」(同インド太平洋軍関係者)

 ところがシナリオではそこから事態が急転したとする。

「武装漁民20名を逮捕したが、その漁民を救出するとの名目で、中国の主力、200名の部隊が魚釣島に空挺降下し、自衛隊特殊部隊を全滅させた。さらに自衛隊特殊部隊を救出するため、四波に渡って送り込まれたヘリコプター部隊もすべて撃墜された─」(同インド太平洋軍関係者)〉

 再び防衛関係者が語る。

「あくまでもシナリオではあるが、尖閣への上陸が二段構えになり、後段に特殊訓練を受けた海兵隊が来るとしたら、危機的な状況になるのは間違いない。防衛省で想定済みの対応を、この時点で新たに実行に移せばいいという見方はあるだろうが、実際のオペレーションはそれほど簡単なものではない。防衛計画をさらに高度なものとして練り上げていく必要があろう」

 習近平主席の野望の下に極秘部隊が創設された今、尖閣占拠がまさに現実味を帯びてきている。日本の備えも拡充する時である。

(ジャーナリスト・時任兼作)

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